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フォーラムエイト Vol.2 
 特別顧問 藤原 裕

本田技研工業株式会社入社後、開発責任者として、初代ストリーム、USオデッセイ、フリードなど大ヒット作を手がけ、同社 四輪事業本部 開発企画室 商品統括責任者(RAD)として、新型機種の企画/マーケティング〜開発/量産/販売/訴求までを統括する事業責任者として活躍。
 
フォーラムエイトのアドバイザーがそれぞれの経験や専門性にもとづいたさまざまな評論やエッセイをお届けするコーナーです。


『世界から憧れの的となる日本人ライフスタイルとクルマ社会を目指して』

はじめに
30年余、日本の自動車業界で、新車開発や品質改善を携わって来た自動車エンジニアとして、この場を借りて、私の所見と提言を申し上げたい。
私は、ホンダで初代ストリームや三代目USオデッセイの開発責任者を務め、その時代の先駆けを行く新価値を持つ魅力的商品を開発し、大きなヒット商品となった。このような大きな業績を上げることが出来たのは、開発責任者と開発チームに、社内の『任せる』開発体質があったからである。時代を先駆ける新価値を見出すことは、そう簡単なことで出来ることではない。お客様の使い勝手や状況を見ながら、時代の将来変化を如何に捉えるかが、重要である。そのためには、お客様の様子を現場で見ながら、開発チーム内で、様々な議論を繰り返し、仮説を立てて、その新価値となる商品や技術を組み立てていくことである。その甲斐あって、初代ストリームは、爆発的な販売台数を上げ、2000-2001年カー・オブ・ザ・イヤーや新車情報大賞などの多くの受賞を取得し、日本のミニバン界に、新たな新価値商品を提案し、後日、他社の追随商品が現れた。

日本社会と自動車業界への提言
さて、私は、現役を退いて、5年近くになるが、最近の自動車業界や日本社会に対して、問題意識を強く持つことがある。
その問題点とは、3つある。

 1.日本の自動車メーカーは、自動車の先進技術開発が得意だが、お客様を引きつけるブランド力を持つ商品造りが、弱い
燃料電池車やハイブリッド車など、世界をリードする技術や商品を持っているが、欧州車のようなブランド力の強い商品を開発し、育成出来ていない。勿論、日本車にも、一部の優れた商品があるが、メルセデス、BMW、アウディ、ポルシェ、フェラーリなどの商品やブランドには、程遠いレベルである。

日本の自動車産業が、将来、生き残って行くためには、『白物家電』的商品を開発販売するだけではなく、日本車として強いブランド力とアイデンティティーを持つ商品を開発し、モータースポーツやレクリエーションなどの周辺活動を盛り上げながら、育成して行く必要がある。

■山岳ワインディング路を駆けるポルシェ911

日本の自動車産業が、将来、生き残って行くためには、『白物家電』的商品を開発販売するだけではなく、日本車として強いブランド力とアイデンティティーを持つ商品を開発し、モータースポーツやレクリエーションなどの周辺活動を盛り上げながら、育成して行く必要がある。

 2.日本ほど、自動車を所有し、使用することが困難な国は他の先進国では少ない
欧米先進諸国の高速道路は、無料か低料金である。日本でも、以前、一律千円設定を実施した時、日本のファミリーや国民は、遠出や観光を楽しみ、日本経済を活性化した。日本の行政は、国民が自動車を所有し易く、使用し易い環境を整備して行く必要がある。そうしないと、内需が高まることが無く、日本の自動車産業は、衰退しかねない状況になる。先ずは、高速道路の無料化を進めるべきである。

 3.今の軽自動車は、日本の携帯電話のような『ガラパゴス』的商品となり、国際競争力のある商品になっていない。
軽自動車は、日本の高度成長時代には、大きな貢献を果たして来たが、日本の自動車販売(商用車を除く)全体の40%を占める現在、このままでは、世界をリードする自動車立国とは言えないだろう。勿論、日本の自動車メーカーは、海外向けに、それぞれの地域で求められる競争力ある商品を開発し、販売している。日本の自動車産業は、内需と外需の二刀流の中、外需に依存している。自国市場での裏付けの弱い商品開発と販売を続けていたら、先程、述べた強いブランド力のある商品造りは、難しいだろう。これを是正するためには、軽自動車規格を見直し、国際競争力のある規格で、『ガラパゴス』でないグローバル商品を開発し、国内外で、販売する必要がある。
  ■日本の自動車販売台数の推移(商用車を除く)
以上のように、私の提言は
1.日本車として、強いブランド力のある商品の開発販売とクルマ文化の定着
2.高速道路の無料化
3.国際競争力のある軽自動車規格の見直しとグローバル新軽商品の開発販売
である。


クルマと共にある心豊かなライフスタイルを求めて
■2014年夏、日本初のWATERMAN LEAGUE大会。
  シニア特別賞受賞。
■2015年冬、山形蔵王スキー場の山頂、樹氷の前にて。
固い話になってしまったが、私は、現在、湘南・茅ヶ崎で、マリンスポーツを楽しみ、クルマを活用するシニアライフを過ごしている。定年退職後、始めたスタンドアップ・パドル・サーフィン(SUP)を毎朝、海で楽しみ、地域や全日本の大会に参加している。また、小型船舶操縦1級免許を取得し、江ノ島マリーナをベースに、大型ヨットクルーザーのメンバーとなって、相模湾や伊豆諸島へのクルーズを楽しんでいる。アウトドア・キャンプやスキー/スノーボードを楽しむ時は、多人数や荷物の積載能力の高いクルマが、活躍する。初代ストリームとCRZの2台を使い分けながら、シニアライフスタイルを楽しんでいる。
■茅ヶ崎海岸で、初代ストリームとCRZ(後ろに、富士山)。

兄弟従兄弟シニア4家族で、年数回、旅行やスキーに行く時は、ミニバンが大いに活用される。若者の車離れとか、レクリエーション離れとか、言われているが、今一度、昔、クルマとレジャーを満喫したシニア世代が、先頭を切って、趣味や旅行により一層取り組み、日本のクルマ社会高揚を盛り上げていくべきと思う。

私のシニアライフ目標は、今までに無い新価値のあるシニアライフを模索し、周りのシニアや後輩に伝染することによって、日本が、世界から、憧れの的になるライフスタイルとクルマ文化を持つ国になることである。
日本は、和食ブームや2020年東京オリンピックなど、世界から関心を持たれる存在になっているが、日本人のライフスタイルや人生観、クルマ文化が、世界からの憧れの的には、なっていない。

■江ノ島から大島・新島へ、36ft ヨットクルーザーにて。 ■毎朝、茅ヶ崎海岸で、SUPサーフィン(後ろに、富士山)。

戦後の復興時代や高度成長時代には、TV番組に見られるアメリカのライフスタイルやクルマ文化に興味を持ち、大量消費とクルマ社会が、普及して来た。日本の産業経済は、大きな成長を遂げ、世界有数の先進国になった。しかし、働きバチのイメージが強く、必ずしも、心豊かなライフスタイルを定着したとは言えない。今は、東日本大震災を経験し、家族や人間関係の大切さを再認識し、仕事と家庭をうまく両立させながら、新たな日本人ライフスタイルを模索しつつあると思う。
これからは、2020年東京オリンピックを契機として、世界から、憧れの的になる日本のライフスタイルとクルマ文化を培い、歩みましょう。

最後に
日本の自動車産業と技術を更に向上するためには、弊社で展開しているVRやドライブシュミレーター技術が、活躍すると思う。既に、様々な業界で、VRを活用しているが、この世界は、日進月歩、凄まじい進化を遂げるので、急がれるテーマである。

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(Up&Coming '15 盛夏号掲載)
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