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▲技術本部 森 憲久 技術部長 |
今回は、広島市に本社を置きプレストレスト・コンクリ−ト(PC)の橋梁・構造物を専業に営まれる、極東工業株式会社をご紹介します。
極東工業株式会社は、昭和23年に国鉄に採石を納入する会社として「鉄道砂利工業株式会社」を設立され、広島工場でRC枕木の操業を開始し、昭和28年には広島県大竹市のPC工場においてPC枕木を初め、昭和29年には、その技術を応用してプレテン方式によるPC桁を製作し、PC橋の施工開始されました。現在はPC構造物の専門業者として創立51年目を迎えられています。
現在、社員数は、400余名(技術職250余名)で、受注高260億円余り、特に関西、中四国、九州を中心とした西日本地区に数多くの事業拠点を置き、全国28の本支店・営業所で事業を展開しておられます。また、島根県の江津工場と大分県の大分工場の2カ所の工場では、PC桁を中心に、また広島県の高宮工場では、共同溝などのコンクリ−ト2次製品を中心に操業しておられます。
フォ−ラムエイトの製品は、UC-1シリ−ズの解析・上部工を中心に50ライセンス使用して頂いています。UC-BRIDGEは、全社では複数使用して頂いており、主にPC中空床版やPC箱桁などの設計で利用されているそうです。Windows版となり、さらに使い勝手が改善されたと高い評価を頂いています。最近では、上部工のみの設計ではなく、下部工との連帯した設計が必須とのことで、RC構造物統合ソフトの「UC-win/RC」と「UC-win/T&Wu」を広島本社と大阪支店に一括で導入していただきました。現在、開発中の「PC単純桁の設計計算」についてご紹介したところ、橋梁の数においては、やはり単純桁の比率は最も高いとのことで、低価格で単純桁に特化している点を評価いただき、期待しているとのことでした。
情報化においては、システム開発の関連会社を設立され早くから取り組まれ、イントラネットで情報の共有化を実現し、全社をあげた独自の情報インフラの構築に積極的に取り組んでおられます。また、設計ソフトについても、数多く自社開発を行ってきたとのことですが、ソフトウェアのメンテナンスを継続することがコスト的に見合わないとのお考えもあり、これからもさらに市販で使えるソフトを積極的に導入していくとのことでした。
ISO関係では、平成9年2月に本社技術部を含めた広島支店でISO9001を認証取得され、平成11年には東京、大阪、福岡の全支店での認証取得をされています。現在は、2001年を目標に各部署での取得から、全社システムでの取得へ整備を進められています。
数多くのPC橋梁・PC構造物を施工されていますが、最近の主なものを伺ったところ次のような事例をご紹介していただきました。
《大芝大橋》広島県発注:PC斜張橋(プレキャストセグメントの張り出し工法)
《天竜川橋梁(第2東名)》日本道路公団 PRC23径間連続箱桁橋(外ケ−ブル)
《鍋田高架橋(第2名神)》日本道路公団 PC9・18・6・3径間連続箱桁橋(プレキャストセグメント・スパンバイスパン工法)
最近では、メンテナンス事業として、コンクリ−ト構造物の補修・補強工事にも力をいれ、外ケ−ブルによる補強工法や橋脚のコンクリ−ト巻き立て工法なども施工されているそうです。また、開発部門として、大学、ゼネコンとの共同研究、社内開発にも力をいれ、耐震補強の下部工の増し杭を施工する「マイクロパイル工法」では、工法の基礎実験や協会の設立に参画されたそうです。また、「リング拘束工法」やのり面補強工法も手がけられているとのことです。
プログラムについても要望をお伺いしたところ、プログラム間のスム−ズな連携や、積算も含めた比較ソフトで手軽なものなどが望まれるとのことでした。
最後に今回の取材に協力いただきました森技術部長、池田設計課長ほか、技術本部技術部の皆様に御礼申し上げます。 |
▲本社技術本部の皆さん |
▲大芝大橋(PC斜張橋の施工) |
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