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Shade3Dで蘇る昭和の鉄道車両モデル 車体から客室内部までリアルな質感とディテールを再現 |
長年の創作を支えるShade3Dとの出会い
Shade3Dで精巧な鉄道CGモデルを制作し、SNSやWebサイトで公開している安部尚樹さん。現在制作中の車両モデルデータを見せてもらうと、細かなパーツまで立体的に再現された完成度の高さに驚かされます。安部さんがShade3Dを使い始めたのはWindows95が登場した頃。海外製の3DCGソフトもいくつか試してみた上で、体験版で触れたShade3Dの軽快さと扱いやすさに最も魅力を感じたといいます。
当初は飛行機や人物など様々なモデルを作成していましたが、やがて個人的に建築パース制作の仕事も受けるようになり、Shade3Dは趣味だけでなく実務でも活躍するツールとなりました。その後、数年間のブランクを経て、2019年にある鉄道雑誌を読んだことをきっかけに、鉄道モデルの創作を再開。パソコンの最新OSに合わせてShade3D Ver.20を改めて導入し、現在の本格的な作品制作につながっています。
自由曲面を使いこなして鉄道車両のディテールを豊かに表現
安部さんが鉄道車両制作を行う際は、まずインターネットで入手した実際の図面を取り込み、記載された寸法情報を基にして、パーツごとに正確なモデリングを行っています。作成されたモデルでは、自由曲面の形状を使って、車両の床下の機器、車内の客室ドア周りといった細かな部材や、座席・照明までが、忠実に再現されています。「ポリゴンは実はほとんど使っていません。自由曲面だと、例えば椅子などのような丸みのある形状を再現しやすいんです。また、パイプ状の形状を容易に作ることができるスイープ曲面の機能も、窓枠のゴムや手すりなどの部材制作に欠かせません」。ひとつの車両を構成するこれら無数のパーツを約3~4か月かけて丁寧に作り込んでいき、最後にすべてを組み合わせることでモデルが完成します。このような精緻なCGモデルを作成すると一般的に数GBの大きさになるところが、Shade3Dでは200MB弱に抑えられるのも扱いやすい点だといいます。
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| Shade3Dで再現された鉄道車両と各種パーツのモデル |
「最近では特に、レンダリング機能が進化していることもありがたいです。以前の3DCGソフトではレンダリングに4~5時間かかるのが普通でしたが、現在使っているShade3Dの最新バージョンでは、車両内部なら1時間以内、車体の外観であれば10分ほどで完了します。Ver.22で搭載されたAIノイズ除去機能の効果も大きく、ノイズがきれいになくなって美しい仕上がりになりました」。家庭用の一般的なパソコンでも十分快適に動作する軽さもShade3Dの魅力のひとつだといいます。
現在ではLEDに取って代わられている昭和時代の蛍光灯には、線光源を組み込んで、影や車内の明るさを実物の雰囲気に近づけています。また、網棚の網や計器盤中の針、運転室の掲示板の文字といった細部までモデリングで作り込むことにこだわって、国鉄時代の味わい深い車両がリアルに再現されています。
「部品をひとつひとつ作り込んでいくのはひたすら地味な作業ですが、少しずつ形が出来上がっていくのは本当に楽しい」。
Shade3Dの軽快な操作性と自由度の高いモデリング環境は、長年に渡る創作活動を支える欠かせないツールとなっています。安部さんは今後も作品制作を続け、鉄道ファンに向けてその魅力を発信していくといいます。
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| Shade3D画面 |
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