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●はじめに
- 水門の設計計算 Ver.2では端堰柱の設計に対応しました。また、門柱配列形式のパターンとして、[水流方向の列数]×[水流直角方向の列数]の組合せに(2x1)、(3x1)、(3x2)を追加しました。この他、材料特性を任意に指定できる機能なども追加しています。
ここでは、新しい端堰柱の設計機能についてご紹介します。
●端堰柱の設計方法の概要
- 本製品は「土木研究所資料地震時保有水平耐力法に基づく水門・堰の耐震性能照査に関する計算例平成20年3月」を参考として設計を行います。この計算例は中央堰柱を対象としており、Ver.1では中央堰柱のみの対応としていました。
今回のバージョンアップで可能となった端堰柱の設計機能は、上記の設計方法に背面土の影響を追加することにより対応しています。レベル1では背面土の重量、土圧、慣性力を考慮して断面計算を行います。レベル2のプッシュオーバー解析では、慣性力の方向に応じて、背面土による土圧荷重または地盤抵抗のバネとして考慮します。
本製品単独で使用する場合、基礎形式は直接基礎となります。レベル2の堰柱床版の照査は、慣性力が川表方向となるケースのみ対応しています。
また、「基礎の設計計算」と連動することで杭基礎形式への対応が可能になります。「基礎の設計計算
Ver.9.01」より端堰柱に対応しています。連動時、レベル2の基礎の照査および堰柱床版の照査は、慣性力が川表方向で地震動タイプIIのケースのみ対応します。
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▲メイン画面 |
●端堰柱の入力項目
- 端堰柱の設計へ対応することにより、入力は下記のように変化します。
- 設計条件として中央堰柱または、端堰柱を選択します。
- 背面土の情報を定義します。
- 背面土内の水位を別途指定します。
- 堰柱部の震度を躯体(kh)、地盤面(khg)から選択します。
※上記2〜4は端堰柱時の入力です。
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▲背面土設定画面 |
●端堰柱の入力項目
- 背面土の重量、土圧、慣性力の影響を考慮して断面照査を行います。
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常時 |
地震時 |
水流方向 |
直角方向 |
水流方向 |
直角方向 |
慣性力方向 |
− |
− |
− |
川表方向 |
川裏方向 |
重量 |
○ |
○ |
○ |
○ |
照査なし |
土圧 |
× |
○ |
× |
○ |
慣性力 |
− |
− |
− |
○
(安定計算のみ) |
▲レベル1における背面土の影響 ○:考慮する ×:考慮しない
土圧の載荷方法は道示IVに準拠して堰柱断面照査用(道示IV 図-解2.2.18)、安定計算用(道示IV 図-解2.2.18)、堰柱床版照査用(道示IV 図-解8.7.1)のそれぞれの載荷条件で照査します。背面土の慣性力は安定計算時のみ考慮します。
▲レベル1における土圧の載荷方法
常時土圧係数は道示IV(2.2.6)式により算出します。地震時土圧は物部岡部式または修正物部岡部式から選択でき、計算条件の指定により、水中の見かけの水平震度を適用することが可能です。水中の見かけの水平震度は、計算条件で指定した層厚で分割され、分割した層ごとに河川構造物の耐震性能照査指針(案)・同解説−I
共通編−の(解5.4.3)式により算出します。
●端堰柱のレベル2(門柱・堰柱)照査
- プッシュオーバー解析では、背面土の影響を、土圧、または地盤抵抗としての地盤バネとして考慮します。プッシュオーバー解析結果をもとに行われる保有水平耐力照査は、中央堰柱と同じ方法で行います。
慣性力方向 |
川表方向 |
川裏方向 |
水流方向 |
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上流→下流
下流→上流
共通 |
土圧 |
死荷重 |
○ |
○ |
× |
増分 |
○ |
× |
○
(側面土が存在する場合) |
地盤バネ |
× |
○ |
○
(計算条件として指定) |
▲レベル2における背面土の影響 ○:考慮する ×:考慮しない
地盤バネ特性は「既設橋梁の耐震補強工法事例集 平成17年4月」のPI-102「(5)背面土のモデル化」を参考としています。地盤バネは、地盤反力が上限値に達したときに降伏する非線形バネとして扱います。上限値到達の判断は地盤バネ部材ごとに行われ、部材長は計算条件で指定することが可能です。結果画面で、土圧、地盤バネ、上限値の計算値および計算に使用した値などの詳細を確認できます。
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▲レベル2(門柱、堰柱)結果画面 |
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■水門の設計計算 Ver.2 リリース日:2010年 8月2日 |
(Up&Coming '10 秋の号掲載) |
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