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今回のバージョンアップでは、フーチング補強を中心に機能追加を行い、あわせて入力,計算,出力,図面の全般に関して拡張していますので、さらに適用範囲及び検討項目が広がりました。
●フーチングの補強拡張(橋軸方向後フーチング、直角方向張り出し部)
Ver.4においては、平易に掘削可能な前フーチングの補強設計、増杭工法(既設荷重は既設杭のみ、増設後の増加荷重には既設杭と新設杭の両方で分担)に対応し、高さ方向,延長方向の補強を検討することができました。一方、橋梁拡幅等に伴う橋台の補強において、フーチングを取り壊す際には杭頭破損等の可能性があり、現況のフーチングをそのまま流用し、底版,竪壁の躯体の拡幅や新設を行い、フーチング拡幅に伴い杭を増設することがあります。ここで、単純な補強を行った場合は、既設の杭等において応力がもたない場合もあり、このような時は軽量盛土工法により土圧軽減を行い、既設構造に対して応力を抑える必要があります。Ver.8においては、後フーチングの補強を行い,軽量盛土工法により土圧軽減工法を検討できるように拡張し、あわせて左右張出し部に関しても補強設計が可能になりました。検討可能な補強範囲は、それぞれ延長方向の補強が可能で、高さ方向については共通になります。 |
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増厚有り |
張出無し |
前趾のみ、後趾のみ、前趾と後趾の両方 から検討可能 |
張出有り |
前趾,後趾、、張り出し部の全てが増厚有りに固定 |
増厚無し |
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前趾のみ、後趾のみ、左右の張り出し部 から検討可能 |
また、増杭工法の場合の既設荷重においては、荷重モデルを柔軟に設定できるように拡張してありますので、土砂の影響の有効範囲を形状入力により指定でき、既設荷重による組み合わせがお客様により自由に設定することが可能です。フーチングの設計においては、橋台は竪壁厚が大きいため、有効幅の算出時は全幅に該当する場合が多く単位幅当たりの荷重により照査していましたが、張り出し長によっては有効幅を考慮する必要があるため、Ver.8より単位幅,有効幅のどちらかを選択して照査できるようになります。これにより、片方のみが張り出す時や竪壁幅が小さい場合に、荷重状態毎に評価することが可能です。
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▲後趾増設(躯体形状)の入力画面 |
●直角方向土圧、受働土圧拡張(多層地盤,直角方向)
直角方向の左側及び右側の地盤を掘削し、橋台設置幅を確保した上で橋台を配置するような場合は、直角方向の土圧を考慮できるようにしました。基礎の根入れにより受働土圧を考慮した安定計算では、道示W「荷重を底面と根入れ地盤との共同で支持される場合(簡便法)」に基づき、基礎底面と根入れ部で水平荷重を分担して多層地盤により検討できるように拡張し、直角方向においても主働土圧同様に考慮できるようにしました。また、このような条件においては、左右の側面土砂高さが異なるため、土砂の影響として左右の側面土砂の高さを個別に指定できるようにしています。 |
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▲側面土砂(土砂形状)の入力画面 |
●任意荷重の慣性力考慮
躯体に付随する付属物,突出した躯体部分,地表面の分厚い舗装がある時に任意荷重により検討する場合も多く、この場合Ver.7までは死荷重として扱い,慣性力対象とはできませんでした。Ver.8では躯体相当としてL1の地震力,L2の増分値に考慮できるようになりましたので、事前に慣性力分の水平力を計算し任意荷重で指定する、基礎連動を中止し単体設計するなどの煩雑な操作が不要になりました。また、突出した部分の扱いに関しては、別途偏心モーメントを考慮できるように選択も用意しました。
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▲任意荷重の入力画面 |
●パラペットの設計拡張(無筋計算,受台無時の地震時背面側の照査)
水管橋や胸壁高が小さく配筋しない場合に、無筋コンクリートとして断面検討できるようにしました。
また、踏掛版を設けない場合は常時に対して背面側をT荷重,土圧力によって照査しますが、歩道橋や側道橋のようなT荷重を考慮しない時には地震時の方が危険になる場合があるので、選択により地震時の照査も検討できるようになりました。
●任意形状の制限緩和
任意形状は、マウス編集により複雑な形状が簡単にモデル化でき、規定形状と同様に常時,L1,L2地震時の照査が検討できるようになっていますが、必ずしも全ての設計条件や形状を網羅できていませんので、今回 (1)複雑な形状の揚圧力の算出 (2)もたれ式の土圧係数の算出 に対応して制限を緩和しました。
●付属設計(翼壁の設計)の結果確認
翼壁の設計では、本体設計と付属設計とで設計対象により使い分けて設計できますが、付属設計にて検討した際は計算結果の扱いに一部制限がありましたので、どちらの場合でも計算書はもちろん設計調書に結果を反映できるようにし、違和感なく使用できるように改善しています。 |
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●図面作成
1)かぶり詳細図
かぶり詳細図は、固定サイズによる作図から実寸及び縮尺して作図できるように拡張しました。
- 外形・鉄筋径 ・・・ 固定したサイズ → 実際のサイズで作図
- 寸法線 ・・・ 固定した寸法線(値は正常) → 実際の寸法で作図
- 縮尺 ・・・ 固定縮尺(1/10) → 縮尺用の入力を追加
2)翼壁組立筋(スターラップ)
翼壁垂直主鉄筋を水平主鉄筋の外側に配筋した場合、組立筋の配筋方法として「垂直主鉄筋を巻く」タイプに加えて「水平主鉄筋を巻く」タイプに対応しました。
垂直主鉄筋を巻く |
水平主鉄筋を巻く |
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3)翼壁ハンチ筋、補強筋の配筋の基準点
翼壁ハンチ筋、補強筋の配筋を水平主鉄筋に合わせた配筋が容易に調整できるように、配筋の基準点を「胸壁天端」に加えて、水平主鉄筋同様に「底版下面」,「翼壁先端側天端」から選択できるように対応しました。
■橋台の設計 Ver.8 リリース予定日:2009年8月末 |
(Up&Coming '09 秋の号掲載) |
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