Ver.3では、限界状態設計法の照査に対応します。これにより、2017年制定コンクリート標準示方書に準拠した、要求性能に対する照査を行うことが可能です。また、選択可能な断面形状として二軸断面をサポートします。改訂内容の概略を以下でご紹介致します。
耐久性、安全性、使用性それぞれの要求性能が基準を満たしているかの照査を行います。
要求性能ごとに断面力(曲げモーメント、軸方向力、せん断力、ねじりモーメント)及び、部材係数、材料係数、構造物係数の設定を可能とし、全ての要求性能に対する照査を一括で行うことが出来ます。また、部分係数法と同様に、断面力を1断面に対して複数ケース設定することが可能です。
各断面形状でサポートする照査項目は表1の通りです。二軸断面での限界状態設計法による照査は、サポート外となります。
断面形状
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耐久性、使用性
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安全性
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断面破壊
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疲労破壊
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曲げ
ひび割れ
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せん断
ひび割れ
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ねじり
ひび割れ
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曲げ
耐力
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せん断
耐力
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ねじり
耐力
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曲げ
疲労
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せん断
疲労
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矩形
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○
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○
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○
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○
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○
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○
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○
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○
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円形
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○
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○
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○
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○
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○
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○
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○
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○
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小判型(横)
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○
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−
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○
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−
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−
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小判型(縦)
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○
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○
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BLOCK入力
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I桁
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○
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○
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○
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○
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○
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○
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T桁
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○
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○
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○
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○
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○
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○
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○
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WT桁
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○
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○
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箱桁※
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○
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○
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○
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○
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○
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○
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○
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円孔ホロー桁
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○
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矩形二軸
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円形二軸
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任意二軸
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表1 要求性能に対する照査に対応した断面形状
※箱桁断面において2室以上及びハンチを指定した場合は、曲げに対する照査のみとなります。
出力機能
入力データ、詳細出力、概要出力、一覧出力にて出力を行えます。詳細出力では、照査に用いた算出式や計算過程における値の確認が行え、検算などにご利用いただくことが出来ます。
任意二軸断面の入力機能
格点座標を入力することで、格点を頂点とする任意の断面形状を作成することが可能です。
応力度計算機能
水平軸回りの曲げモーメント、垂直軸周りの曲げモーメント、軸力を入力することで、二軸の応力度の計算を行います。図3に示す記号の結果を確認出来ます。
σc :コンクリートの応力度
σs :鉄筋の応力度
y1’ :中立軸位置から圧縮側最縁距離
y2 :中立軸位置から引張側最縁距離
θ :中立軸の傾き
r :図心から中立軸までの距離
以上、主な機能改訂についてご紹介させていただきました。今回の改訂は2017コンクリート標準示方書及び二軸断面の計算への対応となります。なお、今回ご紹介致しました機能は現在開発中のものです。リリース時にはここでご紹介した内容と異なる可能性があります。予めご了承ください。今後も皆様からのご要望を取り入れて、改良・改善を加えてまいります。どうぞご期待ください。