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Vol. 3 |
このコーナーでは、ユーザーの皆様に役立つような税務、会計、労務、法務などの総務情報を中心に取り上げて、わかりやすく紹介していきます。今回は、国内外の特許出願の現状について説明します。 |
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企業活動のグローバル化や中国等の新興国を中心とした市場の拡大に伴う、全世界的な特許出願件数の増加等を背景に、近年の知的財産権を取り巻く状況は急速に変化しています。このような状況の中、我が国の知的財産権の出願構造も大きく変化しています。
今回は、特許庁が公表している「特許行政年次報告書2013 年版」から国内外の特許出願の現状について簡単に紹介します。
■1.我が国における特許出願件数とPCT国際出願件数の推移
我が国への特許出願件数は、毎年40万件を超える高い水準で推移してきましたが、2006年以降は漸減傾向となり、2009年に大きな落ち込みを見せました。
2012年の特許出願件数は、前年とほぼ同様の342,796件(前年342,610件)でした(図1)。
この背景には、昨今の景気の影響とともに、出願人が特許出願の厳選を行い、事業展開の核となる質の高い出願を目指す特許出願戦略を採用してきていることなどが考えられます。
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▲図1 特許出願件数の推移 |
一方、我が国特許庁を受理官庁とした特許協力条約に基づく国際出願(PCT国際出願)の件数は、急激な増加傾向を示しており、2012年は前年比12.7%増の42,787件でした(図2)。
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▲図2 PCT 国際出願件数の推移 |
これは、市場のグローバル化に伴い、我が国の出願人が海外出願を重視してきていることの現れであり、我が国企業等における知的財産活動のグローバル化が進んでいることが見てとれます。
■2.主要国・機関における特許出願件数の推移
(1)世界の特許出願件数
企業活動のグローバル化の進展や中国等の新興国を中心とした市場の拡大に伴い、世界の特許出願件数は急増しています。
2002年に144万件であった特許出願は、10年間で1.5倍に増加し、2011年には214万件に達しました。2009年に居住者、非居住者共に出願件数が減少していましたが、2010年以降増加に転じており、2002年から2011年までの居住者、非居住者はそれぞれ年平均5%増、4%増と増加を見せています。
WIPO(世界知的所有権機関)によると、2009年から2011年の間に特許出願件数は293,900件増加し、この増加の72% がSIPO(中国特許庁)の特許出願件数の増加によるものです。
非居住者による出願はこの10年間で見ると増加傾向にあり、非居住者による特許出願の状況を見ると、2002年の55万件から2011年には78 万件と、10年間で1.4倍に増加しました。2011年には全体の4割弱を占める状況にあります(図3)。
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▲図3 世界の特許出願件数 |
こうした世界規模での特許出願件数の増加は、企業活動のグローバル化に加え、世界全体での知的財産の保護意識や保護水準が着実に高まっていることの現れであると考えられます。
(2)五大特許庁における特許出願件数
日米欧中韓五大特許庁における特許出願件数の動向を下図に示します。
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▲図4 五大特許庁における特許出願件数 |
2012年のJPO(日本国特許庁)における特許出願は、34.3万件であり、前年とほぼ同様の件数でした。また、五大特許庁の中では、前年と同様、SIPO(中国特許庁)の出願件数の増加(2012年:65.3万件、前年比24.0%
増)が際立っています(図4)。
(3)五大特許庁間の特許出願件数
最後に、2011年における五大特許庁間の特許出願件数を見てみましょう。JPO(日本国特許庁)、EPO(欧州特許庁)、SIPO(中国特許庁)、KIPO(韓国特許庁)から他庁への出願は、いずれもUSPTO(米国特許商標庁)へのものが最も多く、USPTO
からはEPO、SIPO、続いてJPO の順となっています(図5)。
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▲図5 五大特許庁間の特許出願件数 |
参考:特許庁ウェブサイト 特許行政年次報告書2013 年版 http://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/nenji/nenpou2013/honpen/1-1.pdf |
(Up&Coming '13 夏の号掲載) |
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