Q10−1. |
「地盤反力度の計算方法」:「軸線幅 全幅」の選択肢があるが適用基準によって異なるのか。 |
A10−1. |
「軸線幅」(骨組に載荷された荷重を軸線に載荷):土工指針、建設省
「全幅」(全幅でもとめた地盤反力度を軸線に載荷):道路公団 です。
この選択肢は断面計算に有効で安定計算は常に「全幅」で計算しています。 |
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Q10−2. |
「鉛直土圧係数他」において「地盤反力の低減係数」とは何を意味するのか。 |
A10−2. |
道路公団設計要領には「活荷重による底版反力は、一車線幅当たり一車両載荷と考え、頂版に作用する活荷重の80%とした。」といった記述が載っています(H6「設計要領 第二集」8−10参照)。本プログラムはそれを想定しています。したがって活荷重の地盤反力に関しては画面上で設定された低減係数を乗じた値となります。 |
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Q10−3. |
荷重条件の印刷において
「地盤反力度 ql'=ql+(qr−ql)/B×T/2
qr'=qr+(ql−qr)/B×T/2」
qr'=qr+(ql−qr)/B×T/2」
ここの「ql'、qr'」、「T」とは何か。 |
A10−3. |
当該項目は、地盤反力度の計算方法を「全幅」と指定した時に出力されます。
「ql'、qr'」は何れも壁外面で求めた「ql、qr」を軸線上で求め直したものです。「T]は側壁厚です。 |
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Q10−4. |
鉛直方向地盤反力係数についてAv(鉛直方向載荷面積)の奥行きはボックスカルバートの奥行きか、単位あたりの奥行きか。 |
A10−4. |
鉛直方向地盤反力係数kv算出時の鉛直方向載荷面積Avは、
ボックス全幅×ブロック長,
ボックス全幅×1m
という考え方があります。
また道示W8.4による地盤の変化を考慮に入れた換算変形係数を用いる場合もあると思います。 |
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Q10−5. |
地盤反力度の計算方法で「軸線幅」の選択が、「全幅」選択より底版支間部でモーメントが大きく出るのはなぜか? |
A10−5. |
「軸線幅」のとき、骨組モデルに載荷する全荷重から地盤反力度を算出します。したがって、この場合は支点に鉛直反力は生じません。
一方、「全幅」のときは、BOX全体に作用する荷重を考慮し、BOX全幅を用いて算出した地盤反力度のうち、骨組モデル幅に相当する部分を載荷します。この場合、他の骨組荷重との釣合がとれませんので、支点に鉛直反力が生じることになります。
躯体重量等骨組荷重の載荷方法や断面寸法の影響がありますので、「軸線幅」、「全幅」でどちらの地盤反力度が大きくなるかは一概にいえませんが、「軸線幅」で算出した方が地盤反力度が大きくなる場合があります。その場合、「軸線幅」の方が底版支間部の内側引張の曲げモーメントが大きくなります。また、この場合「全幅」のとき、支点に上向きの鉛直反力が生じます。 |
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Q10−6. |
地盤反力度の出力に(算出方法:骨組)との記載があるが何を意味するか? |
A10−6. |
設計条件の入力において、地盤反力度の計算方法に「軸線幅」が指定されている時に「算出方法:骨組」と出力しています。
これは、基本条件の入力で基礎形式を○地盤反力度とされた際にその計算方法を○軸線幅とされた際、骨組荷重を集計し、軸線幅を用いて地盤反力度を算出している為その旨記載しております。
全幅のとき、BOX全幅、全高に作用する荷重を集計し、BOX全幅を用いて地盤反力度を算出しますが、この際には(算出方法:全幅)として記載します。 |
Q11−1. |
「基礎条件(支点バネ)の入力・修正」において「Kv、KH」はどのように計算されているのか。 |
A11−1. |
・「Kv」は杭軸方向バネ定数に相当します。
Kv=a×Ap×Ep/L
ここに Ap:杭の純断面積(m2)Ep:杭体のヤング係数(kN/m2)
L:杭長(m) a:各杭種で決まる係数
上記で求めたKvを下記のように単位幅当たりに換算して計算しています。
Kv=杭1本当たりのKv×杭1列当たりの杭本数/BOXの奥行き幅
・「KH」は杭軸直角方向バネ定数(K1)に相当します。
K1:杭頭部に回転を生じさせないようにして、杭頭部を杭軸直角方向に単位量だけ変位させるとき、杭頭部に作用させるべき軸直角方向力(kN/m)
本プログラムでは杭頭ヒンジで求めたK1を下記のように単位幅当たりに換算して計算しています。
KH=杭1本当たりのK1×杭1列当たりの杭本数/BOXの奥行き幅 |
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Q11−2. |
杭頭ヒンジで計算したい。 |
A11−2. |
本プログラムは元々、杭頭ヒンジで計算しています。ただし、バネを無限大で計算したい場合などは以下のように設定してください。
「地盤データ」入力後、「支点バネ値の確認修正」画面において
Kv(kN/m2)=−1 KH(kN/m2)=−1 としてください。
「Kv=−1(鉛直固定)」、「KH=−1(水平固定)」(回転は内部で「自由」としています。)により「ピン支点」即ち「杭頭ヒンジ」となります。 |
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Q11−3. |
1本杭、1列杭は計算できるか。 |
A11−3. |
本プログラムは杭頭ヒンジで計算しているため、何れも計算できません。 |
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Q11−4. |
杭基礎の場合、杭位置と底版のせん断照査位置が一致する場合の取扱い。 |
A11−4. |
杭反力を含まないせん断力 S1
杭反力を含むせん断力 S2
のうちから絶対値の大きい方を抽出しています。 |
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Q11−5. |
断面方向の計算、縦方向の計算で算出される”杭反力”はそれぞれどういう意味なのか。
また、各々の算出方法。断面方向の計算ですべての杭配置を記入することの意味。 |
A11−5. |
杭反力は、各杭列ごとに杭1本当たりの値を出力しています。
算出方法は、FRAME計算により算出した支点反力Riを用いて、断面方向では、Ri×奥行き長/奥行き方向杭本数,縦方向では、Ri/奥行き方向杭本数により算出しています。ここで、奥行き方向は、計算方向と直交する方向を指しています。
断面方向の場合、奥行き1m当たりに換算して計算しています。
奥行きすべてを考慮した杭配置情報を入力していただき、プログラム側で、奥行き1m当たりに換算した支点バネ値を算出しています。他の入力方法として、奥行き1m当たりの杭本数を実数で入力して杭1本当たりで算出したバネ値に乗じて、奥行き1m当たりの支点バネ値に換算する方法がありますが、全杭を入力していただく方がわかりやすいと考えて、このような仕様としています。
なお、算出された支点バネ値は変更可能ですので、別途算出された奥行き1m当たりの支点バネ値をご使用の場合は、支点バネ値入力画面で変更してください。 |
Q14−1. |
設計断面力はどのように決めているのか。 |
A14−1. |
(1) 応力度実行前(FRAME計算終了時)
各照査断面位置ごとにMmax、Mmin、Nmax、Nmin時の4ケースの「M、N」と「基準値」→「曲げ応力度計算条件の設定」において入力した鉄筋比(γ=AS'/AS)から必要鉄筋量を求め、必要鉄筋量最大となるケースに着目して設計断面力を抽出します。
(2) 応力度計算実行時
各照査断面位置ごとにMmax、Mmin、Nmax、Nmin時の4ケースの「M、N」に対してそれぞれ「σc/σca」、「σs/σsa」を求め、計8種類の「応力度/許容応力度」の中から当該比が最大となる「M、N」を設計断面力としています。
但し「基準値」→「曲げ応力度計算条件の設定」において「単鉄筋」、「複鉄筋」の選択肢で「単鉄筋」の指定をすると仮に複鉄筋で配筋していても「単鉄筋」で応力度計算します。 |
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Q14−2. |
支間中央の曲げモーメント検索方法。 |
A14−2. |
プログラムの流れ
(1) 支間(両端格点を除きます)の最初に取得した曲げモーメントMを保存した後、極値を検索します。
(2) 極値がない場合→最初に取得したMを支間モーメントとします。
極値がある場合→極値=M(支間モーメント)とします。
但し極値が複数ある場合、Mの絶対値の大きい方をMmax 、Mmin とします。
※極値の扱い:せん断力Sの反転位置に着目しています。曲げモーメントMに着目して、その中からMの最大を選択しているわけではありません。 |
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Q14−3. |
支間中央で曲げが外側引張り(負のモーメント)になった場合も計算可能か。 |
A14−3. |
前記のようにプログラムの流れは躯体各部何れも
(1) 支間(両端格点を除きます)の最初に取得した曲げモーメントMを保存した後、極値を検索します。
(2) 極値がない場合→最初に取得したMを支間モーメントとします。
極値がある場合→極値=M(支間モーメント)とします。
但し極値が複数ある場合、Mの絶対値の大きい方をMmax 、Mmin とします。
例1.端部の負のモーメント:−30
支間中央の負のモーメント:−5(極値の場合)
M=−5を採用
例2.端部の負のモーメント:−10
※例1.の場合、支間中央のモーメントの絶対値としては「−5」より大きな値がありますが、隅角部照査で「M=−30」に対する配筋を支間中央外側にまで延ばすので問題ないと思います。 |
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Q14−4. |
荷重組合せ時の断面力が各基本荷重による断面力の合計値と一致しない。 |
A14−4. |
例えば頂版の温度変化考慮の場合、「許容応力度の割増」の入力項目で「常時+温度 α=1.15」と入力すると、組み合わせの際は温度荷重による断面力を割増し係数「1.15」で割り戻しています。(許容応力度は割り増していません。) |
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Q14−5. |
標準設計の計算例と断面力が合わない。 |
A14−5. |
計算例で扱っている荷重は
死荷重(浮力無)、活荷重(定型1)の2ケースです。したがって、
死荷重:「断面方向」→「水位データ」でケース数を「1」とし水位 0.000mとする。
活荷重:「基準値」→「定型活荷重強度」の画面を開いて
「定型1」でT荷重(2軸)を入力
「定型2」の荷重強度を「0.000」としてください。
荷重の組み合わせ、抽出は内部で行います。 |
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Q14−6. |
頂版の断面力が底版の断面力より大きくなる。一般に底版の方が大きくなると思うが。 |
A14−6. |
土被りが小さく輪荷重の分布が集中荷重に近い形で載荷されるためと考えられます。
試みに土被りを大きくとれば底版の断面力の方が大きくなります。 |
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Q14−7. |
荷重を対称に入力したつもりだが断面力が対称にならない。 |
A14−7. |
以下の点などを再度確認してください。
・左右の水平土圧係数は対称か。
・「任意死荷重」を入力した場合、対称に入力しているか。
Lo:荷重載荷開始位置(壁外面からの距離で入力。)
Lq:荷重載荷長です。(壁外面から荷重載荷終了位置までの距離ではありません。)
・「任意活荷重」を入力した場合、対称に入力しているか。
(任意活荷重を載荷する際の「基点」とはBOX左側壁外側からの距離であり、側壁軸線からの距離ではありません。) |
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Q14−8. |
ハンチを入力した場合、剛度についてもハンチ形状に応じた剛度になって計算しているか。 |
A14−8. |
ハンチ分の剛度は考慮していません。ハンチの自重が加味されるだけです。 |
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Q14−9. |
適用基準が「道路公団」で剛域考慮の場合、対角線断面照査における設計モーメントMVの考え方。 |
A14−9. |
MVはMa、Mbの絶対値の大きい方を採用しています。
(Ma、Mb:隅角部格点のモーメント、何れもMminに着目しています。)
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Q14−10. |
たわみ角法で計算する方法はないか。 |
A14−10. |
変位法とたわみ角法との違いは部材の伸縮の影響をみるか、みないかです。本プログラムは変位法で解いており、部材の伸縮の影響を考慮しています。たわみ角法で解くには部材の伸縮の影響を無視するため、部材の断面積を無限大にするなどの設定をする必要がありますが、本プログラムではそうした設定はできません。 |
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Q14−11. |
計算結果の内、曲げモーメント・せん断力を手計算でチェックしたいのだが、その方法を教えてほしい。 |
A14−11. |
BOXラーメンを手計算で行う方法としては「たわみ角法」によるのが一般的ですが、この「たわみ角法」で剛域を考慮して解析するのは実務上無理ではないかと思われます。
一般に不静定構造物の断面力は、
M=a×A+b×B
のような算術式で表現することはできません。本プログラムは変形法といわれる解析法で解析しています。 |
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Q14−12. |
側壁中間部の最大モーメントの算出方法は。 |
A14−12. |
支間部の設計曲げモーメントは次のように抽出しています。
Mmax,Mmin,Nmax,Nminに対して始終点を除いた全着目点のうち絶対値最大となる極大(極小)モーメントを抽出しています。
本プログラムの支間部照査は頂底版のように隅角部と異なる曲げ方向に対して有用なものとなることを想定しています。内側引張が生じないとき支間部で入力された外側鉄筋で照査する範囲の定義は行っておりません。 |