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vol.22
 Academy Users Report
 アカデミーユーザー紹介/第22回
武漢理工大学
智能交通システム研究センター

交通安全評価/事故分析・対策の研究開発分野にVRを活用
UC-win/RoadとSDKによりドライブシミュレータを拡張開発

武漢理工大学
URL http://wts.whut.edu.cn/
所在地 湖北省武汉市
研究開発内容 : 智能交通システム、交通安全研究、
交通情報及び安全研究

武漢理工大学は中国湖北省武漢市洪山区に位置する総合大学であり、中国教育省(日本の文部科学省にあたる)直下で重点的に運営されている大学です。教育省、交通運輸省(日本の国土交通省にあたる)と国防科学技術産業省の共同出資で建設され、中国211工程(プロジェクト211)及び「ダブル一流大学プロジェクト」にも含まれています。

同大学には現在、馬坊山キャンパス、余家头キャンパス、南湖キャンパスがあり、1,600ヘクタール以上の広大な面積をカバーしています。現在在学中の学部生は約36,000人、大学院生は約18,000人、留学生は約1,7000人います。工学体系に基づき、理学、工学、経済学、管理学、芸術学、文学、法学などの学科間で相互に連携し、協調発展を目指す学科編成がなされました。



 智能交通システム研究センター

智能交通システム研究センターは武漢理工大学傘下の独立した科学研究機構で、主に水路、道路智能交通システム理論および応用研究にフォーカスしています。

道路に関する研究分野には、主にドライバー行動原理、交通事故の原因分析、道路交通安全の運営・コントロール、安全運転支援、自動運転開発などが含まれています。

水路に関する主要な研究には、内陸河川のキャパシティ調査、水上交通安全技術と水上交通安全分析などが挙げられます。



 道路交通安全と情報化グループ

呂能超准教授は2010年からITSセンターで講師を担当し、2017年より博士の指導教官を務めています。同氏の研究領域は、主に交通安全評価、事故分析と予防、アイシーブイ、ドライバー行動と交通安全、交通システムシミュレーションとコントロールなどです。30項目以上の科学研究プロジェクトの中で、国家自然科学基金(3件)、国家科技支援プログラム(1件)その他の省部級項目(3件)を担当し、国内外で学術論文を80本以上発表してきました。その中で、SCI/EI検索は50件です。同氏は20件を超える特許とソフトウェアの著作権を申請しており、4件の科学技術賞が授与されました。


智能交通システム研究センターで活用されている
UC-win/Roadドライビングシミュレータ

呂能超准教授が率いる道路交通安全および情報化グループには、現在、博士課程の学生2人と大学院生10人が所属しています。グループのメンバーはそれぞれ特定の交通または情報の研究バックグラウンドを持ち、交通シミュレーションとデータ処理能力を備えています。

研究ニーズに基づいて、研究チームは独立で多くの科学研究実験プラットフォームを開発しました。プラットフォームには、道路交通ドライバー行動と交通安全研究を目的とした8チャンネルのUC-win/Roadドライビングシミュレータを利用。

実際の道路で運転テストを目的として広汽传祺が自主開発した道路交通実験車(GPS / INS、レーザーレーダー、画像取得システム、運転行動検出システム、車両データ取得システムなどを搭載し、車両の運転状態、運転操作、道路シーンなどのデータを同時に記録可能)およびインテリジェントロードサイドシステムとインテリジェント車両システムを含む車両道路共同テストプラットフォーム(オリジナルの制御アルゴリズム設計と車両道路調整システム戦略検証の基本条件が提供される)があります。

画像をクリックすると大きな画像が表示されます。
道路交通実験車および機器


 UC-win/Road導入の契機と活用目的

道路交通システムは複雑で動的であり、関係する人的要因も同様に複雑です。人的要因と交通安全の関係を研究するために、異なるシナリオを設計してテストし、ドライバー行動の特徴を収集して分析することが必要になります。ただし、複雑であったり危険なシナリオは、実車では行うことができません。加えて、最新のドライビング環境(アイシーブイ、I-VICSなど)についも実際に使用できるようなテスト環境がありません。このため、運転シミュレータシステムは、同氏の研究グループにとって最適なソリューションとなっています。

2003年、ITSセンターは実車コックピットと5チャンネル投影に基づいてドライビングシミュレータを構築しました。これは実際の項目に多数応用されましたが、シーンの効率的な編集機能には改善の余地がありました。同グループは2016年に、フォーラムエイトが開発したUC-win/Roadを導入し、ドライビングシミュレータのシーン編集とドライビングシミュレーションに活用しました。呂教授の下で、UC-win/Road SDKを利用した拡張開発により、既存のシミュレータのハードウェアは新たにUC-win/Roadと相互連携されています。この新しいドライビングシミュレータを構築した後、同グループは効率的に運転シミュレーションテストを実行し、貴重な運転行動データを蓄積、多くの科学研究と企業プロジェクトを達成しました。

基本的な運転シミュレーション関連では、下記のような研究が挙げられます。

  1. 中国国家自然科学基金項目「運転負荷を考慮した認知的意思決定行動モデリングおよび運転パフォーマンス改善方法」で活用し、異なる交通環境での運転負荷の定量的評価を行いました。
  2. 地方級項目「重要な道路の片側拡大する安全性評価に対する再建または拡張プロジェクト」で活用し、複雑なインターチェンジ交差点の紛争地帯の運転特性に関する研究を行いました。
  3. 企業項目「武漢市四環線沌口長江道路橋交通流事前に警戒する研究」で活用し、新しい交通標線の効果を評価しました。

最新技術の運転シミュレーション関連では、下記のような研究が挙げられます。

  1. 中国国家自然科学基金項目「異なる人と車両の調整レベルでのドライバー作業負荷の変更規律」で活用し、人と運転システム一緒に運転するときの負荷規律を調査しました。
  2. 湖北省自然科学基金項目「IoT運転行動識別と早期警告モード最適化方法」で活用し、車両ネットワークと安全な運転支援の下での運転行動認識と介入効果テストをシミュレートしました。
  3. 武漢市科技項目「スマート車両運転のリスク状況の識別とスイッチングのインタラクティブ制御」で、スマートカーでの人とコンピュータの相互作用の最適化とテストに活用しました。

このように、UC-win/Roadの効率的なシーン編集機能により、実際の運転シミュレーションシナリオを多数作成し、交通施設の安全性評価に活用しています。

さらに、UC-win/Road SDKを利用して、スマートカー、安全支援運転技術を開発し、最新の技術の下で人的要因について調査を実施しました。

画像をクリックすると大きな画像が表示されます。 画像をクリックすると大きな画像が表示されます。
異なる車線での運転シミュレーションシナリオ 安全補助運転システムの模擬運転試験
画像をクリックすると大きな画像が表示されます。 画像をクリックすると大きな画像が表示されます。
片側拡幅道路同行分離帯交差点でのドライバー行為模擬テスト 自動運転環境でのマンマシンスイッチングの模擬運転試験

実験室では今後、UC-win/Roadシステムの応用拡張、アップグレード計画、実験計画のなどを予定しています。今後の課題の展望について、呂教授はUC-win/Roadによる運転シミュレータをさらに発展させたいと考えています。よりリアルな運転環境を構築するために、同氏の積極的な推進のもと、ITSセンターはすでにシミュレーションコックピットのブラッシュアップを行っており、現在中止している実車両の客室を六自由度のスポーツコックピットにアップグレードし、付属のハードウェア設備も更新しました。

この他、現在のUC-win/Road運転シミュレーション条件をより積極的に利用して、現在人気のあるスマート・ネット・ユナイテッド自動車について、カー・ロード協同とスマート・ハイウェイ分野でクリアしました。マルチシミュレータのリアルタイムインタラクションも今後拡張していく方針です。

また、UC-win/RoadとSDKの開発機能を利用して、複雑な条件における典型的なシーンのシミュレーションを実現し、特定の環境下で運転シミュレーションと人的要因の研究を展開し、科学研究と産業応用プロジェクトを引き続き推進していく予定です。

呂能超准教授と学生たちの集合写真

武漢市長江大橋路面減速標識線評価業務 VRデータ
第17回 3D・VRシミュレーションコンテスト ノミネート賞受賞

最も減速効果が高い路面標識を評価するため、UC-win/Roadの中で14パターンの減速路面
標識を作成し、運転シミュレーションで検証を行った。VRデータの総延長は70キロもある橋梁
路面、最後実験の結果から2つのパターンを決め、実際、武漢長江大橋に導入された。
画像をクリックすると大きな画像が表示されます。
授賞式の様子(2018年11月14日(水)) UC-win/Roadで作成されたVRデータと実際の武漢市長江大橋 
(Up&Coming '19 秋の号掲載)



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