SUPPORT TOPICS |
VRのなぜ? 解決フォーラム |
保守・サポートサービス関連情報 |
UC-win/Road |
|
|
1.VRでの光の表現
- ディスプレイで光を正確に表現するには、様々な問題があります。
ディスプレイに表示する画像は加法混色のRGBで表現するため、ディスプレイの物理的な輝度の制限と階調により、表示できる光は、一定の輝度で3色によって構成された色となります。つまり、まぶしさの度合いが異なるような表現が難しく、暗い物を灰色表示させることによって相対的に表現することになります。リアルタイムVR空間では、空間内の最も明るい白い面をモニタの白色(RGB 1,1,1)として定義し、それより暗い面の明度を下げて表現します。
また、人間の目は、周囲の明るさや光の色に順応します。そのため、同じ電球の明るさが日中と夜間では異なって見えるといった現象が起こります。このような視覚の働きや、空間にある光源およびマテリアルの属性を考慮して、光を可能な限りRGBに正確に変換することは複雑な処理となります。UC-win/Road ver.4.0でリリースした高度な照明機能は、夜間シミュレーション向けの照明(ストリートライトとヘッドライト)であり、太陽の光を考慮せず計算します。今後、各光源の相互作用を考慮した、より厳密な照明シミュレーションを開発する予定です。
2.計算方法
- 以下の方法を用い、UC-win/Roadの高度照明機能を実装しています。
OpenGL Shaders V2を使用し、ピクセル毎に元のRGB値を変化させます。
元のRGB値として、テクスチャ画像に保存されている値、または画像を使用しない場合、UC-win/Roadで設定したポリゴンの色を使用します。
最終的に計算された光度(3色の3次元ベクトル)を元のRGB値に乗算します。
最終光度値を下記の通り計算します。
アンビエントライトを太陽の位置から計算します。太陽の光度範囲は[0..0.9]とします。各照明による光度の値をアンビエントライトに加算します。
3.ストリートライト照明の光度計算
- 1つの照明に対して光度を以下の通り計算します。
表示するピクセルと光源の距離により光源にて設定した強度を下記の式の通り減少させます。
表示するピクセルの法線Nベクトルを用いて簡易の反射計算を下記の通り行います。
上記の係数および光源の色を用い、最終的な光度を計算します。
ピクセルの位置が照明範囲外であれば光度を0とします。
4.ヘッドライト照明の光度計算
- 1つの照明に対して光度を以下の通り計算します。
表示するピクセルと光源の距離により光源で設定した強度を下記の式の通り減少させます。
照明の方向に対するピクセルの位置によって光度を変化させます。
また、ストリートライトと同様に簡易の反射計算を行います。
上記の係数および光源の色を用い、最終的な光度を計算します。
さらに、表示するモデル種類によりUC-win/Roadで設定した係数を計算し、最終的な光度とします。
ピクセルの位置が照明範囲外であれば光度を0とします。
|
|
|
|
|
▲ヘッドライト反射係数
設定画面 |
|
▲道路用地反射係数:1 の例 |
|
▲道路用地反射係数:5 の例 |
|
Page Top
|
SUPPORT TOPICS |
震度算出(支承設計)のなぜ? 解決フォーラム |
保守・サポートサービス
関連情報 |
UC-1 Series |
|
複数下部構造の照査はどのような方法で行っているか? |
|
震度算出(支承設計)では、上部構造が複数の下部構造で支持された振動単位の固有周期を静的フレーム法により求めています。静的フレーム法の適用に当たっては、上部構造および下部構造の分布している質量をいくつかの質点に集約して取り扱う「離散型の骨組み構造モデル」とし、耐震設計編およびその資料に準じて、以下のような取り扱いをしています。
- 質点の位置
上部構造 : 支点上および支間中央
下部構造 : 梁部,柱部,フーチング部のそれぞれの重心
- 橋台のモデル化に際しては、橋台背面土の影響は無視する。
- 可動支承の摩擦の影響は無視する。
- 上部構造を表わす梁の位置は、以下の通りとする
橋軸方向 : 基本条件により上部構造重心位置/下部構造天端のいずれかを選択
橋軸直角方向 : 上部構造の重心位置
- 下部構造部材の剛性は以下の通りとする。
・レベル1照査時
橋脚 : 全断面有効としたときの曲げ剛性,ねじり剛性,断面積
橋台 : 全断面有効としたときの曲げ剛性,ねじり剛性,断面積
・レベル2照査時
橋脚 : 降伏時の曲げ剛性、全断面有効としたときのねじり剛性,断面積
橋台 : 全断面有効としたときの曲げ剛性,ねじり剛性,断面積
なお、橋脚,橋台のフーチングおよび橋脚のはりについては剛体としています。
- 上部構造の桁下端から重心までを結ぶ部材は剛体としています。
- 上部構造および基礎の剛性は、全断面有効と見なして算出します。具体的な構造モデルのイメージは、下図のとおりです。
|
Page Top
|
|
せん断剛性低減係数には何を入力すればよいか? また、その影響は? |
|
Engineer's Studio(R)のファイバー断面内には「せん断剛性低減係数」の入力項目があります。これは、鋼桁のような薄肉断面の梁では、発生せん断応力度の大部分はウェブで受け持たれるという考えと整合させるために、ファイバー要素の断面積に乗じる係数を入力するものです。
通常は、下式で算出されるせん断補正係数kを入力します。
k = Aw / A
ここに、
Aw :ウェブ面積
A :全断面積
Engineer's Studio(R)の「ファイバー要素1次」と「ファイバー要素2次」はせん断変形を考慮できる要素です。今回はファイバー要素1次を用いて、せん断スパン比とせん断変形の有無の関係をご紹介します。
解析対象は鋼箱断面の単柱とし、荷重漸増解析を行います。柱のせん断スパン比を1から5まで変化させています。せん断スパン比はせん断スパンLaと断面高dの比で、せん断スパン比が小さいほどせん断の影響が大きくなります。 せん断変形を考慮するモデルには上記kを入力し、せん断変形を考慮しないモデルにはせん断剛性低減係数に1000(全断面積の1000倍とする)を入力しています。
下図は、柱天端での荷重変位曲線(P-δ曲線)です。黒線はせん断変形を考慮、赤線はせん断変形の影響を無視した結果です。丸印は圧縮側でのフランジにおいて降伏ひずみを超過した点です。
|
▲荷重変位曲線 |
せん断スパン比が小さな柱では、せん断変形の有無で初期勾配が大きく異なっています。せん断スパン比が大きくなるに従い、せん断変形より曲げ変形の影響が支配的になるため、初期勾配に大きな違いはありません。また、せん断スパン比が小さいモデルにおいても、変形が大きくなると降伏が進展し、最終的にはせん断変形の有無に関わらず同一の傾き(剛性)となることが分かります。
|
▲80mm変位時の降伏状況 |
この機能は、Engineer's Studio(R) ver.1.01.00から追加された機能です。UC-win/FRAME(3D)も同様の機能を有しています。特に鋼部材の解析において有効です。ぜひ、ご活用ください。 |
|