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どのような荷重を設定しての設計計算が行えますか? また、その設定方法は? |
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BOXカルバートの設計では、死荷重や任意死荷重、定型活荷重、任意活荷重、内空活荷重などの荷重が入力できますが、それらをうまく活用することで以下のような様々な荷重状態の設計計算が行えます。
■死荷重のみ(活荷重無し)の計算:
「初期入力」を開き、「定型活荷重 考慮する・考慮しない」の選択肢を「考慮しない」としてください。この選択肢は「定型1、定型2」に有効で、「しない」とすれば定型1、2とも無視されます。ただし当該選択肢は任意活荷重には反映しません。従って、任意活荷重を入力せず、当該選択肢を「しない」とすれば死荷重のみの計算ができます。
■外水位がBOX全高より高いケースの計算:
外水位が路面以下であれば、計算可能です。外水位が路面より上にある場合には「外水位=路面」とし、「入力された外水位」と「実際の外水位」の水圧の差分を「任意死荷重」で設定することで計算可能です。
■カルバート縦断方向と平行に活荷重(T−250)を載荷しての計算:
車両進行方向がカルバート縦方向の場合、「任意活荷重」で入力する方法があります。任意活荷重で、奥行き方向の荷重分布を考慮し、奥行き方向1m当たりに換算した荷重強度(予め衝撃係数を考慮して下さい)を入力してください。「共同溝設計指針(S.61.3)
(社)日本道路協会」に車両進行方向が縦方向の場合の頂版天端に作用する鉛直荷重の考え方が記載されています。
P(kN/m)=(2×輪荷重強度)÷(車両占有幅)×(1+衝撃係数)
q(kN/m2)=P÷{2×(土被り厚)+0.2}
この載荷方法の場合、q×(車両占有幅)を荷重強度,接地幅=車両占有幅(=2.750),分布角度90゜と入力していただくことになります。
他に、T−250荷重(単軸)の場合、次のような方法が考えられます。
荷重強度Pi (kN/m) P1=P2={100.0×(1+衝撃係数)}/(2×土被り厚+0.2)(100.0:後輪荷重)
接地幅Si (m) S1=S2=0.5 (後輪の車両進行直角方向接地幅)
分布角度θi (度) θ1=θ2=45
上記、2データの間隔は、車両進行直角方向の後輪中心間隔1.750(m)となります。ご検討の設計条件に応じて設定してください。
■活荷重を群集荷重のみとしての計算:
「初期入力」で『定型活荷重=考慮しない』を指定することにより、定型活荷重1,2ともに考慮されません。群集荷重は、「荷重」−「死荷重」画面で歩道荷重として入力してください。
■2連BOXの中壁に衝突荷重を考慮しての計算:
中壁に作用する衝突荷重は、初期入力画面の[ヘルプ]ボタンから開く説明画面に記載しておりますように、2、3連BOXで内空活荷重を考慮する場合のみ考慮可能となっており、下記手順で設定することが可能です。
(1) [初期入力]画面で「内空活荷重=考慮する」を選択してください。
(2) 同画面で「衝突荷重=考慮する」を選択してください。
(3) [形状]に「内空土かぶり」が表示されますので、内空ごとに舗装厚、盛土厚と単位重量を設定してください。
(4) [荷重]に「衝突荷重」が表示されますので、この画面で衝突荷重を設定してください。
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UC-win/Road |
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UC-win/RoadのVer3.3では、断面の透過を行うことが可能ですが、この機能を利用した表現について2通りご案内します。
一つはサンプルデータでも使用しています、透明・半透明の防音壁への利用です。この利用は少し手が込んでいます。断面の画像をご覧いただくとわかりますが、断面は左から右へと一筆書きを行う必要があることから、同じ位置での上下の折り返しを行っています。折り返しの両面とも表示すると、透過が重なり、見た目によくないことから片側を非表示としています。断面入力画面右下の透過率を0%とすることで全透明となり、見えなくなります。もう一方の面は、透過率を50%から80%程度にすることで、半透明の表現となります。また外側は、枠だけ表示させるために、黒色を透過とします。このことによって透明・半透明の防音壁を表現することが可能です。
次に、河川への利用です。こちらも画像をごらんください。河川の底の上部に水面を想定した水平部分を作成し、そこを透過とします。このことにより河川部に水の質感を表現する事ができます。従来から河川を表現する際に、湖沼の機能を併用してよりリアルに表現することが可能でした。しかし、湖沼の機能では、パフォーマンスが低下することや、河川に適用する場合、縦断勾配がきつい場合にどうしても複数の湖沼をずらして重ね合わせて使用することが必要です。断面透過機能を利用することで、周囲の景観の反射機能はありませんが、従来よりも河川らしく表現することが可能です。
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UC-win/FRAME(3D |
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従来、UC-win/FRAME(3D)は「Rayleigh減衰」と「要素別剛性比例型」をサポートしていました。これに、Ver.3より「要素別Rayleigh減衰」が追加されました。ここではRayleigh減衰と要素別Rayleigh減衰について簡単な活用例を用いて両者の違いを示します。
まず、Rayleigh型の減衰マトリクスは以下の式で定義されます。
[C] = α[M] + β[K]
ここで、 |
[C]:モデル全体の粘性減衰マトリクス
[M]:モデル全体の質量マトリクス
[K]:モデル全体の剛性マトリクス |
α:質量マトリクスに乗じる係数
β:剛性マトリクスに乗じる係数 |
この式の通り、Rayleigh減衰ではパラメータα、βがモデル全体のマトリクスに乗じられるため、減衰を無視すべき要素に対しても結果的に減衰を考慮してしまうことになります。
これに対して要素別Rayleigh減衰はαとβを要素別に与えることができます。
ここでは簡単な例を用いて、両者の比較を行います。
10秒までサイン波、
それ以降は自由振動 |
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▲図1.モデル図 |
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静摩擦力以上で破断するバネ |
解析対象は円柱とし、共振するようなサイン波を10秒間与えます。その後、10秒間自由振動させます。両者の比較を行うために、柱頂部にはすべり支承を想定して破断を考慮できるバネ要素を設けます。バネの初期勾配を変化させてその影響を検討します。要素別Rayleigh減衰では[K]に乗じるβは0とします。
下図の左はRayleigh減衰、右は要素別Rayleigh減衰の(柱天端の変位履歴)結果を示しています。
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▲図2.右:Rayleigh減衰、左:要素別Rayleigh減衰 |
要素別Rayleigh減衰ではバネの初期勾配にかかわらず同じ変位履歴を示しますが、Rayleigh減衰では勾配が大きいK=1E+05において全体的に応答値が抑えられる結果となります。これは剛性[K]が大きくなり、結果として[C]が大きくなることを示しています。
Ver.3より新しく追加された要素別Rayleigh減衰では要素毎に減衰パラメータの設定を行うことができます。機能を活用することで、より高度な解析を行うことが可能です。是非、ご活用下さい。
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