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●擁壁の設計 Ver.6 |
Ver.6では、宅地防災マニュアル(平成10年2月)の改訂内容を中心とした機能拡張を行い、あわせて各都市において定められた宅地造成法における固有の照査方法を取り入れていきます。
●土質条件
支持地盤においては、Ver.5迄は岩盤,砂れき,砂,粘性土のみの選択でしたが、Ver.6より土質種類を図のように拡張することで、「初期入力」画面において簡易に土質条件を選択できます。裏込め土においても、選択土質より次のように土質条件を初期設定し、荷重条件,照査条件における標準値を簡易に設定することが可能になります。 |
支持地盤 |
長期応力に対する
許容応力度
(kN/u) |
短期応力に対する
許容応力度
(kN/u) |
岩盤 |
1000 |
長期応力に対する許容応力度の
それぞれの数値の2倍 |
固結した砂 |
500 |
土丹盤 |
300 |
密実な礫(れき)層 |
300 |
密実な砂質地盤 |
200 |
砂質地盤 |
50 |
堅い粘土質地盤 |
100 |
粘土質地盤 |
20 |
堅いローム層 |
100 |
ローム層 |
50 |
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裏込め土 |
単位
重量 |
土圧
係数 |
作用角 |
砂利または砂 |
18.0 |
0.35 |
24 |
砂質土 |
17.0 |
0.40 |
20 |
シルト、粘土、または
それらを多量に含む土 |
16.0 |
0.50 |
16 |
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●仮想背面
片持ち梁式擁壁における仮想背面は、「底版かかとから鉛直方向に伸ばした線」を採用することが多いですが、設計基準によっては次のような「竪壁の背面(実背面)にとる方法」,「竪壁の天端と底版かかととをむすぶ線」を適用することもあり、このような照査方法が可能になります。 |
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底版のかかとから鉛直方向に
伸ばした線 |
竪壁の背面(実背面)にとる方法 |
竪壁の天端と底版かかととを
むすぶ線 |
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「竪壁の背面(実背面)にとる方法」の時は、土圧の作用面を擁壁竪壁の背面(実背面)にとることになり、底版かかとから鉛直方向に囲まれた土の重量を作用力として考慮します。「竪壁の天端と底版かかととをむすぶ線」の場合は、土圧作用面を擁壁竪壁の天端と底版かかとを結ぶ線にとる方法になり、擁壁と仮想背面に囲まれた土の重量を見込みます。
●土圧
土圧においては、次のような検討が可能になります。
・裏込め土に応じた規定の土圧係数の選択
規定の土圧係数は、5kN/uの積載荷重を考慮して算定しているため、表面荷重が10kN/uの場合はP=Ka(10-5)Hとして算出します。
・透水マット使用時の壁面摩擦角の自動設定
常時:透水マット無し:2φ/3、透水マット有り:φ/2
地震時:φ/2
・土圧の鉛直成分の有無
●荷重
荷重においては、新たに次の荷重に対応します。
・大地震時/中地震時の両検討 ・フェンス荷重
・設計鉛直震度(土圧係数の算出,作用鉛直力加算)
土圧係数算出時の地震時合成角は次のように適用することで土圧係数を算出し、鉛直震度の影響を図のように考慮します。 |
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●荷重の組み合せ
慣性力の有無,土圧力(無視,常時,地震時)の選択により、「自重+常時の土圧」,「自重+常時の土圧+地震の影響」,「自重+地震時土圧」等の地震時荷重ケースの荷重の組み合せが可能になり、同一データで土圧の影響と地震の影響を組み合わせた複数の検討が可能になります。
●安定計算
転倒に対する照査では、偏心量による照査と安全率による照査の両方を同時に照査することが可能になります。滑働に対する照査では、突起を設置する場合に「突起の抵抗土圧の考慮」,「突起無し時の両方照査」の検討が可能で、突起を設置しない時は力学試験の結果より,力学試験によらない,土質試料のない場合の検討が可能になります。支持に対する照査では、平板載荷試験による方法,ボーリングデータより算出等の3種の方法より、地盤の許容支持力度を算出することが可能です。
●部材設計
部材設計においては、付着応力度の照査が検討可能です。
上記の宅地造成関連の対応の他に、あわせて以下の検討も可能になります。
・土圧作用面2点折れ対応 |
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・混合擁壁(上部)の試行くさび法 ・U型擁壁底版の断面変化
■擁壁の設計 Ver.6 リリース予定日:2006年1月末
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●ラーメン式橋台の設計計算 Ver.2 |
Ver.2では、ラーメン橋台固有の機能強化として1)杭基礎2.5次元解析連動,2)踏掛版からの荷重考慮,3)荷重ケース数の増加,4)出力内容改善,5)設計調書の書式拡張、橋台設計の基本機能の拡張として6)直角方向作用力の指定(上部工反力、その他荷重),7)杭の許容支持力・杭頭結合部計算,8)胸壁・翼壁設計時の雪荷重の考慮,9)スターラップの鉄筋比照査に対応します。踏掛版からの荷重考慮では、踏掛版からの鉛直力,モーメント、受け台自重による鉛直力,慣性力を考慮し、ラーメン部材に作用させます。
また、荷重ケースを拡張することで河川における設計に柔軟に対応し、出力においても基本ケースと組み合せケースがわかりやすい計算書に大幅に改善する予定です。設計調書においては、ラーメン式橋台用として新たにテンプレートを用意する予定です。
■ラーメン式橋台の設計計算 Ver.2 リリース予定日:2006年1月末 |
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