Maxsurfのモジュールに含まれるMultiframeは、構造解析を行なうプログラムで、ビームのみならず、パネル構造物の解析にも対応しています。
Multiframeの構造解析は、マトリックス・スティッフネス法が使われ、構造物の力と変位を求めるためにマトリックが解かれます。
Multiframeのプレート構造解析は、フラットシェル有限要素法と呼ばれるもので、プレート要素は、6自由度を持つ3節から成ります。このプレートは、薄板と厚板の両方に対応しており、Multuframeの6自由度要素を持つビームと互換があるため、純粋なプレート単独構造でも、また、プレート・ビームの複合構造物でも解析を可能にしています。
船舶の構造は曲面、曲線が複雑に組み合わされている場合が多いため、通常のビーム理論だけでは正確な解析は困難である一方、FEM(ソリッド)の解析は多くの時間と労力を費やすことになるため、多くの場合、非現実的と考えられます。
Multiframeが採用しているフラットシェル有限要素解析は、船舶の外板のように、相対的に薄い板構造の解析に有効で、素早く結果を出すことを可能にしてくれます。
今回は、船体の解析を行なうために、Maxsurf内でどのようにデータを処理してゆくのかをデモンストレーションします。
船体のモデリングはMaxsurfModelerで行います。
まず、単純なバルバスバウを持つ排水量型の船型を考えます。
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バルバスバウを持つ排水量型船型 |
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レンダリングイメージ |
メニューのTrimeshから、Add from surfaceを選択すると、Generate Trimeshウインドウが現れます。
必要な選択を行い、Trimeshを生成し、ファイルに保存します。
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Trimesh生成のウインドウ |
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Trimeshが生成されている |
Trimeshは三角形の平面パネルにより、元のNURB曲面が線形近似されたもので、ハイドロスタティックス、流体分析、構造解析等を外部プログラムを使って素早く行う際に使われます。
Modelerにより生成されたTrimeshをMultiframeに読み込ませるには、TrimeshをMultiframe text fileの形式で保存します。Fileメニュー、Export|Trimeshes|Multiframe
text fileを選択し、ファイルを保存します。
MaxsurrfMultiframeでは、Fileメニューの、Import|Multiframe Textを選択して、Trimeshのファイルを読み込みます。
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Multiframeに読み込まれたTrimesh |
Trimeshが読み込まれれば、後はMultiframe上で色々な解析を行うことができます。
例えば、単純にハイドロスタティックスの圧力計算を行ってみます。
Loadウインドウにて、ハイドロスタティイクのロードケースを追加し、計算を行ないます。
計算が完了し、水圧力による外板へのフォンミーゼス応力を色別にプロットします。計算結果の数値も表で示すことができます。
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ハイドロスタティックロードケースの設定画面 |
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フォンミーゼス応力の分布 |
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計算結果の数値表示 |
■ Maxsurf CONNECT Edition v21.13.00.19 2019年5月リリース
■ 開発元:Bentley Systems (Formation Design SystemsはBentleySystemsに吸収合併)
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