急斜面の崩壊防止工として擁壁の設計を行う場合、試行くさび法のような既定の土圧式を用いる手法の他に、円弧すべり土塊による土圧力を計算する手法があります。円弧すべり土圧の計算は以下の流れで行います。
- (1)対象斜面の円弧すべり計算
(2)(1)の円弧に対して指定の安全率を満たす強度定数決定
(3)(2)の強度定数を用いて抑止力計算
(3)の抑止力を最終的な土圧力として擁壁に作用させます。今回の対応では、簡単な操作で上記の計算を実現可能としています。
(1)の計算では、通常最小安全率を与えるすべり面を決定しますが、最大抑止力を与えるすべり面を計算することも可能です。また、この計算で核となるのが(2)の強度定数の計算ですが、この計算については計算例等に掲載されている単純式ではなく、弊社「斜面の安定計算」の逆解析の機能を用いて厳密に算出しています。内部摩擦角φを固定とするか、粘着力cを固定とするかを選択することも可能です。また、円弧すべり計算に必要な土質ブロックについてはプログラム内部で自動生成しますが、生成された土質ブロックの編集にも対応しています。計算書におきましては、決定した円弧のスライス情報等を図入りで表示します。
設定した円弧すべり用計算情報は「斜面の安定計算」のデータとして保存することが可能で、同プログラムで読み込むことで更に詳細な検討が可能となっています。
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図1 円弧すべり土圧画面 |
図2 円弧すべり土圧計算書 |
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