|
今回ご紹介する海外の土木IT関連Webサイトは、交通に関わる調査研究、コンサルティング、試験などの業務を行う機関として知られる「英国交通研究所(Transport
Research Laboratory: TRL)」です。
96年に民営化、公共および民間の顧客へ交通に関する多様なソリューションを提供
英国南部のバークシャー州クロウソーンに拠点を置くTRL。その歴史は古く、英国政府(運輸省)の所属機関として設立された1933年に遡ります。96年に民営化され、以降は完全に独立した民間企業として活動を続けています。
上記Webサイトによると、TRLは現在、交通研究財団(Transport Research Foundation:TRF)の100%子会社に位置づけられています。このTRFは株主を持たない非営利の財団としてやはり96年に創設され、交通・運輸産業の80以上に上るセクター・メンバーから構成されています。TRLの得た収益がTRFを経由してTRL内で再投資されることにより質の高い科学研究を可能にしています。
また、TRLは将来の交通のあり方を探求し、公共および民間部門の交通・運輸、安全、輸送手段、環境、持続可能性、交通インフラなど広範な側面から顧客とともに業務に取り組んでいます。そのため、多くの世界的に著名な専門家を含む500名のスタッフを擁するほか、ユニークな設備を配備。小規模な調査・計画から、複雑なマルチモーダルの研究、ITS(高度道路交通システム)関連技術についての政策立案に至るまで、さまざまなプロジェクトについて、世界の顧客ニーズに適応したソリューションを提供しています。
交通に関わるさまざまなテーマにフォーカス
トップページ冒頭に掲げられた「交通の未来を創造する」というフレーズ。これはまさにTRLがこれまで、常に変化する交通ニーズに対しソリューションを提供し続けてきたビジョンを示すものです。
それを反映し、TRLは交通関連分野における最先端技術はもちろん、安全や環境などの問題もカバー。たとえば、開発途上国における道路・交通システムの整備やノウハウの提供を含む、持続可能な社会の実現に向けた取り組みも行っています。
その一端を示すのが、分かりやすいビジュアル画像とともにトップページ右端に配置されたTRLのサービス項目です。「交通インフラの効率を最大化」「道路、車両、人の安全性向上」「交通の統合化
― 中断なき移動」「交通による環境影響の軽減」「開発途上地域における生活手段の向上」 ― といったテーマが並んでいます。
そこで近年関心が高まっている話題の一つ、「交通による環境影響の軽減」をクリックすると、冒頭で活動の前段となる環境に関する概要を紹介。地球温暖化と絡め、英国の交通はCO2排出量の25%に責任があり、さらに道路交通がその4分の3を占めるとされること、その意味でTRLの研究が交通、経済、環境というそれぞれ幅広いテーマを「結びつける役割」を果たすこと、などが説かれます。
続いて、「大気質」「騒音と振動」「戦略的な環境アセスメント」「持続可能な資源利用」「サスティナビリティセンター(C4S)」「グリーントラベル」「資源管理」というさらにブレークダウンした項目、あるいは具体的な事例を紹介する「ケーススタディ」などについて、それぞれのページで詳しく説明されています。
たとえば、C4Sからは別の独立したサイト(http://www.c4s.info/)へリンク。「持続可能な未来のための知識の生成と共有」というキャッチフレーズの下、 建設や大気質、気候変動などに関するさまざまな情報を提供しています。
多彩なサービスが盛られた「オンラインストア」もこのWebサイトの特色です。商品ラインナップには、報告書&出版物、画像、ソフトウェア、研修、イベント、脚部衝撃子などが含まれ、ライブラリ&情報も提供されています。そのうち、ソフトウェアの項目からは「TRLソフトウェア」の専用サイトにリンクされており、そこでソフトウェア製品のデモ版をダウンロードしたり、交通運輸・ソフトウェアに関するコンサルタントサービスを調べたりすることができます。
これらのソフトウェア製品は、多様な用途や機能をカバー。ジャンクションの設計、交通とネットワーク、戦略的モデリング、環境、安全、経済評価などのジャンルにわたっています。「戦略的交通モデル(Strategic
Transport Model:STM)」はその一例。地域の都市・交通プランナーが交通政策に関する適切な意思決定を行う際の支援を目的とした柔軟性の高いマルチモーダル・モデリングツールで、政策立案における多くの潜在的影響を短時間に評価します。
交通のもう一つの重要な側面である安全に関しても、シミュレーションとモデリングや事故調査など多数のリンクが用意されており、社会のさまざまな面に貢献するTRLの革新的な研究調査に関する有益な情報を提供しています。これらすべての内容が盛り込まれたWebサイトにより、将来の交通の形に関する総合的な洞察が示されています。
なお、TRLとフォーラムエイトは製品の相互提供契約を締結。TRLが英国・アイルランドにおける「UC-win/Road」の、フォーラムエイトが日本・韓国・中国における「TRANSYT(交通信号制御の最適化プログラム)」と「OSCADY
PRO(トラフィックデザインパッケージ)」の、それぞれ販売を行っています。
|
|
|
▲トップページ:
TRL :交通の未来を創造:
(TRL の許諾により転載) |
|
▲バークシャー州クロウソーンにあるTRLの新本社
(TRL の許諾により転載)
|
|
この記事は、TRLの許諾により上記サイトの内容に基づいて書かれています。
|
|
(Up&Coming '08 早春の号掲載) |
|
|
>> 製品総合カタログ
>> プレミアム会員サービス
>> ファイナンシャルサポート
|