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■ FORUM8 News 【イエイリ・ラボ版】Vol.21 ■■■ 2011年 6月14日 ■ ■ http://www.forum8.co.jp (株)フォーラムエイト & イエイリ・ラボ ●─────────< イエイリ・ラボの目 >────────● 建設ITジャーナリストの家入龍太です。
「世界一になる理由は何があるんでしょうか?2位じゃダメなんで しょうか?」──事業仕分けでいったん、予算が凍結となったスー パーコンピューターは、来年、稼働開始が予定されています。 その名は「京(けい)」。数値演算の性能が世界一レベルの毎秒 1京(1000兆)回もあることからの命名です。 フォーラムエイトは、4月からスパコンを普通のエンジニアが気軽 に使える「スパコンクラウドサービス」を開始しました。 ●─────────────────────────────● =◆ トピックス ◆=
■神戸研究室からも講演!スパコンクラウド体験セミナーを開催 ■クラウドサービスがCSAJ アライアンス大賞 特別賞受賞 ■騒音シミュレーションも可能に!UC-win/Road Ver.5.2をリリース =◆ トピックス ◆=
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■神戸研究室からも講演!スパコンクラウド体験セミナーを開催 http://www.forum8.co.jp/fair/fair05.htm#supakon ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ スーパーコンピューター(以下、スパコン)は、その時代の最新
技術を搭載した最高性能のコンピューターです。長期にわたる気 象予報や遺伝子の解析、地球環境問題など、大規模な科学技術計 算には欠かせません。 事業仕分けでも話題になったこのスパコンを、フォーラムエイト はインターネット上のクラウドサービスとして手軽に使えるよう にした「スパコンクラウドサービス」の提供を今年4月に開始し ました。 このサービス開始を受けて6月10日の午後、フォーラムエイト東京 本社で「スパコンクラウド体験セミナー」が開催されました。テ レビ会議システムで各地の講師を結んでリレー形式で行われたセ ミナーでは、神戸市内に開設した「スパコンクラウド神戸研究室」 からの実演デモも登場しました。 スパコンの強力なパワーを使うと、これまで数時間かかっていた 非線形応力解析やコンピューターグラフィックスの作成なども、 10分の1以下の時間で済むようになり、スパコンに仕事をさせてい る間は自分のパソコンで別の仕事ができます。 また、手元のパソコンが32ビットマシンしかなくても、スパコン クラウドサービスを使うと64ビットのパワーが必要な解析や計算 が簡単にできるので、仕事の生産性は大幅に向上します。 フォーラムエイトでは、構造解析システム「UC-1」やバーチャル リアリティ「UC-win/Road」、熱流体解析ソフト「OpenFOAM」など をスパコン上で稼働させるサービスをオープンしています。 今後も、津波の解析や、バーチャルリアリティによる住民説明や 合意形成ができるシステムの提供を次々と提供開始していく予定 です。 来年、次世代スパコン「京」の運用がいよいよ始まります。フォー ラムエイトでは、京を使ったクラウドサービスの提供も計画して います。エンジニアなら、ぜひ使ってみたいですね。 スパコンクラウド体験セミナーは8月9日(火)、10月21日(金) にも開催されます。参加費は無料ですので、エンジニアの方はぜ ひ一度、スパコンを試してみてください。 ▼スパコンクラウド体験セミナースケジュール
http://www.forum8.co.jp/fair/fair05.htm#supakon ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■クラウドサービスがCSAJ アライアンス大賞 特別賞受賞 http://www.forum8.co.jp/forum8/press/press110609.htm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 6月8日、東京・港区のホテルオークラでコンピュータソフトウェ
ア協会(CSAJ)が「第8回CSAJアライアンス大賞」の授賞式を開催 しました。 今回“ノミネート”された企業は合計32社。その中から「特別賞」 に選ばれたのは、ナント、フォーラムエイトだったのです。 バーチャルリアリティーシステム「UC-win/Road for SaaS」や土 木設計システム「UC-1 for SaaS」をクラウド上で利用できるよ うにしたサービスの将来性や市場性、技術力などが評価されたも のです。 また、スーパーコンピューターをクラウド上で利用できるように した「スパコンクラウドサービス」の取り組みも、受賞に寄与し ました この賞は、CSAJの会員のうち、ベンチャー企業を対象に贈られる ものです。受賞のポイントを突き詰めると「ビジネスにつながる 可能性を持っていること」です。 つまり、どんなに優れた技術でも、売れなければ意味がないとい うわけですね。 バーチャルリアリティー技術や様々な分野の解析技術で定評のあ るフォーラムエイトが「ビジネス」の視点でも評価を受けたこと は注目すべきことです。 技術力にマーケティング力をプラスした取り組みにより、フォー ラムエイトは今後、ますます発展する可能性を秘めていることを 示唆した受賞だと思いました。 ▼"売れる"も条件!フォーラムエイトがCSAJアライアンス大賞受賞
http://www.ieiri-lab.jp/it/2011/06/csaj.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■騒音シミュレーションも可能に!UC-win/Road Ver.5.02をリリース http://www.forum8.co.jp/product/ucwin/road/ucwin-road-1.htm#new_func ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ フォーラムエイトのフラッグシップ製品「UC-win/Road」の最新版、
「Ver.5.02」が6月9日にリリースされました。 13もの機能が新規に追加されましたが、まず、道路の設計機能と して注目されるのは、3Dレーザースキャナーやモバイルマッピン グシステム(MMS)で計測した「点群データ」から、道路線形(平 面、縦断、横断)を作成する機能を追加したことです。 点群データからUC-win/Road上に道路のモデルを作れると、精度 や生産性は大いに高まりそうです。また、ベントレー・システム ズの3次元土木設計CAD「InRoads」からの断面ファイルの読み込み 機能も更新されました。 もう一つ、注目すべきポイントは、「騒音シミュレーションオプ ション(有償)」です。3DVR空間上に音源と受音点を配置し、地 表面や建物、構造物などの影響を考慮して騒音の音圧レベルをシ ミュレーションするものです。 騒音解析においては直線的な減衰だけでなく、回折や反射、透過 のほか、集音装置で収集したデータを人間が聞こえるように補正 する機能や、複数の経路の音を合成した音圧レベルを計算する機 能など、本格的な機能がそろっています。 これまで、3次元での騒音解析は、モデルデータの作成作業が大変 でしたが、UC-win/Road上で解析できると、作業は大幅に効率化さ れそうですね。 このほか、路肩接触時の衝突効果の再現や車両や歩行者の動きの 再生(リプレイ)機能、路面の摩擦係数曲線の設定機能、車内の ミラーの視点、画角の設定機能などを搭載し、ますますリアリ ティーが高まりました。 ▼UC-win/Road Ver.5.2 リリース http://www.forum8.co.jp/product/ucwin/road/ucwin-road-1.htm#new_func ●───────────< あとがき >───────────● 先日、フォーラムエイトの会報誌「Up and Coming」9月1日号の取
材で、東北大学大学院工学研究科附属災害制御研究センター教授で 津波工学を専門とする今村文彦先生に取材してきました。 東日本大震災では、仙台市の沿岸部に「1000年に一度」といわれる 津波が襲いました。多くの人が“想定外”と思った巨大地震です が、今村先生はその発生を予想していました。 その裏付けは、仙台市沿岸部の地盤中にある「津波堆積物」です。 地盤をボーリングしてみると、地中のところどころに、過去の津 波が海岸から運んできたとみられる海砂などの層があり、これを 古文書の記述と結びつけることで過去の津波の規模を推定してい たのです。 その一例は約1100年前の869年に起こった貞観津波です。このとき、 津波は現在の海岸線から約5キロメートル内陸まで到達したことが 分かりました。 今村先生は去年10月、地元住民や警察、自衛隊関係者約300人を対 象に津波防災に関する講演会を開きました。このとき、巨大津波 が街を襲うシミュレーション動画も上映されました。 そして津波から生き残る手段として、高台に逃げることの必要性 を住民の方が認識しました。平野部では唯一とも言える高台が、 盛り土構造の仙台東部道路だったのです。 東日本大震災では、仙台東部道路を目指して避難し、実際に助かっ た人も200人くらいいたそうです。「忘れたころにやってくる」天 災の教訓を伝え、避難の心得を復習しておくためにも、バーチャ ルリアリティ技術はますます重要になりそうです。 イエイリ・ラボ/家入龍太 (http://www.ieiri-lab.jp)
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