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UC-win/Roadの新バージョンVer.3.4は、近日リリースを予定しています。既に本誌でご紹介した「交差点テクスチャ編集ツール」と合わせてバージョンアップ内容をお知らせいたします。
■シナリオ機能
UC-win/Roadのバーチャルリアリティ(VR)機能を強化するため、運転シミュレーションと環境のインタラクションの定義が可能なシナリオ機能を開発しました。運転状況に合わせたVR環境の動きを制御する機能です。例えば、VR効果を活かして走行しながらの道路開発計画、道路インフラの改善プロジェクトをインタラクティブに紹介できます。また、特別なイベントを設定することで運転の診断と教育のために利用することができます。
今回、運転シミュレーション中心にシナリオ機能を搭載することにしましたが、今後本機能を拡張し、全てのシミュレーションパターンで活用できるようにしていく予定です。
本機能では有限オートマトン(有限状態機械)を参考にしてシナリオの流れを制御する機能を開発しました。シナリオに「イベント」と「条件」を設定します。実行中のイベントはシナリオの状態を表し、条件は状態の遷移を定義します。
運転の状況である条件を満たす時にリンクされているイベントを発動させます。そのイベントに設定したアクションを行い、別の条件でイベントを終了させます。複数の条件組み合わせと複数イベントの同時処理で複雑な動作(環境の行動)を設定することができます。
本機能のイベントアクションで環境の制御やマルチメディアの再生ができます。
・環境の制御 : 移動物体、交通信号または可動モデルの制御
・マルチメディア : メッセージ、画像、音声、ビデオの再生
シナリオの条件では、走行速度、3Dモデルとの接触、経過時間、通過点及びキーボード操作の情報を利用した設定ができます。
■交差点テクスチャ編集ツール
道路平面交差の作成機能を改善しました。UC-win/Roadでは、平面交差と道路が独立した3Dモデルで管理されます。道路と交差点の路面テクスチャを別々で作成し、これら2つのモデル境界面でそれぞれのテクスチャを上手に擦り付ける必要があります。従来のバージョンでは、交差点の路面テクスチャは画像ファイルとして外部ソフトウエアで作成する必要がありました。外部ソフトウエアの場合、道路の構造、横断面の形状や航空写真などを参考できず、UC-win/Roadに反映する時テクスチャの擦り付け問題が多発し、繰り返し作業が発生していました。更に、一般的な画像編集ツールでは、路面マーキング、特に交差点に対応したマーキングを容易には描けません。
このような問題を解決するためにUC-win/Roadの標準機能として「交差点テクスチャ編集ツール」を開発しました。1つのツールで画像編集とCADの操作性を組み合わせ、平面交差のマーキングを容易に作成できます。別ソフトウェア購入が不要になると共に作業時間の短縮によるコスト削減が図れます。
・直線、折れ線、ポリゴン
直線、折れ線、ポリゴンを直線あるいはBezier曲線を利用し作成できます。CADソフトと同様にベクトルデータとして扱っていますので、作成した図形の編集、複写、グループ化が可能です。
・テクスチャの自動作成機能
テクスチャの自動作成機能で路面の境界線、車線のギャップ、停止線、中央線それぞれの白線を自動的に作成できます。
・基本図形の組み合わせ機能
停止線、横断歩道、ゼブラゾーンを基本図形の組み合わせによるマクロとして効率よく作図できます。更に、パラメトリックに線幅、破線とゼブラの間隔が設定できますので交差点の設計基準に従ってマーキングを作成できます。
・図形のグループ化とライブラリ
一旦作成した図形をグループ化し、ブロックとして図形ライブラリに登録することができます。このライブラリで、自転車、歩行者、警告のような良く使用する記号の再利用が可能になります。
・色の調整機能
色の調整機能で、路面の色合いを道路の断面テクスチャに合わせることが可能です。
・レイヤについて
CADソフトと同様にレイヤ表示に対応しています。周辺道路、地形、航空写真、基準線をそれぞれ表示/非表示できます。
■ビル作成ツール
本機能は従来の建物作成機能のアップグレードです。従来、直方体のみ作成が可能でしたが、任意な2次元形状の任意な高さでの立ち上げが可能になりました。作成される3Dモデルは複数の角柱で構成されます
Shapefileプラグイン(有償プラグイン)があれば、モデルのエクスポート、インポート機能が利用可能です。
グリッドスナップ、直角スナップ機能で図形の正確な作成を支援します。
壁と屋根のテクスチャ一括設定で効率的に作業を行えます。
■全画面及び画面管理
UC-win/Road 3.4では、タイトルバー、メニュー、ツールバー、ステータスバーを全て隠し、全画面で表示することができるようになります。運転シミュレーション又はVR空間を体験する時に有効な機能です。
画面の管理機能でUC-win/Roadが起動するとき記録した画面の状態を戻します。編集画面以外VR空間を表示するメイン画面、左右とバック表示、2Dビューの状態を記録します。
更に、VRデータごとに開いている保存景観ビューの状態も記録します。設定したビューの表示・非表示の切替も簡単にできるようになります。
■シミュレーションパネル
プロジェクトを紹介する時によく使用する機能をシミュレーションパネルにまとめ、操作性を向上させました。本パネルのデザインに拘り、全画面表示での質の高めることができます。
本リリースでは次の機能を搭載しました。
カメラーの移動ボタン 描画オプション 交通と運転のシミュレーション モデルの配置
ドラフトモードの切替
スクリプトの実行と編集
画面キャプチャ
■Windows Vista対応
UC-win/Road 3.4からMicrosoft Windows Vista TM に対応します。OSでのセキュリティ強化によりUC-win/Roadのフォルダ構造を変更する必要がありました。従来UC-win/Roadのインストールフォルダの中で全てのデータを管理していましたが、今回、ユーザが指定するフォルダを利用するようにします。併せて、複数のユーザアカウントで利用するために権限とレジストリの管理を向上しました。
以前のバージョンでは、ユーザマニュアルにWinHelp形式のファイルを利用していましたが、HTMLヘルプを採用しました。
■SDKの更新
Delphiの最新版、CodeGearTM Delphi 2007でSDKを扱えるようにしました(以前のバージョンには対応しません)。併せて、機能拡張として、OpenGL表示の公開、車両運動モデルのカスタマイズ、MD3キャラクタの制御、3Dモデルの作成及びユーザのクリック操作コールバック機能を追加しました。 |
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▲シミュレーションパネル |
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(Up&Coming '08 秋の号掲載) |
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