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      | 一般的に、画像データは、そのままではサイズが大きいため、入出力処理やデータ送信、交換などにおいて圧縮されることが多く、様々な圧縮技術があります。画像を扱う上で、その特性を知り用途によって使い分けることは必須です。
 
 ●画像の量子化
 絵画や銀塩フィルム写真のようなアナログ画像は濃淡の滑らかさが無段階ですが、これをデジタル画像にする場合、格子状に分割して並んだ標本点(画素)ごとに、ある決められた段階から一つの値を割り当てます。このように、画素の濃淡を離散的な数値で表すことを量子化といいます。最も単純な量子化は、白または黒に2分する2値化となり、例えば、256段階の濃淡から値を割り当てて表現した画像は256階調となります。濃淡の段階が多いほど滑らかな表現となり、また、分割する標本化の間隔が細かいほど画像が精細に再現され、データサイズは大きくなります。
 
 ●解像度
 標本化間隔は、単位長さあたりの標本点数で表します。この標本点数を画素数として解像度が決まります。例えば、印刷に使用する場合、入力解像度を350dpi(dots
      per inch)程度にすることが一般的ですが、これは画像を1inchあたり350の格子で区切り、1つの格子を1つの画素(ピクセルまたはドット)にすることを意味します。例えば、5inch×5inchの写真を350dpiで入力すると画像は1,750画素×1,750画素となります。また、300万画素のデジタルカメラで撮影した2,048画素×1,536画素の画像を2L判(7inch×5
      inch=178mm×127mm)にプリントする場合、解像度は長辺2,048/7(inch)=約293dpiですが、A4サイズ(297mm×210mm)に引き伸ばして印刷する場合、長辺297mm=297/25.4(mm)=11.7inchに対して解像度は2,048/11.7(inch)=175dpiとなります。
 一方、この画像のデータサイズは、1画素あたり256(=2の8乗)階調でRGB各色の濃淡を表したフルカラーでは、2,048×1,536×24(bit)=75,497,472bit(=9,437,184バイト)となります。実際は、デジタルカメラなどの撮影データはJPEG形式などで圧縮されています。
 
 ●可逆/非可逆圧縮方式
 画像の圧縮、つまりデータ量を削減するには、画素値を符号に置き換える画像符号化の変換処理が行われます。符号化には様々な手法がありますが、分類方法の一つとして、完全な復元が可能かどうかの可逆/非可逆があります。可逆圧縮方式は、元の画像に復元可能です。非可逆圧縮方式は、圧縮率を重視して人間に知覚しにくい情報を欠損させるため、いったん圧縮して復元すると画質劣化が生じます。プログラムなどの数値データは可逆圧縮でなければなりませんが、画像データの場合、膨大な容量のデータに対して可逆符号化を適用しても圧縮率の限界があるため、非可逆圧縮が多用されます。
 VRで使用するテクスチャなどの画像の場合、一定の画質を保ちながらも、サイズを限界まで軽くする作業が不可欠となります。
 
 ●静止画像フォーマット
 主な画像ファイル形式を示します。
 また、UC-win/Roadが対応する画像はJPEGおよびBMPで、テクスチャ画像はJPEGが多く、黒色透過設定を行うテクスチャの場合はBMPを使用します。
 
 
 
        
          
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                  | 名称 | 可逆 | 説明 |  
                  | BMP (.bmp)
 | ○ | 非圧縮方式のため、画像劣化はないが、データサイズが巨大になる。Windows標準の画像フォーマット。複数の量子化をサポート。 |  
                  | JPEG (.jp .jpeg)
 | 通常 ×
 | 圧縮の程度を設定可能。低圧縮にすると画質劣化が少なく、高圧縮にすると劣化が大きい。撮影写真のような自然画像やグラデーションに適しており、ほとんどのデジタルカメラが実装している。圧縮率が高く、対応ソフトも多く普及している。一度圧縮して保存すると元の品質に戻せない非可逆圧縮方式。後継として開発されたJPEG2000形式は可逆圧縮が可能だが、Windowsや主なブラウザの対応の遅れから普及が進んでいない。 |  
                  | GIF (.gif)
 | ○ | 256色までの色数に対応。256色以下のロゴ、単色ベタ塗り、アイコン、アニメ調のイラストなどに適している。色数を減らすほどサイズは小さくなる。ブラウザなどで見られるアニメーションGIFや透過色設定が可能。 |  
                  | TIFF (.tif)
 | ○ | 劣化がなく、基本的に非圧縮方式。高品質での保存や、データ交換などに利用される。サイズが大きいが、圧縮方式も可能。 |  
                  | PNG (.png)
 | ○ | 透明度を指定するアルファチャンネルをサポートし、理論上280兆色(最大64bit:RGB各16bit+アルファチャンネル16bit)に対応可能。インターネットでの利用を目的に開発された可逆圧縮方式。GIFより圧縮率が高いがアニメーションができず、フルカラーではサイズが大きい。 |  
                  | Post Script (.ps)
 | ○ | ベクタ表現に対応。文字や図形を含む印刷用データの表現に広く使用される。非圧縮方式。 |  
                  | PDF (.pdf)
 | ○ ×
 | PostScriptを基盤にコンピュータでの閲覧を目的として開発された。設定により、可逆/非可逆の選択が可能。サイズが小さく、印刷にも適しており、ハイパーリンクに対応しているため、配布資料やマニュアルに多く利用されている。 |  |  ●動画像フォーマット:主な動画像ファイル形式を示します。
 
 
 
        
          
            |  | 
              
                
                  | 名称 | 説明 |  
                  | AVI (.avi)
 | Windows標準の動画フォーマット。Windows Media Player で再生可能。多くの圧縮方式が利用されている。 |  
                  | WindowsMedia (.wmv)
 | Windows Media Playerで再生可能。オーディオデータに対応し、Webでの動画配信に適している。 |  
                  | Real Media (.rm)
 | 2RealPlayerで再生可能。オーディオデータに対応し、Webでの動画配信として広く利用されている。 |  
                  | QuickTime (.mov)
 
 | MPEG-4のほか多くの圧縮方式に対応。本来、MacOSでのマルチメディア対応ソフトウェア群だが、Windowsでの利用も可能。 |  
                  | MPEG-1/-2 (.mpg)
 
 | MPEG-1やMPEG-2で圧縮された動画のファイルフォーマット。拡張子は同じ。 |  
                  | MPEG-4 (.mp4)
 | MPEG-4で圧縮された動画のファイルフォーマット。QuickTimeと親和性が高い。 |  |  
 
 
        
          
            |  |  | JPEG形式: この程度の印刷サイズの場合、あまり差異がなく見ることができ、データサイズを大幅に小さくできる。圧縮率を上げるとさらにサイズは減少するが、色ムラが生じてくる。
 
 原画像出力: UC-win/Road Ver3.4
 VRデータ: 「海辺の景-西塘の景」
 (RoadDB サンプルデータ/港湾・空港より)
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            | ▲原画像 BMP 3.8MB(1400×925ピクセル) |  |  |  
            |  |  |  |  
            | ▲125KB 高品質(画質85) |  | ▲34KB低品質(画質20) |  
 
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      | 参考文献: ・『ビジュアル情報処理 -CG・画像処理入門-』CG-ARTS協会、2008年
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      | (Up&Coming '09 晩秋の号掲載) |  
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