3Dレーザスキャナ  
                        HARDWARE INFORMATION 
                        2015-No.3   
                         
                       
                      
                         
                         
                         
                         
                       
                     
                  
                   
                 
               
            
             
            3次元スキャン技術は、製造業を中心に導入がすすみ、商品開発などで革新的な成果が上げられています。土木・建築・都市分野でも歴史的建造物のデジタル化や、図面のない建物でのリニューアル等に応用が進められていますが、BIM やデジタルファブリケーション等の活動とも関連して、さらに広がりを見せています。
            今回はライカジオシステムズ株式会社が発売中の3DレーザスキャナNova MS50を紹介します。
             
            
                          センサ内部の光源(LEDやレーザダイオード)から照射された光が、測定対象物にあたると反射され、センサの受光素子で受光されます。その反射された光を評価・演算し、距離に換算して出力するセンサが距離センサです。測定原理としては、受光素子にPSDやC-MOSを用いて距離変化による受光素子の結像位置を距離に換算する"三角測距式"と、光が照射されてから受光されるまでのわずかな時間を測定し、その時間差を距離に換算する"タイム・オブ・フライト式"があります。  
            
             
            
             
            
            機能紹介 
            Leica Nova MS50 (以降MS50)は一般的な測量作業に3D点群データを融合します。現況測量などのデータと一緒に高い精度の詳細なスキャンデータを蓄積し、本体のモニタで確認できます。その場でデータの整合性や妥当性のチェックすることで、再測を行うような無駄なコストの発生を未然に防ぐことができます。これらの計測される点群は密度の高い詳細なスキャンデータになっており、より的確な判断ができるメリットがあります。
            
            特徴 
            計測する範囲とピッチは本体モニタからタッチペン操作で簡単に設定できます。設定すると即座に予想計測点数と時間が表示され計測を開始できます。計測時間を事前に確認できることから、設定を調整しながら限られた時間内に計測することができます。本体がコンパクトで軽量、大容量バッテリーによる稼働で8時間と優れた機動性、高精度計測がNS50の特徴です。
             
            
            
              
              
                
                  
                    計測精度 
                    水平角・鉛直角 
                    0.27度 
                   
                  
                    測定範囲 
                    プリズム 
                      ノンプリズム  
                    1.5〜10,000m                       1.5〜2,000m 
                     
                  
                    モード最大範囲 
                    1000Hz Mode 
250Hz Mode 
62Hz Mode 
1Hz Mode 
                    300m 
                      400m  
                      500m 
                      1000m 
                     
                  
                    点群 
                    色付き3D点群 
                    本体モニタで確認可能 
                     
                  
                    イメージセンサ  
                    センサ  
                      視野(広角/望遠) 
                    5M pixel CMOSセンサ 
                      19.4°/1.5 
                     
                  
                    モニタ 
                    VGAカラーモニタ タッチスクリーン 
                    本体両側に1台ずつ  
                      キーボード:36キー 
                     
                  
                    データ保存 
                    内部メモリ  
                      メモリーカード 
                    1GB(内部) 
SDカード(SDXCも使用可能だった) 
                     
                  
                    電源 
                    リチウムイオンバッテリーパック 
                    作業時間7〜9時間 
                     
                  
                    重量 
                    バッテリーを含む 
                    7.6 kg 
                     
                  
                    耐環境性能 
                    作業時気温 
耐塵・耐水 
湿度  
                    -20〜+50°C 
IP65/MILスタンダード 
95%、結露無きこと 
                   
                   
              
              ■Leica Nova MS50 MultiStation仕様 
                           
             
            気になるところ 
            本機で点群計測を行って気になったことがありました。計測当日は雨で、耐水仕様なので計測は問題なくできたのですが、計測結果には水たまり部分の点群がありませんでした。どうやらレーザが上手く反射しないようです。こういった現象は水たまり以外にも真っ黒な部分でも発生しました。センサの原理上仕方ないようです。
             
            
             
            3D空間自動生成研究開発 
            点群の計測と同時に撮影した写真を用いて高精細に3次元映像を復元する機能を研究開発しています。立体視映像とKinectセンサを連携してヘッドトラッキングによる視聴者視点での映像をリアルに再現することが可能になります。 
            
             
            ドローン計測点群の精度検証 
            UAVにカメラまたは距離センサとジャイロセンサを搭載して、解析により点群を計測する研究開発をしています。このような移動体で計測する場合は相応の誤差が発生するため、解析アルゴリズムの検討と改善のため、MS50で基準となる点群を採取し、ドローン計測点群と比較検討しています。 
            
             
            MMS点群計測システム開発における精度検 
            MMS点群と連続写真によるトンネル維持管理システムを開発しています。点群からVRモデルを生成して、その壁に連続写真から展開図を合成することでひび割れを解析可能になります。一般的にひび割れは0.2〜3.0ミリを計測する必要がありますのでモデルの精度、画像の解像度ともに高い要求があります。このような場面でVRモデルと実構造物の比較のためMS50を活用し、両方の平均断面を比較検討しています。
 
            
            フォーラムエイトでは「3Dレーザスキャン・モデリングサービス」を提供しています。ニコン・トリンブル社の3Dレーザスキャナを使用していますが、これに加えてMS50も導入しました。より高精度な点群計測とモデリングをサポートいたします。 
            http://www.forum8.co.jp/product/3Dscan.htm