今回は、道路保全技術に関する業務を総合的に行う財団法人 道路保全技術センター(ROMAN-TEC)をご紹介いたします。
(財)道路保全技術センターは、膨大な道路ストックを良好に保全するための総合的な道路保全技術に関する調査・研究・開発を行い、効率的な保全技術を広く提供することを目的として、1990年11月に設立。同センター情報技術部では、本年フォーラムエイトのUC−win/Road を導入され、試験的に国道1号線のバーチャル・リアリティ(VR)データなどを作成されています。同センター本部の情報技術部にお伺いし、お話をお聞きしました。
同センターの基幹的な業務である道路管理技術に関して、情報技術部、稲垣竜興部長から詳しく説明していただきました。道路や道路施設に関して、調査、分析、診断、劣化予測の手法などの調査研究を行われており、最適な予算の使い方もその一環です。具体的には、橋梁の場合は、点検や診断の技術開発、その標準化や普及も含めて行われており、橋梁形式や設計手法、材料に至るまで調査研究を重ねられています。トンネルの場合も、点検から対策工の選定に至るトンネル保全技術が、覆工の剥離事故防止などに貢献されています。また、舗装技術に関しては、最先端の技術やシステムを保有しており、審査や資格認定、基準作成など全般にわたる卓越した技術を誇っておられます。
センター設立の当初、技術部としてスタートした情報技術部は、技術開発と情報技術の関わりが深まる過程で、およそ3年前に名称を変更され現在に至っています。数多くの大規模なシステムの開発、整備を行っておられ、「道路管理データベースシステム(MICHI)」、「道路管理支援システム」を運用されています。例えば、大震災など緊急時に必要な情報をすぐに引き出せ、対策等の検討を迅速に行えるようなデータベース化と支援システムの開発を行われています。また、現在、注目されている技術の一つであるITSに関する技術開発では、除雪ITSとして「雪道除雪車」の実証実験を行われています。路面情報の管理に加え、GPSとセンサーによる安全で正確な雪道除雪を実現しているとのことです。
本年導入されたUC−win/Road については、視覚的なものから様々な判断を行う新しい3次元GISとしての可能性を評価されています。道路資産運用計画等の立案から緊急指令対応、さらには道路利用者へのアカウンタビリティ資料など、様々な視点から支援できるシステムのプラットフォームとして活用することを考えられています。現在は、「VRによる道路保全支援システム」(仮称)の構築に向けて、UC−win/Road によるシステム構築と大規模なVRデータ作成に着手されました。このたび、フォーラムエイトが委託を受けて、東京の環状7号線内の国道、主要地方道及び首都高速道の現況道路ネットワークを3次元VRデータとして作成しています。GIS機能としては、同センターの標識データベースにアクセスできる機能をUC−win/Road でサポートする予定です。また、災害時や道路に異常・変状が発生した場合(道路陥没、重大事故等)を想定し、VRによる緊急指令(交通規制)等の判断補助手法を確立することも目的のひとつです。
お忙しい中、取材にご協力いただきました情報技術部長、稲垣竜興様、技術課長、大倉敏晃様ほか皆様に御礼申し上げます。
左から システム課長 輿石洋様、
システム課長代理 多田征司様、情報技術部長 稲垣竜興様、
技術課長 大倉敏晃様、情報技術部次長 寺田有作様、
システム第二課長 大丸浩志様 |
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▲(財)道路保全技術センター
情報技術部部長 稲垣 竜興 様 |
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▲(財)道路保全技術センターの業務内容 |
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▲災害時、事故発生時のVRによる判断補助をシステムとして試行(Roadサンプル画面)
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▲国道14号線の縦断線形入力画面
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▲航空写真上に設定された平面線形入力画面 |
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▲「VRによる道路保全支援システム(仮称)」のVRデータ平面線形。
国道、地方道(都道)、首都高速(総延長約230km)をモデル化 |
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