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●はじめに
- 「橋脚の設計 Ver.8」では、主に次のような対応を行います。
- 在来矩形面取り柱形状の既設検討・補強設計
- 既設死荷重による残留応力度を考慮した直接基礎補強設計
- 小判形はり下面両方向絞り(テーパー)の形状設定拡張
以下に、これらの拡張機能の概要を紹介いたします。
●在来矩形面取り柱形状の既設検討・補強設計
- 「橋脚の設計」では、2002年にリリースされたVersion1.01.00において、新設橋脚の柱形状タイプとして矩形R面取り形状に対応しました。その後の経過と共に、近年は既設検討や補強設計を行いたいというご要望をいただくようになり今回の対応に至りました。Ver.8.00.00では、矩形R面取り・直線面取り形状について、下記の補強工法に対応しており、フーチング補強との同時補強も可能としています。
- 鉄筋コンクリート(RC)巻立て、鋼板併用鉄筋コンクリート(RC)巻立て工法
- 鋼板巻立て補強工法(曲げ耐力制御式、アンカー筋を設置しない工法)
- 連続繊維巻立て工法(炭素繊維、アラミド繊維)
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▲R面取り鋼板併用RC巻立て |
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▲直線面取り連続繊維巻立て |
■形状タイプごとの補強工法対応一覧表
補強工法 |
矩形 |
円形 |
小判形 |
矩形(R) |
矩形(R) |
RC巻立て |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
鋼板併用 RC巻立て |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
鋼板巻立て |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
連続繊維巻立て |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
PCコンファインド |
○ |
○ |
○ |
× |
× |
フーチング補強 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
※矩形(R):矩形R面取り、矩形(L):矩形直線面取り
●既設死荷重による残留応力度を考慮した直接基礎補強設計
- フーチングの補強設計については、従来より直接基礎・杭基礎について、上面増厚及び縁端拡幅による断面計算に対応しておりましたが、直接基礎時の補強については、設計例や参考資料がなく、常時,レベル1地震時においては、既設部フーチングと補強部フーチングを一体と考えた断面を用いて、補強後全荷重による許容応力度法による照査を行っていました。今回は、直接基礎についても、杭基礎時と同様に既設死荷重による応力度が残留していると考え、既設部鉄筋の応力度の重ね合わせを考慮できるようにしました。
具体的には、既設死荷重によるフーチング下面作用力を集計し、張出し部に作用する地盤反力や自重による断面力を用いて鉄筋の引張応力度を算定します。その後、補強後の荷重を全て載荷した状態で断面力を算定し、荷重の増分は既設部と補強部で分担すると考え、求められた鉄筋の引張応力度と既設死荷重による残留応力度を合計し、既設部鉄筋の許容応力度以下であることを照査します。また、補強部の鉄筋については、荷重の増分による断面力を用いて応力度を算定し、補強部鉄筋の許容応力度以下となることを照査します。コンクリートについては、同断面力載荷時の圧縮縁の応力度がコンクリートの許容圧縮応力度以下となることを照査します。
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▲応力度重ね合わせ後の結果確認画面 |
●小判形はり下面両方向絞り(テーパー)の形状設定拡張
- 小判形はりの形状入力において、下面両方向絞り(テーパー)の絞り幅を橋軸方向張出し部と橋軸直角方向張出し部で個別に設定できるように拡張を行いました。
従来の下面両方向絞りモデルでは、絞り幅が全方向について一定という制限があったため、下図(左)のように、柱上面形状に沿ったはり下面形状を設定することができませんでした。本バージョンより、張出し長と絞り幅の寸法に同じ値を設定することで、下図(右)のように、橋軸直角非対称形状の場合も含め、柱前面位置からの絞り形状を再現することが可能となりました。
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▲応力度重ね合わせ後の結果確認画面 |
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▲Ver.8の下面両方向絞り |
●その他の機能追加
- Ver.8.00.00では、上記以外にも下記の機能拡張・改善をあわせて行っております。各機能の使用方法につきましては、Ver.8.00.00の改訂履歴または製品ヘルプのバージョン及び改良点をご覧ください。
- 雪荷重(慣性力無視)を考慮したレベル2地震時照査
- 段落し位置が低い場合の応答断面力の考え方拡張
- 杭基礎連動時の杭列上限を100列に拡張
- はり設計用の支承位置上限を100箇所に拡張
- 震度連携時のレベル1地震時上部工水平反力の取込み対応
●今後の予定
- 「橋脚の設計 Ver.8」では、今後、「UC-win/FRAME(3D)」Ver.4フォーマットに対応したエクスポート(震度連携含む)、フーチング橋軸方向非対称形状等に対応し順次リリースを行う予定です。どうぞ、ご期待ください。
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■橋脚の設計Ver.8 リリース予定日:2010年8月末 |
(Up&Coming '10 秋の号掲載) |
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