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本製品は、朝日エンヂニヤリング株式会社(石川県金沢市)にて研究・開発された「イージースラブ橋」工法、「イージーラーメン橋」工法の設計プログラムです。イージーラーメン橋は、橋梁上部工と橋梁下部工を剛結合し、上下部一体構造とした複合門形ラーメン橋で、上部工は、イージースラブ橋構造、下部工は、直接基礎、杭基礎、矢板基礎などの基礎形式に対応できます。
ラーメン構造を採用するメリットとして、(1)耐震性の向上 (構造性)、(2)下部工サイズの縮小(建設コスト)、(3)仮設工(土留工・締切り工)の縮小または省略(建設コスト・周辺環境)、(4)工事影響範囲の縮小(周辺環境)、(5)施工工期の短縮(周辺環境)、(6)伸縮装置・支承の省略(建設・メンテナンスコスト)が挙げられます。本製品の主な改訂内容を以下に紹介致します。 |
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●ラーメン橋(杭基礎、直接基礎)を上下部一体解析モデルに変更
上下部一体構造としたラーメン橋としての設計計算を行えるように構造解析モデル、断面力の扱いなどを大幅に改善しております。
- 上部構造(各主桁)の断面力計算(GRID計算)は、図2に示す通り、単純橋として行っていましたが、Ver.2では、合成後の状態では、下部工(橋台)をバネ支点にモデル化することで、下部工の影響を考慮出来るように改善しています(図3「下部工バネを考慮したGRID計算」参照)。
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▲図2 GRIDにおける支点条件の改訂 |
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▲図3 上下部一体解析における処理フロー |
- GRID計算から得られる「前死荷重」、「後死荷重」、「雪荷重」、「活荷重」などの断面力以外で、ラーメン構造のFrame計算(図3「Frame計算」)で得られる「支点沈下」、「土圧」、「乾燥収縮」、「温度変化」、「側土圧」などによる上部工断面力を各主桁に割り振り、その応力度を考慮した上で、上部工中間部の断面照査を行うようにしました。
- 隅角部(竪壁前面)の照査においては、活荷重計算は、FrameIL(全断面)を用いますが、終局荷重作用時の検討を行うように改善しました。上部工の断面照査内容を整理すると表1の通りになります。
◎:ラーメンモデル(Frame)計算から得られる断面力を考慮する
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設計荷重時 |
終局荷重時 |
備考 |
中間部 上部工(GRID、桁単位) |
◎ |
◎ |
Ver.2で改善 |
隅角部 下部工(FRAMEIL、全断面) |
○ |
● |
終局荷重時追加 |
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表1 一体化に伴う断面照査内容 |
●側土圧の載荷方法を「ポータルラーメン橋の考え方」に準拠
上載荷重による側土圧の載荷方法を「土木研究所資料 ポータルラーメン橋の設計に関する基本事項 平成20年1月 独立行政法人土木研究所」に準じました。全土圧並びに1/2土圧に対して、図4に示す通り、(1)片側載荷→、(2)片側載荷←、(3)両側載荷、(4)側圧無しの全4パターンの検討を行います。なお、本プログラムでは、この1/2という係数を任意に与えることができます。
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▲図4 土圧/側土圧の組合せ |
●杭部材、竪壁、底版等に直接作用する荷重(水平荷重)の考慮
各部位に死荷重扱いの任意の水平方向分布荷重を載荷できるようにしました。杭基礎部分については、地層毎に載荷することができます。
●支点沈下の考慮
支点沈下を考慮できるようにしました。鉛直方向の強制変位量をフーチング下面、もしくは、杭先端で与えることができます。
●その他の改善点
本製品では、上記以外に以下の計算機能の追加、改善を行っています。
(1)ラーメン橋において、頂版隅角部及び竪壁部断面照査時のヤング係数比を分けて応力度照査を行えるようにしました。
(2)ラーメン橋モデルの竪壁の剛度を任意に設定できるように改善しました。
(3)付属設計である単純橋のゴム支承の設計で、任意のゴム幅と厚さの検討ができるように改善しました。
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▲図5 竪壁剛度の任意設定 |
●今後に向けて
以上、今回の主だった改訂内容を紹介させて頂きました。なお、現在の製品構成は以下の4タイプとなります。今後の大きなテーマと致しましては、「ポータルラーメン橋の設計に関する基本事項」に示されている「レベル2地震時の照査」への対応が挙げられます。また、ユーザの皆様からのご要望を取り入れ、改良・改善を加えてまいりたいと考えております。
製品構成
1、単純橋のみ 2、ラーメン橋(杭+直接基礎版)
3、ラーメン橋(矢板式) 4、ラーメン橋(フルバージョン) |
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■イージースラブ・ラーメン橋の設計(ESB/ERB)Ver.2 リリース予定日:2009年5月 |
(Up&Coming '09 新緑の号掲載) |
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