解析法Iとは、仮設指針P.97に示されている「背面側から有効主働側圧が作用し、掘削面側の塑性領域では有効受働側圧が、弾性領域では土留め壁に変位に比例した弾性反力が働く」という考え方です。プレロード導入時には、通常の弾塑性法とは別に、背面地盤の弾性バネを考慮したモデルにプレロード荷重を作用させて重ね合わせる方法となります(図1)。本解析法は、市販のソフトでも広く採用されている方法と考えられます。
解析法Iは基本的に土留め壁は必ず掘削側に変形する事を前提にした考え方で成立していると考えられます。故に、土留め壁が背面側に変形すると予想されるプレロード荷重に対しては、解析構造モデルとして、背面側地盤バネが土留め壁全長に考慮される弾性床上はりモデルを別途用意し、その構造モデルに、プレロード荷重を集中荷重として与えるという方法を採用しています。本手法は仮設指針では実用的な精度で評価することができるとしているものの、掘削時の構造系とプレロードに対する構造系が異なる解析結果を重ね合わせるといった理論的矛盾があります。

■図1 設計外力概念図
|