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サポートトピックス / Engineer's Studio® 保守・サポートサービス関連情報
平板要素とフレーム要素の断面力の違い

平板要素に発生する断面力は、フレーム要素の断面力と異なる点がいくつかあります。ここでは、フレーム要素と比較しながら解説いたします。

 平板要素断面力の単位
フレーム要素に発生する断面力には、軸力N(kN)、曲げモーメントM(kNm)、せん断力S(kN)があります。平板要素断面力に発生する断面力には、面内垂直力N(kN/m)、面外曲げモーメントM(kNm/m)、面外せん断力S(kN/m)があります。このように、まず単位が異なる点に注意が必要です。フレーム要素では“力”の単位と同じですが、平板要素断面力は“1m当たりの力”の単位となっています。これは、数学モデルとしてはフレーム要素が1次元の要素、平板要素が2次元の要素だからです。
 平板要素断面力の成分
フレーム要素が図1のような座標系を持っているとき、断面力は6成分あります。つまり、
  Nxp、Mxp、Mzp、Myp、Syp、Szp
です。フレーム要素では主軸座標系xp-yp-zpに対して断面力が定義されますので、principal axis の「p」をつけて表現します。ここで、Mxpはねじりモーメントなので、Tと表現することもあります。
平板要素が図2のような要素座標系を持っているとき、断面力は10成分あります。つまり、
 xl軸を法線とする面に対して:Nxl、Nxlyl、Mxl、Mxlyl、Sxl
 yl軸を法線とする面に対して:Nyl、Nylxl、Myl、Mylxl、Syl
このように、平板要素は要素座標系で定義され、計算結果として断面力の主値が算出されます。
ここで、重要な点はフレーム要素は部材軸を法線する面1つだけに対して断面力を考えますが、平板要素では、要素座標系の2つの軸に対して断面力を考えていることです。これも、フレーム要素が1次元の要素(故に1つの面)、平板要素が2次元の要素(故に2つの面)という違いがみえます。平板要素の断面力の成分を図示すると図3のようになります。この図では、二重矢印がモーメントを表しています。二重矢印の軸を回転させる力がモーメントです。

画像をクリックすると大きな画像が表示されます。 画像をクリックすると大きな画像が表示されます。
■図1 フレーム要素の座標系(主軸座標系) ■図2 平板要素の座標系(要素座標系)
画像をクリックすると大きな画像が表示されます。
■図3 平板要素の断面力定義
(出典:Koichi MAEKAWA, Amorn PIMANMAS and Hajime OKAMURA:
Nonlinear Mechanics of Reinforced Concrete, Spon Press, March 2003
(ISBN10:0415271266/ISBN13:9780415271264))
 フレーム要素の断面力との関係
では、図1のフレーム要素の断面力と対応する図-2の平板要素の断面力を関連づけてみます。
  軸力:Nxp ⇔ Nxl
  曲げモーメント:Mzp ⇔ Mxl
  曲げモーメント:Myp ⇔ (該当なし)
  ねじりモーメント:Mxp ⇔ Mxlyl
  せん断力:Syp ⇔ Sxl
  せん断力:Szp ⇔ Nxlyl
驚くべきことに、フレーム要素のMypに相当する平板要素の断面力が存在しません。これは、平板要素がzl軸回り(=平板要素の法線軸回り)に自由度を持っていないからです。
当然のことながら、フレーム要素では1つの面に対してのみ考えているので、平板要素の
  Nyl、Nylxl、Myl、Mylxl、Syl(yl軸を法線とする面)
に対応する断面力がありません。
したがって、図-2の例では、『フレーム要素の6成分Nxp、Mxp、Mzp、Myp、Syp、Szpに対応する平板要素の断面力は xl 軸を法線とする面に対するNxl、Nxlyl、Mxl、Mxlyl、Sxlの5成分である』ことがわかります。
また上述のように、平板要素断面力は1m当たりの力となっていることも思い出してください。このことは、断面幅の方向に平板要素の断面力が変化することを意味しています。フレーム要素ではこのようなことはありません。したがって、フレーム要素では、断面の全幅当たりの断面力である平板要素では、断面幅方向の単位幅当たりの断面力であると言えます。
 Enginner's Studio® を用いた研究成果
地震工学に関する欧州組織の公式機関誌に、Enginner's Studio®を用いた研究成果が発表されましたので以下に紹介いたします。

1) 機関誌:
Bulletin of Earthquake Engineering」(December 2012,Volume 10, Issue 6, pp 1857-1883)

2) サイト:
http://link.springer.com/article/10.1007%2Fs10518-012-9375-6?LI=true

3) タイトル:
「Shaking table tests of structures with hysteretic dampers: experimental results versus prediction using non-linear static methods」(FORUM8訳:履歴型ダンパーを有する構造の振動台実験結果と非線形静的手法を用いた予測)

4) 著者:
Amadeo Benavent-Climent・David Escolano-Margarit
スペイン グラナダ大学 Depar tment of Mechanics of Structures(原文は英語)

5) 概要(FORUM8 訳)
新設および既設の両方の建築物に受働制御型耐震履歴型ダンパーを使用することが近年指数的に増大している。構造システムにおいて履歴型ダンパーを利用するためには、理論的研究より知得された知識と実験結果より検証された知識の双方に基づき、設計手順を単純化することが非常に重要である。非線形静的手法(Non-linear Static Procedure: NSP)は近年、より一般的である力学的方法に対する代替的手法として提供されている。NSPを旧来型の構造に利用することはよく検証されているものの、履歴型ダンパーを有するシステムにNPSがどの程度利用できるかに関して実験的情報は不足している。本研究においては、1ベイ1層を有する1:2スケールの、履歴型ダンパーを有するものと有しないものの2種類の構造に対して、振動台実験を複数回行なった。実験から得られる横方向変位とせん断に関して、当該ダンパーを有する構造の最大応答を以下の3つの良く知られたNSPによる予測と比較する。

(1)FEMA 440による改良されたバージョンの耐力スペクトル法(Capacity Spectrum Method: CSM)
(2)FEMA 440による改良されたバージョンのDisplacement Coefficient Method: DCM
(3)Eurocode 8において実行されるN2法
一般に、改良されたバージョンのDCM及びN2法による予測は受容できるレベルの正確さを示し、CSMは応答を過小評価する傾向がある。


■ Engineer's Studio® 2.01リリース 〜 UC-win/FRAME(3D) からの移行について
Engineer's Studio® V2.01では、限界状態設計コードのサポートが含まれています。いくつかの新機能に加え、UC-win/FRAME(3D)の主要機能をすべて含むものとなっており、本製品において重要なリリースであるといえます。また、UC-win/FRAME(3D)の新たな保守契約について、今後は行わないともアナウンスされています。これは、多くのユーザーの皆様にとって大きな前進と言えます。ここでは、UC-win/FRAME(3D)とEngineer's Studio®の機能比較について紹介させていただきます。

●Engineer's Studio® Ver.2とUC-win/FRAME(3D)機能比較
  ◎=機能強化、○=対応、×=未対応
項目 機能 ES F3D
解析 静的解析、動的解析、固有値解析、影響線解析(1本棒)
非線形解析 材料非線形、幾何学的非線形(大変位理論)、複合非線形
計算エンジン   64bit 32bit
適用理論 微小変位理論、大変位理論、弾性床上のはり理論
Bernoulli-Eulerのはり理論、Timoshenkoはり理論(せん断変形考慮)
 
Reissner-Mindlin理論(平板要素の適用理論) ×
要素 弾性はり要素、剛体要素、ばね要素、M−φ要素、ファイバー要素
平板要素(弾性)、平板要素(RC非線形、積層)、ケーブル要素、減衰要素(速度べき乗型粘性ダンパー) ×
境界条件 節点:6自由度(自由・固定・ばね)、弾性梁要素:分布ばね
連成ばね(節点に定義)
材料の種類 コンクリート、鉄筋、PC鋼材、鋼板、炭素繊維シート、アラミド繊維シート
弾性材料、非構造材料
荷重 節点荷重、部材荷重(梁要素)、温度荷重 (梁要素)、強制変位、初期断面力
内力荷重、平板体積力、平板面荷重、平板地盤変位、平板動水圧、ケーブル要素:分布荷重(ケーブル全長に分布する荷重)、温度荷重 ×
自動生成荷重 死荷重、プレストレス荷重、水平震度荷重
静的荷重 単調増加、繰り返し(一定、増加)、反転繰り返し(一定、増加)
動的荷重 加速度波形
動的解析 Newmark-β法(β=1/4)による直接積分法
減衰 要素別剛性比例型、Rayleigh型、要素別Rayleigh型
質量マトリクス 整合質量マトリクス、集中質量マトリクス
非線形特性 M−φ特性・・・バイリニア、トリリニア、テトラリニア
ばね特性・・・バイリニア、トリリニア、テトラリニア、名古屋高速ゴム支承型、BMRダンパー
ヒステリシス(ファイバー要素用)・・・
  コンクリート:2次曲線、Hoshikuma、COM3、JSCE、Mander
  鋼材:バイリニア、トリリニア / 繊維シート:線形(引張のみ)
ファイバー要素の種類・・・ファイバー要素(オリジナル、1次、2次)
設計支援 ファイバー要素の損傷表示、M−φ要素の損傷表示、ばね要素の損傷表示
梁要素の応力度照査、梁要素の耐力照査、梁要素の曲率照査
ばね要素の照査
道路橋の残留変位照査機能(道示)、限界状態設計(土木学会、鉄道標準)
平板要素のコンタ図 ×
モデル作成 表形式入力、複数のモデル表示 ×
アンドゥ・リドゥ機能、大規模モデル対応、モデルの範囲拡大
モデルのコピー・貼り付け
インポート fsdファイル(FRAMEマネージャ)、f3dファイル(UC-win/FRAME(3D))
sdfファイル(Steel Detailing Neutral File )
$o1ファイル(旧FRAMEマネージャ)、e2dファイル(Engineer's Studio面内) ×
エクスポート rc2ファイル(UC-win/Section)

     
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(Up&Coming '13 春の号掲載)
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