3次元CG/VRデータの作成において、空間に配置するモデル(立体)をつくるモデリングは基本作業となります。このとき、モデルの形状をそのまま忠実に再現するとデータサイズが大きくなり、VRでの軽快な動きを妨げる要因となります。そのため、特にVRのようにリアルタイム描画が必要なモデルの場合、形状についてはモデルの特徴をとらえたものとし、細部はなるべく簡略化して、立体に貼り付けるテクスチャ画像で表現するようにします。
●モデルの表示方法−ワイヤフレームとシェーディング
モデルのエッジラインによる表示をワイヤフレーム表示といいます。面を表示しないため質感や陰影は表現されませんが、高速で描画され、重なっているモデルの位置確認などが可能です。一方、モデル表面の陰影を表示するシェーディング表示は、立体感がわかりやすく、質感の確認もできます。
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▲図1.ワイヤフレーム表示 |
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▲図2.シェーディング表示 |
●モデリング要素−ポリゴン
モデルを構成する多角形の面をポリゴンとよびます。物体表面をポリゴンに分割して数値データ化することにより、複雑な形状も画像として描画することができます。ポリゴンの数を増やすほど精細な表現が可能ですが、計算量が増え描画時間もかかります。ポリゴンには表と裏があり、その頂点番号の順番が時計まわりか否かで判定されます。どちらが表かはソフトによって異なるため、データ変換を行う場合は、モデリングの際にポリゴンの表裏に注意します。
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▲図3.ポリゴン |
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▲図4.ポリゴンの表と裏(反時計まわりが表の例) |
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▲図5.面の表裏を表示 |
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▲図6.面の表のみを表示 |
●モデリング要素−パラメトリック表現
2次曲面(球や円柱など)で定義できない複雑な曲面を自由曲面とよびます。ベジエ曲線、Bスプライン曲線、NURBS(ナーブス)曲線などのような、パラメータ(変数)によって定義された曲線をもとに面が生成され、少ない制御点でも複雑で滑らかな曲面が表現できます。ただし、レンダリングの過程では、処理の難しさから、曲面をポリゴンで近似する方法が一般的となっています。
●モデリング手法
モデリングの基本は、単純な形から頂点やエッジライン・面を選択し、分割や移動を繰り返して細部を整えます。そのほかに次のような手法があります。
■サブディビジョンサーフェス(細分割曲面)
最初は大まかにモデリングされたポリゴンを細分割していって滑らかな形状にします。生物などのキャラクタの形成に適しています。
■スイープ
面や線を一定の方向に移動、または回転させることにより立体をつくる手法
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▲図7.押し出しのスイープ |
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▲図8.パスに沿ったスイープ |
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▲図8.パスに沿ったスイープ |
■ブーリアン演算
複数の立体の集合演算により形をつくります。形状を重ねて結合する(和)、ある形状から別の形状の重なった部分を削る(差)、重なった部分のみを残す(積)などの処理を行います。
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参考文献:
・『入門CGデザイン』CG-ARTS協会、2008年
・『ビジュアル情報処理 -CG・画像処理入門-』CG-ARTS協会、2008年 |
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(Up&Coming '09 早春の号掲載) |
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