今村 |
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1つ目の高精度に津波を予測するという課題については、ハイパフォーマンスのコンピュータを使い、よいモデルと高密度のデータで解析を行うと同時に、リアルタイム観測結果と組み合わせた研究を行っています。
2011年当時、三陸沖でGPS付きのブイで観測を行っていました。津波警報にはとても重要な情報な観測機器です。海岸から4〜5kmも沖合にあるのに、この機器が津波の第一波として6〜7mにも達する波高データを記録したのです。これを見て、気象庁は津波の高さ予測を上方修正しました。
しかし、この警報の修正は自動化されているものではなく、数値的な解析にも基づいていません。 |
ガリア |
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地震発生から津波が海岸にたどり着くまで、どれくらいの時間的猶予があるのですか。 |
今村 |
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東北の三陸地方の場合は海岸から100〜200km沖合に地震活動が活発なエリアがあり、地震発生から津波到達までの時間は約30分です。GPS付きのブイは海面とともに深海にも設置してあり、津波とともに地震動も観測できるようになっています。
概略としては、地震で発生した津波は約10分後に深海のブイ、その10分後に海上のブイが観測し、さらに10分後に海岸に到達する、といった流れです。 |
ガリア |
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地上に達した後、津波が進むスピードはどれくらいですか。 |
今村 |
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ヘリコプターや飛行機などのビデオ映像を分析すると、毎秒3〜10mくらいになると推定されます。とても速いスピードです。 |
ガリア |
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そうですね。 |