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●ロックシェッドの設計計算 |
12月にリリースしました新製品「ロックシェッドの設計計算」についてご紹介致します。 |
●はじめに
本製品は、許容応力度法によりロックシェッドの部材設計を行うプログラムです。
本製品で設計可能な構造形式は、(1)逆L式ラーメン構造(PC)、(2)箱形式ラーメン構造(RC)の2形式で、過去の施工実施としては、前者が約27%、後者が約12%を占めています。
よって、2つの形式をサポートすることにより、ロックシェッド全体の約40%をカバーできるものと考えられます。本製品は、落石対策便覧(平成12年)日本道路協会、ロックシェッドの耐衝撃設計(平成11年)土木学会などを参考に開発を行いました。
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▲ロックシェッドのメインウィンドウ |
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●逆L式ラーメン構造(PC)
逆L式ラーメン構造は、主梁、谷側柱、山側受台(重力式)、谷側受台(逆T式)から構成されています。構造解析モデルとしては、主梁と柱が剛結され、柱基部および山側支承位置をヒンジ支点とする1次不静定構造を考えます。
検討する荷重は、主構自重(上部構造自重)、緩衝材自重、落石荷重、地震荷重およびこれらの組合せです。
本製品では、主梁はT桁断面、柱は矩形断面とし、鉄筋並びにPC鋼材を配置したPC(PRC)断面照査を行います。 |
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▲逆L式ラーメン構造3D図と解析モデル図 |
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●箱形式ラーメン構造(RC)
箱形式ロックシェッドでは、頂版、谷側柱、山側壁、底版から構成されています。
本構造では、道路軸直角方向および道路軸方向の2方向について検討することができます。
解析モデルとしては、道路軸直角方向では底版が格点バネで支持された箱形構造を、道路軸方向では柱基部が固定支持されたラーメン構造を考えます。
検討する荷重は、躯体自重、緩衝材自重、落石荷重、地震荷重、背面土圧およびこれらの組合せです。
本形式では、内空四隅および頂版張出部にハンチを設置することも可能です。全ての部材について、鉄筋を考慮したRC断面照査を行います。
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▲箱形式ラーメン構造3D図と解析モデル図 |
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●緩衝構造
緩衝構造として、砂単層緩衝構造および三層緩衝構造をサポートしています。
緩衝材は、従来より砂単層が一般的でしたが、より緩衝・分散効果の高い緩衝材として、表層材は砂、裏層材に軽量で衝撃吸収性能に優れる発泡スチロールを、芯材に荷重分散効果が期待できるRC版を組合せた三層緩衝構造が開発されました。 |
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▲砂単層緩衝構造 |
▲砂単層緩衝構造 |
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●荷重の扱い
設計状態として、常時、落石時、地震時の検討が可能です。
背面土圧、地盤バネの扱いは、各状態毎に常時または地震時の扱いを設定できるように配慮しています。
設計状態 |
死荷重 |
落石荷重 |
背面土圧 |
地震荷重 |
地盤バネ |
割増係数 |
常時 |
考慮 |
▼常時 |
- |
- |
▼常時 |
1.00 |
落石時 |
考慮 |
▼常時 |
考慮 |
- |
▼地震時 |
1.50 |
地震時 |
考慮 |
▼地震時 |
- |
考慮 |
▼地震時 |
1.50 |
落石荷重としては、道路軸直角方向の場合は、山側支点直上、山側支承付近、スパン中央、谷側剛接付近、柱直上の5箇所に、個別に1個の落石を載荷させ、軸方向の場合は、ブロック端部、柱軸上、柱間中央に載荷させます。この落石による衝撃力を静的荷重に置き換えて、平面骨組解析によって断面力を算定します。 |
●結果確認/印刷
画面上での結果確認および印刷プレビューを行うことができます。
結果確認としては、断面照査結果一覧表、断面力結果図などを用意しています。
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▲Frame計算結果(箱形式軸直角方向) |
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▲印刷プレビュー |
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■ロックシェッドの設計計算 リリース日:2005年12月28日 |