2019年11月にFEMLEEG Ver.9.1がリリースされました。
前回は、プリプロセッサFEMISのVer.9.1で追加された主な機能について説明しました。今回はポストプロセッサFEMOSに追加された機能について説明します。
各結果描画でのケース選択
FEMOSで解析結果を評価するにはファイルを開いた後、評価対象とする解析ケースを選択する必要があります。解析結果が一つ(単一ケース)の場合は、最初に1回実行しておけばよいですが、解析結果が複数ある(複数ケースの)場合(特にケース間で結果を比較するときは)、ケース選択→結果表示→ケース選択→結果表示を繰り返さなければなりませんでした。
Ver.9.1では結果描画コマンド毎にケース指定の機能を追加しました。これにより、毎回ケース選択の操作を行うことなく、すぐに結果を描画することができるようになりました。
また、解析ケースデータへのアクセスの見直しも行い、指定したケースへのアクセスの高速化も図られています。
【操作手順と処理時間の比較】
図6 今回使用したモデル |
例:
節点数:12693
要素数:9804
ケース数:167 |
表1はファイル読み込み後、4ケース(1、10、100、最終)の結果を表示する手順とそれぞれの処理時間を比較したものです。
|
従来の操作と時間
|
V9.1の操作と時間
|
1ケース目選択
|
1秒以下
|
−
|
1ケース目濃淡図描画
|
1秒以下
|
1秒以下
|
|
10ケース目選択
|
2秒
|
−
|
10ケース目濃淡図描画
|
1秒以下
|
1秒以下
|
|
100ケース目選択
|
14秒
|
−
|
100ケース目濃淡図描画
|
1秒以下
|
1秒以下
|
|
最終ケース目選択
|
23秒
|
−
|
最終ケース目濃淡図描画
|
1秒以下
|
1秒以下
|
従来は最終ケースの濃淡図を描画するのに約24秒(ケース選択+濃淡図描画)を要していましたが、ケース選択をする必要がないため、赤字の所要時間が無くなり1秒以下で済むようになりました。(PCの性能によって処理時間は異なることがあります)
【注意事項】
現在の各コマンド毎のケース指定では以下には対応していません。下記を行う場合は、従来のケース選択で実行する必要があります。
・ケースの足し合わせ ・スムージング
・描画範囲で選択している節点・要素だけの結果読み込み
なお、将来のバージョンではこれらにも対応する予定です。
次回も他のFEMOSの追加機能について説明したいと思います。