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Maxsurf
総合情報
Vol.58

Maxsurf VPP

Maxsurfの歴史は、America’s Cupの12mクラス艇船体設計ツールとしての役割から始まっており、セールボートのハル形状を最適化するために、NURBサーフェイスを利用してスムースな曲面を生成することを目的として開発されました。そのような船体形状作成CADですから、後に商船の船型開発に応用され、現在に至っているのです。
Maxsurf VPPは、セールボートの性能を予測するためのプログラムで、船体の推進抵抗とセールの揚力を計算し、ボートスピードとヒール角がバランスする状態を求めるものです。Maxsurf VPPには、Maxsurfにより作成された船体の形状を計測するモジュールが含まれており、IMS VPP(ラインズプロセッシングプログラム)と呼ばれるプログラムに必要なパラメータが決まり、このIMS VPPを走らせることにより、船体抵抗を求める数式に必要な係数らが導かれます。
ハルとリグのデザインが決まると、設計者は、Maxsurf VPPを使って、6ノットから20ノットの風域における、そのセールボートの性能を計算することができます。様々な真風向を使い、スピネーカー有り無しの状態でボートスピード、ヒール角が計算され、最終的に、上りと下りのVMG(ベロシティーメイドグッド)が求まります。


ハルとリグのデータ
MaxsurfのデザインをMaxsurf VPPに読み込むために、FileメニューからOpen Designを選択します。デザインが取り込まれますと、Maxsurf VPPは、デザインハルの計測を始め、VPPに必要なデータを探します。
Maxsurf VPPは、いくつかの異なるヒール角とトリムコンディションでデザインを水に浮かべ、船体の計測を行ないます。ハルの計測が完了すると、リグの入力をリグデータダイアログにて行ないます。


図1 VPPに必要な、AGSとSBMAXをデザイン上で計測するかどうかを聞くためのウインドウ

図2 リグデータダイアログ


図3 Maxsurfデザインが読み込まれ、リグデータが入力された状態

全ての必要なデータが入力されると、パフォーマンスデータの計算が行なわれます。Solveメニューより、Solve Multiple Anglesを選択します。Maxsurf VPPは、デザインセールボートのパフォーマンスを計算し、Result tableとgraphに結果を表示します。


画像をクリックすると大きな画像が表示されます。 画像をクリックすると大きな画像が表示されます。
計測された点群がMaxsurf内に取り込まれた状態

■ Maxsurf CONNECT Edition v21.13.00.19 2019年5月リリース
■ 開発元:Bentley Systems (Formation Design SystemsはBentleySystemsに吸収合併)



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(Up&Coming '20 春の号掲載)
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