「基礎の設計・3D配筋(部分係数法・H29道示対応)Ver.3」では、以下の主な改訂を予定しています。
- 杭基礎:永続変動作用時の2.5次元解析対応
- 杭基礎:地層傾斜対応
- 鋼管矢板基礎、直接基礎、ケーソン基礎、地中連壁基礎:永続変動作用の検討ケース数増加
杭基礎:永続変動作用時の2.5次元解析対応/地層傾斜対応
一般に、橋軸(Y軸)方向、橋軸直角(X軸)方向、鉛直(Z軸)方向の3方向(3次元)を考慮する時、各軸方向の変位と力および各軸回りの回転変位と回転力を定義すると、変位と力はそれぞれ6つ定義することになります。しかし、本プログラムではZ軸回りの回転変位と回転力(フーチングを上から見てねじ込むような変位と力)を考えていません。したがって、考えている変位と力はそれぞれ5つになります。自由度が5つあるので便宜上「2.5次元解析」と称しています。
ではこの2.5次元解析で検討するメリットは具体的にどのようなケースかを考えてみます。
通常、地層傾斜なし,杭径・杭長変化なしで計算直角方向に偏心荷重が無い場合であれば、2.5次元解析でも2次元解析でも同じ結果となりますが、偏心荷重が有る場合は、2.5次元解析では偏心を考慮した解析を行いますので2次元解析の場合とは計算結果は異なります。実務の現場では地層傾斜なし,杭径・杭長変化なしのケースよりも以下のようなケースが多数を占めるため、この解析が有効な手法になります。
実務現場の基礎設計でよくあるケース
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偏心が生じるケース
(杭基礎のフーチング下面中心で計算直角方向に
水平力、モーメントが生じる場合)
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上部工が偏心して配置される場合
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橋脚柱が偏心して配置される場合
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地層傾斜が生じるケース
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橋軸方向(又は橋軸直角方向)に地層が傾斜している場合
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杭径・杭長変化ありを検討するケース
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施工現場の状況により右下側の
杭径を変更し検討する場合
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施工現場の状況により特定箇所の
杭長を変更し検討する場合
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また、基礎製品単独の2.5次元解析以外も、下記の下部工製品との連動による2.5次元解析もご利用いただけるように開発しています。連動機能を利用する事によりフーチング下面中心作用力(部分係数考慮後)を自動算定し、基礎側へ連動が可能になるため、下部工基礎設計の作業効率が飛躍的に向上します。
・橋脚の設計・3D配筋(部分係数法・H29道示対応)
・橋台の設計・3D配筋(部分係数法・H29道示対応)
・ラーメン式橋台の設計計算(部分係数法・H29道示対応)
・箱式橋台の設計計算(部分係数法・H29道示対応)
図1 橋台の設計・3D配筋(H29)Ver.2と基礎の設計・3D配筋(H29)Ver.3の連動画面
鋼管矢板基礎、直接基礎、ケーソン基礎、地中連壁基礎:永続変動作用の検討ケース数増加
H24年道示の常時及びレベル1地震時検討では、ほとんどが地震時ケースで決定していましたので、現在の荷重ケース数で事足りていましたが、H29年道示は部分係数の概念が導入され、検討すべき荷重ケースが増えています。現行版の鋼管矢板基礎の荷重ケースは10ケースまでなので、例えば30ケース計算したい場合はファイルを分けて検討して頂く必要がありましたが、各方向60ケースまで拡張する事で、より煩雑な作業が無くなり設計作業効率が上がります。
直接基礎:基礎ばね(固有周期用、EQ無し、EQ有り)一括計算、液状化判定:計算機能拡張、鋼管矢板基礎の継手管部のせん断ずれ拡張など、Ver.3では多数の要望を製品に反映しています。
ご期待下さい。