計算例資料は、「河川構造物の耐震性能照査指針(案)・同解説」を補足するものです。この指針の「−W.水門・樋門及び堰編−」平成24年2月版の「適用の範囲」に、「道路橋示方書・同解説(平成14年3月)」版(以下、H14道示)を参考資料とする旨の記述があります。ただし、道路橋と異なる河川構造物に適用するにあたっては注意を要する点があったため、計算例資料により具体的な計算例が示されました。本製品は、計算例資料に従った照査を行っています。
以下に、この保有水平耐力法照査の特徴的な点を述べます。
慣性力
H14道示Xでは、慣性力を上部構造の慣性力の作用位置に載荷します。これは、道路橋の場合、上部構造が重量の大部分を占めるトップヘビーな構造であるため集約したものと考えられます。ただし、柔構造樋門の門柱、および水門は必ずしもトップヘビーな構造ではありません。
本製品は、構造物の自重を分布質量として与える等、全ての慣性力を考慮します。このため、慣性力を震度として表現することができます。H14道示Xでは地震時保有水平耐力Paに対する照査を行いますが、本製品では計算例資料に従って地震時保有水平耐力に相当する水平震度khaに対する照査を行います。
断面特性
柔構造樋門の門柱や水門の断面は複雑な形状が多いため、計算例資料では複雑な形状のM-φ特性、せん断耐力の算出時の注意点について記述されています。本製品でもこれを参考として、M-φ特性は断面の全領域を考慮し、せん断耐力は突起や切り欠き部を無視した計算を行っています。
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| 図4 せん断耐力算出時の断面 |
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