問題
M-φ特性の骨格形状が成立しないエラーが発生したときの原因はいくつか考えられます。その中で、自動算出された軸力がM-N相互作用図の範囲外になっているかどうかを確認する手順を解説します。
確認方法
M-φ特性の骨格形状を確認するには、ナビゲーション「節点と要素|M-φ要素|M-φ要素」の「M-φ骨格」ボタンを押します(図1)。
すると図2のようにエラーが発生していることがわかります。ここで、赤枠部分の軸力の数値を確認しておきます。軸力N’は、ダッシュがついていますので、圧縮が正、引張が負の意味になります。
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図1 ナビゲーション「節点と要素|M-φ要素|M-φ要素」 |
図2 M-φ特性のエラー |
次にナビゲーション「照査設定|断面照査用詳細入力」または「部分係数設計|PFD詳細用詳細入力」の入力画面を呼び出します。図3は後者の画面です。
図3の赤枠部分のボタン「簡易照査」ボタンを押します。
すると図4のように、「簡易照査結果」画面が呼びだされます。ここで、A部(My/Mz入力角度)を選択します。これにより、3次元M-N相互作用図を縦の平面で切り取った2次元M-N相互作用図が表示されます。その中のB部をクリックするとC部に軸力が表示されます。この軸力がM-N相互作用図の下限値を意味します。
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図3 照査用詳細入力画面の「簡易照査」ボタン |
図4 M-N相互作用図 |
図2で確認した軸力と比較して、下限値よりも絶対値が大きな軸力の場合は「解なし」の状態であることがわかります。つまり、断面の耐力を上回る引張軸力が作用しているために、終局曲げモーメント(限界曲げモーメント)が存在しないことを意味します。
対処方法
最初に、部材に大きな引張軸力が発生することが予想されるかどうかを確認します。多くの場合、死荷重を載荷して軸力を算出しますが、死荷重が載荷された時点で引張軸力は発生しないことが予想されます。この場合は、フレームモデルに問題ないかどうかを確認します。
もし、モデルに問題がないようでしたら、ナビゲーション「節点と要素|M-φ要素|M-φ要素」で軸力の設定を任意設定にして強制的に軸力をゼロにすることも一案です。
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