UC-win/Roadを用いた地震シミュレーションサービスを実施しております。このサービスでは、通常のUC-win/Roadでは行うことができないモデルの転倒や落下といったシミュレーションを行うことができ、地震発生による被害を表現することが可能となります。 |
地震シミュレーションで用いる専用のUC-win/Roadには物理計算機能が搭載され、物体同士の接触や反発、落下といった表現を行うことができます。さらに、地震の波形データに基づいて揺れを発生させ、重量や重心の位置、摩擦係数といったパラメータを与えることで物体の揺れや転倒を表現することができます。このパラメータ設定により、同じ形状でも重心の位置や摩擦の設定によって倒れやすくなったり床の上を滑りやすくなったりします。また、各モデルを構成するパーツにはそれぞれ他のパーツ同士の接続(ジョイント)の設定を行うことができます。扉の場合はヒンジや引き戸の設定、シャンデリアのようにロープやワイヤーで吊るされている物体の場合は接続部分が自由に動くボールジョイントの設定を行うことで、モデル単位ではなくモデル内のパーツが個別に動く様子が表現されます。
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▲図1 照明の揺れ |
▲図2 波形データ |
揺れの再現には地震波形のデータを利用します。ある地点における速度あるいは加速度の時間変化のデータを読み込むことで加振対象モデル(建物の床等)を揺らし、そのモデル上に乗せられている全てのモデルが揺れの影響を受けてさらに揺り動かされるという流れでシミュレーションが行われます。そのため、シミュレーションに必要な波形データは物体ごとのものではなく特定地点での観測データが用いられ、実際に発生した地震の観測データを読み込むことも可能です。
モデル設定の例:戸棚の転倒
棚を表現する場合、各面の板ごとにオブジェクトを分割して構成することで、棚に別のモデルを配置することができます(画像は本のモデルを配置した例)。また、扉のオブジェクトに対してヒンジのジョイント設定を行うことで、戸棚自体の揺れに応じて扉が動くようになります。この状態でシミュレーションを行ったのが、画像で示した状態です。揺れを加えるとヒンジの設定によって扉が開き、さらに棚が傾くことで内部のモデルがこぼれ落ちます。棚が転倒した場合は、棚に配置されていたモデルが全て床に落下し、散乱したり折り重なったりする状態となります。なお、物体の落下や転倒には重力の影響が考慮され、結果だけでなく途中の動きも含めたダイナミックなシミュレーションとなります。
弊社ホームページでは作成事例として弊社ショールームにおいてシミュレーションを行った例を紹介しております。また、最新のサンプルムービーと地震シミュレーションを活用しているユーザの紹介を掲載しておりますので、ぜひご覧ください。
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▲図3 戸棚の転倒の事例 |
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(Up&Coming '17 新年号) |
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