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旧活荷重L-20を影響線解析するには?
 

旧活荷重L-20の入力例を解説します。対象モデルは橋長が40mの鋼方杖ラーメン橋で支間長は不等径間です(図1、図2)。活荷重が載荷される床版を1本の梁でモデル化しています(図2)。活荷重は昭和31年に制定されたL-20(一等橋20t)を想定します。なお、幅員方向に活荷重は移動しません。橋軸方向にのみ活荷重が移動します。


 
■図1 構造寸法(mm)

画像をクリックすると大きな画像が表示されます。
■図2 解析モデル図
 活荷重の条件

線荷重P は連行荷重で与え、等分布荷重 p も設定します。

線荷重 P= 50.0(kN/m)×4.0(m) = 200.0(kN)  
等分布荷重 p=3.5(kN/m2)
群集荷重 無し
 活荷重の入力画面

基本設定タブ:
図3のように、活荷重の種類を連行荷重とし、“p2荷重を考慮”にチェックを入れます。p2荷重は現行の道路橋示方書の規定ですが、旧活荷重の等分布荷重pと同じです。


■図3 基本設定

幅員データタブ:
幅員データでは図4のように入力します。幅員が4mなので従載荷荷重は発生しません。


■図4 幅員データの入力

グループ作成タブ:
グループは、特定の部材に対して他と異なる衝撃係数を設定する場合等に作成します。本事例はこれに該当しないので無しとします(図5)。


■図5 グループの定義

Zoning/p2,qタブ:
「ゾーン」とは活荷重領域のうち、中間支点等で区切られた範囲のことです。活荷重位置によって衝撃係数を求める支間長が異なるため、これをプログラムが認識するために必要な設定です。本事例では図6のように設定します。


■図6 ゾーンの定義
ゾーン1 オーバーハング20cmを控除するために任意定義で12.0m を与える
ゾーン2 支間長15.0mで問題ないのでそのままとする
ゾーン3 オーバーハング20cmを控除するために任意定義で13.0m を与える

p2 荷重強度に等分布荷重 p を与えます。支間Lが80m以下なので3.5(kN/m2)です。デフォルトのまま使用します。

連行荷重タブ:
連行荷重は1個の集中荷重で与え、長さを0.000mとします。図7のように200kNを距離0.000mに与えます。


■図7 幅員データの入力

衝撃係数タブ:衝撃係数iを算出するときの支間長Lの取り方は図8のようになります。衝撃係数算出式には“鋼橋”(i =20/(50+L))を指定します。

  • 荷重①に対して L=27:99(i = 0:32258)
  • 荷重②に対して L=12:00(i =0:25644)
  • 荷重③に対して L=13:00(i =0:31746)


■図8 衝撃係数用活荷重載荷位置(m)

部材と支点に対する衝撃係数を設定します。部材は「グループ未登録要素」を選択して入力します。各支点に対しても設定します。等分布荷重は「L荷重」を、線荷重は「連行荷重」を選択して支間長を入力します。図9は部材に対する線荷重の入力例です。


■図9 線荷重P による部材の衝撃係数

単位荷重ピッチタブ:
図10のように、比率を1%とします。この設定は影響線の精度を左右します。比率が小さい程影響線が滑らかとなり影響線の縦距や面積の精度が向上します。


■図10 単位荷重ピッチ
 活荷重の結果画面

図11は部材1156 の曲げモーメントの結果です。図より合計すると以下のようになります

連行荷重(線荷重) 34.89 + 11.08 = 45.97 (1)
分布荷重 26.56 + 8.19 = 34.75 (2)
合計 80.73 (3)


■図11 曲げモーメント
 結果の検証

部材1156の曲げモーメントM の影響線は図12の“太線"です。衝撃係数を考慮すると“細線"のようになります。


■図12 曲げモーメントM の影響線

影響線の縦距をη、衝撃を考慮した縦距をη'とすると、

η' = η(1 + i )

影響線の面積をA、衝撃を考慮した面積をA'すると、

となります。ここで、iは衝撃係数、 A k と i k は影響線によって囲まれる面積を分割したときのk番目の面積と衝撃係数、nは分割数です。Mの正側最大を求めるときは、正の A k だけを集計対象とします(図の下側)。

線荷重PによるMをMP、等分布荷重qによるMをMqとすると、Mは

M = MP + Mq (6)
Mp = Pη' (7)
Mq = qBA' (8)

となります。Mが最大となる位置は、細線の縦距η'が最大となる位置x=31.108mです(図12の赤点線)。このとき、η′=0.229818です。その他、P=200kN、B=4m、q=3.5kN=m2、A′=2.483139なので、式(6)、(7)、(8)に代入すると、

MP = 45.964    Mq = 34.764    M = 80.73

が得られます(単位:kNm)。これらの値は、式(1)、式(2)、式(3)と一致しています。プログラムの計算結果と影響線から手動で求めた結果が同じになることを確認できました。



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