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Vol. 12
このコーナーでは、ユーザーの皆様に役立つような税務、会計、労務、法務などの総務情報を中心に取り上げ、専門家の方にわかりやすく紹介いただきます。今回は、マイナンバー制度の概要と、企業対応に際しての注意点について解説します。

 労働者派遣法の改正について

平成27年9月11日、改正労働者派遣法が成立し、同年9月30日より施行されることとなりました。以下では、今回の改正のポイントについてご紹介します。

 労働者派遣の課題

現行派遣法の課題としてはこれまで、悪質な派遣事業者の存在や、雇用の不安定性、わかり にくい期間制限などが指摘されてきました。そこで、今回の改正は主にこの3点に対応する内容となっています。


 派遣法改正の内容と影響

特定労働者派遣の廃止

特定労働者派遣事業(届出制)と、一般労働者派遣事業(許可制)の区別を廃止し、全ての労働者派遣事業を許可制としました。この許可の基準は、今後厚生労働省令で定められる予定です。

今後明らかになる許可要件にもよりますが、資産要件や、新たなキャリアアップ措置等の取組要件が見込まれ、許可要件を満たさずに事業の継続が困難となる派遣会社が出てくることも想定されます。

なお、改正法の施行の際に特定労働者派遣事業を行っている事業者は、施行日から起算して3年を経過する日までの間は、引き続きその労働者派遣事業を行うことができるとの経過措置が設けられています。


期間制限

現行法の、いわゆる「専門26業種」にあたるか否かにより期間制限の有無を分ける考え方は廃止され、以下の、(1)事業所単位と(2)個人単位の制限を組み合わせた制度となります。ただし、無期雇用派遣労働者、60歳以上の高齢者等日数限定業務、有期プロジェクト業務、育児休業の代替要員等の業務に従事する派遣労働者については、適用除外となるため、以下の期間制限を受けることなく、派遣労働者を受け入れることが可能です。

(1)事業所単位の期間制限:派遣先の同一の事業所における、派遣労働者の受け入れは3年を上限とする。3年を超えて派遣労働者を受け入れるためには、過半数労働組合等からの意見聴取が必要。この意見聴取手続において意見が出た場合、派遣先事業主は、派遣延長の理由その他厚生労働省令で定める事項(省令で定める事項として予測される項目は、延長期間、組織(課)、人数、派遣で受け入れる予定の業務内容等)について説明を行った上で期間の延長を行うことが可能。

(2)個人単位の期間制限:派遣先の同一の組織単位(課)における同一の派遣労働者の受け入れは3年を上限とする。

これにより、従来期間制限のなかった専門26業種であっても、全ての有期雇用派遣労働者につき3年の期間制限がかかります。

逆に、これまで原則1年(最長3年)であった自由化業務についても期間制限は3年となるため、1年を超える際の延長手続は不要です。

上記(1)の期間制限は、事業所単位で期間制限の起算日を把握するため、派遣先企業は、部署ごとではなく、当該事業所全体での有期雇用派遣労働者の契約状況を把握しておく必要が出てきます。

なお、当該改正については、施行日以後に締結される労働者派遣契約に基づき行われる労働者派遣のみに適用があり、施行日以前に締結された労働者派遣契約に基づき行われる労働者派遣については、施行日以後も現行法による期間制限に服することに注意が必要です。

※クーリング期間についての考え方
たとえば、個人単位の制限について、Aさんを2年10か月人事課で使用し、1か月だけ経理課に移した(クーリング期間)後に、人事課に戻す、というような派遣労働者の使い方をした場合、条文上は(2)の個人単位の期間制限には抵触しません。 こうしたクーリング期間を挟んでの同一人の再度の派遣受入れについては、従来から、「派遣先が講ずべき措置に関する指針」により定められており、クーリング期間が3か月を超えない場合は、この間も継続して派遣労働者を受け入れていたものとみなすとされていました。
派遣法改正後も、この考え方自体は今後も引継がれる予定です。しかし、3か月と1日さえ空ければ期間制限に抵触しないという運用には、やはり常用代替防止という派遣法の趣旨との関係上、問題があることから、省令その他において、期間制限の脱法となるようなことが起きないよう、明確にすべきとされています。


派遣労働者の雇用の安定

派遣元事業主は、派遣期間終了時の派遣労働者に対し、以下の雇用安定措置を講ずることが義務づけられます(ただし、派遣期間が1年以上3年未満の派遣労働者については、努力義務に留まります)。

  1. 派遣先への直接雇用の依頼
  2. 新たな就業機会(派遣先)の提供
  3. 派遣元事業主において無期雇用
  4. その他、雇用の安定に資すると認められるものとして省令で定めるものを講ずること

※常用型派遣(派遣元事業主が、その常時雇用する労働者を事業活動の一環として相手方企業に派遣するもの)のみを扱う事業
※登録型派遣(派遣元事業主が、派遣労働者になることを希望する労働者を登録しておき、相手方企業から労働者派遣の求めがあった場合に、これに適合する労働者を派遣元事業主が雇い入れた上で相手方企業に派遣するもの)を行う事業


 労働契約みなし制度(平成27年10月1日施行)

派遣法の改正とあわせ、平成27年10月1日から、施行が見送られてきた労働契約みなし制度が施行される予定です。

れは、次の(1)〜(4)に挙げる違法派遣について、派遣先が違法と知りながら派遣労働者を受け入れている場合、違法状態が発生した時点において、派遣先が派遣労働者に対して労働契約の申し込み(直接雇用の申し込み)をしたものとみなす制度です。

(1)適用除外業務(派遣禁止業務)の派遣受け入れをすること
(2)無許可の派遣元事業主から派遣受け入れをすること
(3)派遣受入期間を超えて派遣受入れをすること
(4)労働者派遣法等の規定を免れる目的で、請負その他労働者派遣以外の名目で契約を締結し、必要とされる事項を定めずに労働者派遣の役務の提供を受けること(いわゆる偽装請負)

みなし制度の施行に関しては、特段の経過措置が設けられていないため、施行日時点で違法行為が行われている場合、派遣先はその時点において労働契約の申込みをしたものとみなされることに注意が必要です。

出典:厚生労働省ウェブサイト 労働政策審議会 (職業安定分科会労働力需給制度部会)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-rousei.html?tid=126981

画像をクリックすると大きな画像が表示されます。
▲図1 新たな期間制限の在り方(イメージ)

画像をクリックすると大きな画像が表示されます。
▲図2 労働派遣法の改正案について

監修:中本総合法律事務所




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