プロダクトデザインから製品カタログ、店頭用POPまで3Dを利用
3Dイメージで製造元とのコミュニケーションも円滑に |
福井県福井市に本社をかまえる株式会社オナガメガネで企画室長兼デザイナーを務める小永幹夫さんは自身がつくったスクリプトを搭載したShade3D使用しています。他のデザイナーたちもそのShade3Dを使って業務を行っています。
「弊社はメガネの卸売業をおこなっております。社内のデザイナーがデザインしたものをメーカーにつくってもらい、全国の小売店に販売しています。デザインはすべて自社でおこなうので、Shade3Dでメガネのデザインをして、それをカタログや店頭用POPにも使います。」
製品のカタログには写真をつかう会社が多い中、オナガメガネの場合はShade3Dでつくった画像のみを掲載。なので商品が出来上がるときにはカタログも用意できています。店頭用POPも営業が急いでいるときは写真を撮る必要がないので、すぐに手配できることが利点です。
「ホームページに載せているプロモーションビデオもShade3Dのアニメーション機能をつかっていますので、とにかく全部に使ってます。」デザインをするときにShade3Dを使う長所はデザインから製造までの時間が大幅に削減できるところです。他社はIllustratorかメガネ専用CADソフトをつかってデザイン、試作サンプルと量産前のカラーサンプルを用意、そして製造という流れが一般的です。オナガメガネでは試作サンプルをなるべくつくらないようにしています。
「CGソフトは3次元なので嘘が描けません。よってデザインは正確なものになります。そのデザインをもとにメーカーさんと細かい調整をしていくのですが、3Dだとメーカーさんもすぐ理解してくれます。お互い製品イメージが共有できるので試作をつくる必要がないのです。」
またメガネを描くラインはやわらかいため、Shade3Dだとその表現がしやすいことも魅力の一つ。ベクターイメージ編集ソフトと同じくらい効率よく描けて、商業ベースとして使えるソフトだと評価します。「修正やカラーバリエーションをつくることを考えると他のソフトよりはやいかもしれないですね。」自作のスクリプトは、数値入力を可能にし数値で制御しながらメガネのリムを描くものや、ポイントの整列や指定の場所に移動する機能です。
Illustratorの操作に近づけつつ、自動でメガネの形ができるようなスクリプトもつくりました。角をまるめるのに複数選択して一度にまるめるスクリプトもあります。
3Dプリントで作ったメガネをみせていただきました。このメガネのねじ留めの部分は3Dプリンターで作られています。このときに使用する3Dプリントアシスト機能が大変便利とのこと。
「この部分は通常製造するのに1ヶ月くらいかかりますが、3Dプリントの場合は1週間で出来上がります。つまり小ロット短納期で仕上がり、在庫リスクもないんですよ。効率がよくていいですよね。」
これからShade3Dを使う方に「コントロールポイントと線形状の理解が深まればなんでもつくれますよ。ツールや細かい機能を覚えるのはあとでいいと思います。またベクターの線の操作ができれば習得ははやいですね。」とアドバイスもいただきました。
(執筆:池野隆)
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メガネのモデルと実際に出力したねじ留めのパーツ |
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