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Q&A任意形格子桁の計算 Q&A

目  次
1.制限事項

Q1−1.支点に水平バネを考慮することが可能か?

Q1−2.上下線分離モデルや、途中で分離・結合するモデルは計算可能か?

Q1−3.旧活荷重のT-20荷重には対応していないのか?

2.モデル化・入力

Q2−1.横断線が途中で切れる場合など横桁が全ての主桁と交差していなくても計算可能ですか?

Q2−2.荷重項目を追加、削除することはできるが、初期設定の床版や雪荷重も削除できるのか?

3.計算結果

Q3−1.衝撃係数を考慮せず、反力を算出したいが?

Q3−2.断面力集計の出力で、合計値-最小の値が死荷重合計+活荷重-最小の和と一致しないが?

Q3−3.連続桁において、中間支点部の衝撃係数が、道示T共通編2.1.4衝撃 で求めた値と異なるが?

Q3−4.横桁断面力図は無いのか?

Q3−5.FRAME計算(構造計算)と格子計算とを比較した場合、結果は一致するか?

4.その他

Q4−1.荷重データ入力の際、線荷重として地覆荷重を入力する場合、座標入力によって行っていますが、入力済みの線形ライン(地覆内側など載荷位置ではないライン)を利用し、簡単に入力する方法はないか。

Q4−2.たわみ量の算出方法は?

Q4−3.合成前と合成後で横断線の数が違うのは何故か?

Q4−4.橋面の外側(幅員の外側)に線荷重を載荷する方法。


1.制限事項
Q1−1. 支点に水平バネを考慮することが可能か?
A1−1. Windows版格子で取り扱い可能な支点は、
 ・固定支点
 ・XYピン
 ・Xピン
 ・Yピン
 ・バネ支点
となっています。
バネ支点で取り扱い可能なバネは、
 ・X軸回り回転バネ
 ・Y軸回り回転バネ
 ・Z軸方向(鉛直方向)バネ
となっておりますので、残念ながら、水平バネは取り扱うことが出来ません。
なお、DOS版で取り扱い可能なバネは鉛直バネのみとなっております。
※上記のXYZ座標系は全体座標系です。座標系の詳細につきましては、ヘルプのキーワード検索にて、「座標系」を入力してご参照ください。
 
Q1−2. 上下線分離モデルや、途中で分離・結合するモデルは計算可能か?
A1−2. 本プログラムでは、上下線分離モデルや上下線が途中で結合、または途中から分離していくモデルについては対応しておりません。
各集計横断面位置における影響線算出には、隣り合う主桁の影響値からの補間計算を行っています。これは橋面が完全に分離している区間においても適用されるため、分離区間における影響値補間計算に問題が生じてしまい、本来は分離されているはずの桁が互いに影響した解析となってしまいます。
 
Q1−3. 旧活荷重のT-20荷重には対応していないのか?
A1−3. 本プログラムで取り扱い可能なT荷重は、現示方書のT荷重(A、B活荷重)のみとなっており、旧示方書のT荷重のように、車両進行方向に複数軸を有する活荷重の解析には対応しておりません。
2.モデル化・入力
Q2−1. 横断線が途中で切れる場合など横桁が全ての主桁と交差していなくても計算可能ですか?
A2−1. 部材で繋がった一体のモデルであれば、主桁および横桁が途中で切れていても問題無く計算が可能です。
従って、全ての主桁と交差しない横桁が存在するモデルであっても問題無く計算を行います。
 
Q2−2. 荷重項目を追加、削除することはできるが、初期設定の床版や雪荷重も削除できるのか?
A2−2. 現仕様では、雪荷重項目については削除することはできません。
荷重強度を0.0(tf (or kN)/u)として頂きますよう御願いいたします。
床版荷重は構造上必要なければ削除可能ですので、ご利用に応じご使用下さい。
3.計算結果
Q3−1. 衝撃係数を考慮せず、反力を算出したいが?
A3−1. 画面左側のツリーの中の「活荷重」を選んでください。
ここに、「反力計算時の衝撃係数」が御座いますので、「考慮する」をダブルクリックしますと、「考慮しない」と替わり、反力算出の際衝撃係数を考慮しなくなります。
 
Q3−2. 断面力集計の出力で、合計値-最小の値が死荷重合計+活荷重-最小の和と一致しないが?
A3−2. 橋種がメタル橋の場合ですと、本プログラムでは相反応力部材(道示U鋼橋編 3.1.3)の計算を行い、合計値を算出しております。
相反応力部材につきましては、ヘルプのキーワード検索にて「相反応力部材」を入力しても参照頂けます。
 
Q3−3. 連続桁において、中間支点部の衝撃係数が、道示T共通編2.1.4衝撃 で求めた値と異なるが?
A3−3. Windows版格子の集計処理は、支承線と中心線より集計軸を作成し、この集計軸直交方向に集計横断面を作成して死荷重、活荷重の集計を行います。

衝撃係数については、衝撃係数の入力が省略されている場合には、集計軸が属する支間の支間長データより計算された値を使用します。このとき、中間支承位置における集計横断面位置での衝撃係数については、両支間長の平均支間長より計算された値とはなっておりません。集計軸が属する支間の支間長より計算された衝撃係数値を使用しております。
これは、本プログラムの集計処理上、支承線ラインと集計横断面が一致して作成されるとは限らず、支承線位置と交差する複数の横断面が作成されるからです。
また、支承線ラインと集計横断面が一致する場合でも、その横断面だけの衝撃係数を指定することは入力上不可能ですので、このような場合には、中間支承線の前後で変化するような衝撃係数ラインを設定して頂きますようにお願い致します。

詳細につきましては、ヘルプのキーワードにて「衝撃係数」を入力してご参照ください。
 
Q3−4. 横桁断面力図は無いのか?
A3−4. 申し訳ありませんが、断面力図は主桁のみの描画となっており、横桁については現在対応しておりません。
 
Q3−5. FRAME計算(構造計算)と格子計算とを比較した場合、結果は一致するか?
A3−5. 本プログラムで用いている格子集計計算では、各載荷格点に単位荷重を載荷し影響値を求めます。この格点上影響値を結んでつないだ影響線を横断面位置で切り取り、その切り取った影響面に対して荷重を載荷し、集計処理を行います。格点影響値を元にした格子集計の性質上、厳密な結果と比較しますと若干の誤差を含んでいます。これは集計に用いる影響線が、本来は滑らかな曲線のはずですが、内部処理上は格点上の影響値を直線で結んだ折れ線であるためです。載荷格点を追加しますと、影響値点数が増えるので補間による誤差が少なくなり、実際の影響線に近い形で集計計算が行われることになります。
製品ヘルプ[集計の方法]-[集計の誤差]の[(2)格点の追加]にも説明を記載しております。こちらの方も合わせてご参照ください。
4.その他
Q4−1. 荷重データ入力の際、線荷重として地覆荷重を入力する場合、座標入力によって行っていますが、入力済みの線形ライン(地覆内側など載荷位置ではないライン)を利用し、簡単に入力する方法はないか。
A4−1. 線死荷重の入力画面(表の所)でマウスを右クリックして頂きますと、ポップアップメニューが表示され、主桁格点、または幅員ラインをコピーする機能が選択できます。
このコピー機能によって簡易な操作も可能ですが、Ver2.00からモデルジェネレータ機能が追加され、中心線位置からの距離入力により、主桁位置、幅員位置、荷重位置等を決定し、モデルを作成することが可能です。
このモデルジェネレータにより作成されたデータファイル(拡張子AGRG)を ファイル→開く→ファイル の種類で選択いただき格子計算側で読み込むことが可能ですので、モデル化にはこちらの機能をご利用下さい。
 
Q4−2. たわみ量の算出方法は?
A4−2. たわみ量算出は、各載荷格点に単位荷重を載荷することにより求められた「たわみ影響値」を元に、死荷重、活荷重による集計計算を行い、たわみを算出しています。
たわみ量は、構造物を上から下に見て(重力作用方向に見て)、下方向へのたわみ量を+値で表現しています。
影響値の算出(単位荷重の解析)では、微小変位理論に基づいた解析により、格点変位を未知量とする多元連立方程式を解くことによって所要の変位・断面力・反力を算出します。
この連立方程式は、構造データから決定される剛性マトリックスと荷重データから決定される荷重ベクトルから構成されます。
 
Q4−3. 合成前と合成後で横断線の数が違うのは何故か?
A4−3. 本プログラムで横断面を作成する位置は、
 ・格点位置
 ・荷重変化点
 ・幅員変化点
 ・係数変化点(衝撃係数等)
となっております。
このため、合成前と合成後で荷重設定ラインが異なるなど、上記データに違いがある場合には、横断面数も異なることになります。
 
Q4−4. 橋面の外側(幅員の外側)に線荷重を載荷する方法。
A4−4. 本プログラムでは円形モデル等に対応するために、幅員データ構造定義入力表で指定する「集計有効エリア左端(右端)ライン」と支承線データから「集計有効エリア」を作成し、このエリア内に含まれる荷重のみを集計対象としておりますが、新たにラインデータを定義することにより、計算が可能です。

以下に、橋面の両外側に線荷重を載荷する場合の、ライン作成方法を記載します。
  • (1) ラインデータ入力表にて、ダミーのラインを2本追加します。(仮にダミー左、ダミー右とします)
  • (2) それぞれのダミーラインに、橋面外側に載荷する線荷重からカット&ペーストにより座標を複写します。ただし、橋梁の中間部にしか線荷重が載荷されない場合でも、ダミーラインは橋梁の先頭から終端まで定義する必要があります。このとき、先頭(終端)側支承線を延長した線とダミーラインが交差するようにしてください。
  • (3) 幅員データ構造定義入力表にて「集計有効エリア左端ライン」に「ダミー左」を、「集計有効エリア右端ライン」に「ダミー右」を設定しますと集計範囲に収まりますので、両荷重が集計対象となります。
メニューの「計算−計算方法の設定」の「集計有効エリアを拡張する距離」を変更しても集計範囲を拡張することは可能ですが、斜橋や曲線桁モデルの場合には、横桁と集計軸が直交しないために、計算誤差が生じる原因となる恐れがあります。
そのため「集計有効エリアを拡張する距離」の入力は0.0mとし、上記の方法でご対応頂くことをお奨めいたします。

なお、集計有効エリアにつきましては、構造定義入力表にて「F1」キーを押すか、製品ヘルプのキーワード検索にて「集計有効エリア」を入力してご参照ください。
カット&ペースト機能につきましては、「表入力の操作」を入力してご参照ください。

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