Q5−1. |
2連BOXカルバートをFRAME解析するとき支点条件はどのように考えるか? |
A5−1. |
BOXカルバートでは、周辺にある地盤がBOX本体を支えていると同時に、土圧や地盤反力として荷重作用の元にもなっています。これらを考慮した場合、モデル化に際しては2つの考え方が取れます。1つは地盤ばねとして周辺地盤をモデル化する場合、他の1つは地盤反力として荷重をBOXに載荷する場合です。いずれのモデル化でも基本的にはピン支点やローラー支点(これらの支点は本来は無い物で、仮想の支点)を考慮しなくても解析できます。ただし載荷する全荷重が釣り合っていることが条件です。
具体的には、左右の土圧を同時にかければれば力の釣り合いが取れているので、支点が入力されていなくても解析できるはずです。ところが、計算上の誤差が(必ず)あるために完全にはつりあっていない場合があり、そのときは解析不能になるので、その安全代としてピン支点などを考慮しているわけです。したがって、解析結果として得られる支点反力は、0かあるいは誤差程度に収まっていることが必要で、その確認を欠かせません。
さて今回のご質問にある2連BOXであっても考え方は上記と同じなので、支点を増やす必要はありません。また増やしても構いませんが、必ず支点反力が生じていない(あるいは許容誤差以内に収まっている)ことを確認してください。もしそうでない場合は、作用荷重間のつじつまが合っていないので、地盤反力(考慮していれば)も含めて全荷重をチェックしてください。 |
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Q5−2. |
地下埋設型BOXの場合で、全部材を分布バネとするとき支点はどのように検討するのがよいか?
また、分布バネが底版のみの場合と側壁,底版の場合では支点のケ−スは変わるのか? |
A5−2. |
BOXカルバートで分布バネ部材を考慮して解析する場合、本来なら支点は不要のはずですが、解析上不安定構造物にならないように、仮想的に支点を設けます。この支点は実際には存在しないので解析結果に影響しないように設定する必要があります。そのためには、考慮する荷重の向きに応じて最小限の数(および種類)の支点を入力するのが良いと思います。
たとえば、鉛直荷重が作用するケースでは、底版部材に分布ばねを考慮すれば基本的には十分ですが、上記の理由から、水平方向への移動を拘束するために鉛直ローラ支点を左隅角部(など)へ追加します。この支点条件は側面からの土圧が両サイドから作用するケースでもそのまま使えます。その際、側壁部材で分布ばねを考慮するか否かは工学的な判断が必要になります。
すなわち、このFRAME製品のばねは圧縮力だけでなく引張力(ばねが伸びる状況)でも有効なので、その点を考慮して適宜ばねを設置する必要があります。解析が終了したら仮想の支点に反力が生じていない(あるいは許容誤差以内である)ことを必ず確認してください。無視できない反力が生じていれば支点条件を変える必要があります。
また、対称構造物に対称な荷重を載荷したにも関わらず結果が対称になっていない場合がありますが、この場合も支点条件そのものを対称になるように変更すれば期待した結果が得られると思います。上記の例では鉛直ローラ支点を左隅角部でなく、底版中央(ここに格点が必要)に変更すれば対称になります。 |
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Q5−3. |
着目点と端部の鉄筋データを変えることはできるか? |
A5−3. |
鉄筋データは、FRAME計算では直接入力することは出来ません。 ただし、RC断面計算で使用されていた断面データをFRAMEでインポートし、FRAME計算後にRC連動を行った場合には、鉄筋データはそのまま連動されます。 したがいまして、RC断面計算側で鉄筋データを変更することが可能です。 |
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Q5−4. |
剛域部材を表すために断面諸量に極端に大きな数値を入力したが、その結果モデルに載荷した荷重合計と反力合計が異なる結果になったがどうすればいいのか? |
A5−4. |
作用荷重の合計と支点反力の合計が一致しない理由は断面諸量に極端に大きな値(9.99E+10)をセットしているからです。
剛域部材のモデル化するためにこのように入力されている場合が多く見受けられますが、これでは計算誤差が避けられません。
連立方程式を解く際の誤差を無くすには、この値を通常部材に比べ3〜4桁程度大きな値を入力してください。その結果、荷重値fに対し反力合計は、ほぼ一致します。 |
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Q5−5. |
処理スイッチのプレストレスによる応力算出の選択は何のためか? |
A5−5. |
プレストレスコンクリート構造では、曲げの照査を行う際に有効プレストレス(これが1次力に相当する)と荷重による応力度を加算して各荷重状態での合成応力度を算出します。
このとき、FRAME計算でプレストレスによる2次力(1次+2次ではなく)を求めることが必要になるために、本製品では、どちらでも出力できるようにフラグを設け、初期値は「2次力」にセットしています。このフラグはお客様の判断で自由に設定できますので、必要に応じ変更頂くことが可能です。 |
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Q5−6. |
温度荷重はどのように計算されているのか? |
A5−6. |
一般的な構造力学の参考書をご確認下さい。
温度応力は、
σ=E・ε=E・α・Δt
このとき
E;材料のヤング率
α;線膨張係数
Δt;変化温度差
本プログラムでも、温度差で入力いただくことで、部材に軸方向断面力が生じるものとして設計いたします。
予め材質諸元で入力いただくヤング率、線膨張係数から上記断面力σが発生するものとしています |
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Q5−7. |
剛域として設定した部材に断面力が生じているが、これはなぜなのか? |
A5−7. |
本製品で考えている剛域部材とは、「変形を無視できる(変形しない)部材」のことです。
たとえば、鉛直に立っている柱モデルがあり、その一部が剛域部材になっていて上端に鉛直荷重が下向きに作用している場合、一般部材は縮みますが、剛域部材は縮みません。
この時、剛域部材には軸力が生じないと考えるよりも、剛域部材にも圧縮力が生じその力が下の方へ伝播して支点まで伝わる、と考えた方が自然です。
つまり、剛域部材とは単に変形しない部材であって、断面力は一般部材と同様に生じると考えます。剛域ブロック内の各位置の断面力は力の釣り合いから求められます。もし剛域ブロックを複数の支点で支えて不静定構造のような形にすると、変形の適合条件が満足できなくなり解析できません。したがって、本製品では「剛域ブロックには複数の支点を設けてはならない」という条件の下で、力の釣り合いから剛域部材の断面力を求めています。
従って、剛域ブロックにも断面力は生じます。 |
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Q5−8. |
剛域をT字部の1部材にのみ設定したところ、エラーとなったが? |
A5−8. |
下図のように、下部の部材に剛域を設定されると、格点2において部材1、2が同時に剛域部材に接することとなり、その為エラーとなります。
回避策としては、剛域ブロックを設定せず、断面諸元を元の部材の10−100倍程度として設計されるか、剛域の設定を見直されることをお奨めします。
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Q5−9. |
複数の部材に剛域を設けたところ、結果がおかしいが? |
A5−9. |
剛域ブロックの設定は、ブロック毎に入力していただく必要があります。
例えば、以下のようなラーメン構造の際に剛域を1、2、6のブロックと、4、5、8のブロックに設定したい場合に、誤って1つの剛域として1 2 4 5 6 8をブロックとして入力されている場合があります。
この場合には、剛域ブロックとしての設定が誤っているため、上手く計算が出来ません。
この例では、以下の様に入力して下さい。
剛域を設定したブロック毎に、部材「スペース」部材として入力して下さい。
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Q5−10. |
着目点では、部材力は得られるが、変位は算出されないのか? |
A5−10. |
Ver.5にて、着目点変位の算出に対応しました。
Ver.4以前で着目点位置の変位を必要とされる場合は、予め格点として追加していただく必要があります。 |
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Q5−11. |
4辺固定版の設計は可能か? |
A5−11. |
FRAME製品は、骨組み化による解析プログラムです。その為、面としての設計をお考えの4点固定の板モデルは直接の解析は出来ません。 |
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Q5−12. |
死荷重は自動で載荷されるか? |
A5−12. |
骨組み計算の際には、構造物に応じたモデル化をされただけでは、骨組みの死荷重(自重)は考慮されません。
別途、荷重として各骨組みの死荷重を考慮いただく必要があります。
本製品では、部材にγ(単位体積重量)を用意することで、骨組みの死荷重を与えることが出来る機能を死荷重ジェネレート機能としてサポートしております。
荷重入力の「荷重ジェネレート」にて必要な部材の死荷重を構成し、追加してご設計下さい。
γはこの荷重ジェネレートの際に自重計算に利用されます。
(注) ただし、ジェネレートされた荷重と、γは常時連動しているわけではありません。
死荷重ジェネレートにより自重ジェネレート後にγを変更されても、既に作成されているジェネレート(荷重)には影響を与えません。
このような場合には、死荷重ジェネレートしたデータを削除し、再度、死荷重ジェネレートの機能を実行していただく必要があります。
死荷重ジェネレートの際に用いている断面データの中の断面積(A)についても同様のことがいえます。
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Q5−13. |
杭基礎をFRAMEで解析する際の留意点。 |
A5−13. |
杭基礎での計算仮定は
・フーチングを剛体とする。
・杭の伸縮を無視する。
となります。
これにあわせて、下記のとおりFRAMEをモデル化しなければなりません。
・フーチングを剛体とする。(フーチング部材を剛域とする)
・杭の伸縮を無視する。(杭断面のAを∞とする) |
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Q5−14. |
変断面についての計算が可能か? |
A5−14. |
FRAMEでは、i端とj端で異なる断面を割り当てることが可能です。
ただし、計算時には、この2断面の平均値を用いて計算を行います。よって、より細かく分割されたほうが精度は高くなります。
しかしながら、あまり細かくされても工学的な意味は余りありませんし、計算時間等が長くなるばかりであることを申し添えておきます。 |
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Q5−15. |
「面内計算エラー InPlan:4016 View-1(2)」の意味は? |
A5−15. |
このエラーは、等分割着目点入力で分割数が0の場合に発生します。
着目点入力画面にて等分割着目点を設けた場合には、分割数が2以上である必要がありますので、そちらの入力内容をご確認ください。 |
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Q5−16. |
樋門柔構造の計算は可能か。 |
A5−16. |
「柔構造樋門設計の手引き」にあります「柔構造の浮き直接基礎の解析」であれば、FRAME(面内)またはFRAMEマネージャで解析可能と考えます。
ただし、FRAMEは汎用2次元解析ソフトであり、柔構造樋門に対する設計ソフトではありません。
「柔構造樋門設計の手引き」等の参考図書を基にFRAMEでモデル化され、不明点等ありましたら、その都度具体的に問い合わせしていただきますようお願いいたします。 |
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Q5−17. |
抽出機能で、Mmax、Mminの抽出を行う方法は。 |
A5−17. |
抽出ケースは「Mmax」「Mmin」「Smax」「Smin」「Nmax」「Nmin」の全てを算出しております。
結果画面において、ぞれぞれの結果を確認する場合は、画面上部左側に「モーメント最大」などの文字が書かれたコンボボックス(カーソルを近づけると「抽出の種類を選択します」というヒントが出るコンボボックスです)がありますので、ここで参照したい結果を選択してください。
(このコンボボックスは抽出ケース以外を選択しているとグレー表示になっています。) |