1 杭基礎 |
1−1.適用範囲・準拠基準等 |
Q1−1−1.
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既設検討・補強設計に対応しているか。
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A1−1−1.
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現在は対応しておりません。
H29道示を適用した既設検討・補強設計に関する参考資料や基準類の発刊後に対応を検討する予定です。
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Q1−1−2.
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杭1本ごとに断面変化を別々に設定可能ですか?
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A1−1−2.
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杭を配置する全杭で、断面変化数は共通の設定です。 新設既設杭の場合は断面数を2とした場合、杭全ての断面数が2となります。
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Q1−1−3.
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杭体の断面力結果(例えばモーメントM)が通常とは異なる描画になっているのは何故か?
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A1−1−3.
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2.5次元解析のときの曲げモーメント図は、M = (My^2+Mx^2)^(1/2)(”^”はべき乗を示しています)により、図化しています。 Y,X両方向に曲げモーメントが生じるケースを考えると、合成された曲げモーメントの方向は深度とともに変化し一定しないため、2.5次元解析時には、上記のように出力しております。 そのため、モーメントは常に正値となり、途中で折れ点が生じることがあります。せん断力、水平変位についても同様です。
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Q1−1−4.
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旧基準にあった杭頭条件:ヒンジの選択がなくなったのはどうしてか?
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A1−1−4.
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H29年道示 P.228,229の記述により、剛結のみの計算に変更されています。 「従来の設計方法では、杭頭接合部が剛結の場合とヒンジ結合の場合の両方の照査を行っていたが、今回の改訂では、構造条件をより適切にモデル化するという観点から、杭頭接合部を剛結とみなせるように設計することを踏まえ、杭の部材照査についても剛接合の場合のみを行うこととされた」
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Q1−1−5.
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14年道示基準の「基礎の設計」データを読込む事は可能ですか?
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A1−1−5.
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H29道示対応版でH14道示対応版のデータファイル(*.F8F)を直接開くことはできません。 お手数をおかけしますが、一度H24道示対応版で開いてから(*.F1F/ H24道示対応版のデータファイル(*.F8F))に保存しなおし、これをH29道示対応版で開いていただくようお願いいたします。 ※各製品の「ファイルを開く」ダイアログで、開きたいファイルの種類を選択してください。
下記製品はH24道示対応版となります。 ※基礎の設計(旧基準)Ver.2の拡張子は*.F1Fです。 ※基礎の設計計算 Ver.10/Ver.11の拡張子は*.F8Fです。
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Q1−1−6.
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R2年杭基礎設計便覧対応の基礎はVer.5からになりますが、その杭基礎と連動下部工製品及びバージョンはどのようになっていますか?
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A1−1−6.
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基礎の設計・3D配筋(部分係数法・H29道示対応)Ver.5と下記製品が連動します。 ・橋脚の設計・3D配筋(部分係数法・H29道示対応) Ver.4.2.1〜 ・橋台の設計・3D配筋(部分係数法・H29道示対応) Ver.4.1.3〜 ・「箱式橋台の設計計算(部分係数法・H29道示対応) Ver.3.0.0〜 ・ラーメン式橋台の設計計算(部分係数法・H29道示対応) Ver.3.0.0〜
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Q1−1−7.
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「2.5次元」とはどういう意味か。
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A1−1−7.
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仮に橋軸方向をY軸方向、橋軸直角方向をX軸方向、鉛直方向をZ軸方向とします。3次元の場合は一般に各軸方向の変位と力および各軸回りの回転変位と回転力が定義されます。したがって、変位と力はそれぞれ6つ定義されることになります。 本プログラムではZ軸回りの回転変位と回転力(フーチングを上から見てねじ込むような変位と力です)を考えていません。 したがって、考えている変位と力はそれぞれ5つになります。 自由度が5つであるので便宜上「2.5次元」称しています。 「2.5次元の解析」により、橋軸直角方向に常時偏心している杭基礎の橋軸方向の地震時の解析が一回の計算で可能となります。
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1−2.入力全般 |
Q1−2−1. |
「地層」−「土質一覧」−「土質データB」画面の支持層で設定する先端地盤N値はどういう値を入力するのか。 |
A1−2−1. |
H29道示W編 P.244に
「杭先端の極限支持力度qdの特性値を表−10.5.2から定める際、評価に用いるN値は、杭体先端から杭径の3倍下方までの範囲の平均値としてよい」
とあります。この平均値のN値を入力して頂くことを想定します。
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Q1−2−2. |
橋台と基礎を連動して使用している。基礎側の計算書において、橋軸方向と橋軸直角方向の名称が反対になっている。対処方法はあるか。 |
A1−2−2. |
「基準値」画面の荷重ケースの項目において、方向名称の指定があります。
橋台と連動した際のX方向を「橋軸方向」、Y方向を「橋軸直角方向」へ変更して再度ご検討ください。
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Q1−2−3. |
「杭体データ」画面の場所打ち杭におけるコンクリートの降伏応力度σcyの算出根拠は? |
A1−2−3. |
コンクリートの応力度−ひずみ曲線(H29道示V5.8.1等)を参照して、コンクリート杭の降伏応力度を0.85×σckとしています。
この値は負の周面摩擦力の計算時に参照されますが、任意に変更可能ですので設計者の判断で自由な値とすることが可能です。
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Q1−2−4. |
H29道示W P.273 (b)の地盤の変形係数の推定方法について多層地盤時のN値の判断基準はどうすればよいか。 |
A1−2−4. |
N値の範囲の判断基準は、H29道示W P.274 杭頭部では杭径の5倍程度の範囲が目安にしてよいとあります。
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Q1−2−5. |
橋脚の設計の「基準値」→「計算用設定」→「荷重」の水の単位重量をγw=9.8に設定しているが、UC-1連動基礎連動の場合、基礎の設計ではγw=10.0となっているのはなぜか。 |
A1−2−5. |
お問い合わせの状況より、何らかの原因で、橋脚側と基礎側で水の単位重量の整合が取れていない状態となっています。
大変お手数ですが、下記の手順によりデータの更新を行うことでご対応くださいますようお願いいたします。
1.「橋脚の設計」側の「基準値|計算用設定」画面を開き、「荷重|単位重量|水γw」を「10.0」に変更し「確定」します。
2.再度上記の項目を開き、「水γw」を「9.8」に戻し「確定」します。
※この間、「基礎の設計」側の「地層」画面は閉じた状態としてください。
3.「基礎の設計」側の「地層」画面にて、単位重量が「9.8」に更新されていることをご確認ください。
なお、「基礎の設計」側の「地層」画面を開いた状態でデータ連動後、「地層」画面を確定する等の操作を行った場合、更新前の基礎側の設定が上書きされることがあります。
このようなケースで、再度同様の現象が発生した場合、お手数ですが、上記「1〜3」の手順にてデータの更新を行ってくださいますようお願いいたします。
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Q1−2−6. |
押込み力の周面摩擦は杭先端から任意の範囲を控除できますが、引抜き力は杭先端まで周面摩擦力を考慮しています。引抜き力照査で周面摩擦力を控除できないようにしている理由は? |
A1−2−6. |
H29道示W P.249の「押込み力のみに対して周面摩擦力を考慮する範囲となる」の記述から押込み力に対して、「計算条件−押込力・引抜力」画面の押込支持力の周面摩擦力の控除範囲で指定して頂くようにしています。
押込力及び引抜力を含めて支持層の最大周面摩擦力度fを考慮しない場合は、「土質データA」の周面摩擦力で『入力』とし、該当する層のf=0にする方法で対処する事ができます。
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Q1−2−7. |
鉄筋かご無溶接工法の吊り荷重(鉄筋かご総重量W)の自動計算に対応していますか?またどのような重量を設定するのですか? |
A1−2−7. |
自動計算には対応していません。 例えば、鉄筋かごを吊り下げながら設置すると考えたとき、吊り下げ時の全荷重(杭鉄筋、補強リング等、想定される鉄筋かごの総重量)を入力致します。
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Q1−2−8. |
鋼管ソイルセメント杭の場合の設計杭長(杭の先端)は? |
A1−2−8. |
鋼管ソイルセメント杭のとき、「杭配置」−「杭データ」画面の設計杭長(杭先端)は、鋼管の先端位置を入力して頂くことを想定しております。
鋼管長(フーチング下面から杭先端までの鋼管部の長さ)を入力してください。
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Q1−2−9. |
載荷試験により求める場合以外を選択する場合、どのような基準で選択すればいいでしょうか。(どの層のN値等) |
A1−2−9. |
変形係数の推定方法に関する試験の範囲は、H29道示W P.274において、杭頭部では杭径の5倍程度の範囲が目安になる、との記載があります。
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Q1−2−10. |
回転杭の閉端/開口タイプの入力はどうすればよいか? |
A1−2−10. |
以下のように設定をお願いします。 ・閉端タイプは、「杭配置」−「杭データ」画面の羽根内径Dwi=0 ・開口タイプは、「杭配置」−「杭データ」画面の羽根内径Dwi≠0
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Q1−2−11. |
「地層」−「地層線」−「設計地盤面」の水位の入力があるが、設計上、この水位を考慮しないようにするにはどうすればよいか? |
A1−2−11. |
「設計地盤面」画面の水位(EQ無し)及び水位(EQ有り)の設定を最小値-999.00、杭が配置されても問題ない標高に設定して頂く事で、水位は考慮されません。
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Q1−2−12. |
PHC杭のスパイラル鉄筋(JIS強化杭)を配置する方法は? |
A1−2−12. |
以下の設定箇所をご確認ください。
(1)永続変動時
・「計算条件」−「設計条件」画面でスパイラル鉄筋を考慮する
・「杭配置」画面で断面変化を設定する
・「杭体」画面でスパイラル鉄筋を考慮する範囲(1〜)を設定する
(2)偶発作用時
・「偶発作用」−「基本条件」−「計算条件@」画面でスパイラル鉄筋を考慮する、せん断照査方法=杭体のせん断力≦杭体のせん断耐力を選択します。
・「偶発作用」−「杭本体」−「杭種別データ」画面でスパイラル鉄筋を考慮する範囲(1〜)を設定する
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Q1−2−13. |
杭配置画面の確定時に「杭縁端距離に誤りがある」のメッセージが出るのはどうしてですか? |
A1−2−13. |
H29道示W10.8.7 P.288〜P.289の「縁端距離は、・・・標準的には杭径の1.0倍とすればよい。」を参照し、入力された杭縁端距離が杭径の1.0倍より小さくなるとき警告の意味で表示しておりますが、杭縁端距離は杭基礎の安定計算には影響しないことから、[強行]でそのまま計算できるようにしています。 ただし、この結果の適用の是非につきましては、道示の記述をご参照いただいた上で、最終的には設計者の方のご判断により決定してくださいますようお願いいたします。
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Q1−2−14. |
斜杭を設定するにはどうすればよいか? |
A1−2−14. |
斜杭は次のように設定してください。
- 「杭配置」画面「基本条件」タブで「斜杭=あり」を選択する
- 「杭配置」画面の「斜角」タブで杭ごとに斜角を指定する。
「斜角」タブの設定方法
■地層傾斜、杭径変化なしのとき(X方向、Y方向に斜角がある場合)
- X方向の杭列ごとの斜角、Y方向の杭列ごとの斜角を設定する。(角度の向きは下図のとおりです)
- 斜角を設定する方向としてX方向を選択する
- X方向、Y方向の角度を杭列ごとに指定する
- 画面左側の平面図で、斜角を設定する杭を選択する。
(杭の選択方法は、画面上の説明のように平面図のクリック、ドラッグで可能です)
- [適用]ボタンを押す(X方向の斜角が反映されます)
- 斜角を設定する方向としてY方向を選択する
- [適用]ボタンを押す(Y方向の斜角が反映されます)
■地層傾斜または杭径変化ありのとき
- 『入力』を選択する。
- 画面左側の平面図で斜角を設定する杭を選択。
(杭の選択方法は、画面上の説明のように平面図のクリック、ドラッグで可能です)
- X方向、Y方向の斜角を入力し、[適用]ボタンを押す。(角度の向きは下図のとおりです)
- 『入力状況』を選択すると、斜角が設定されている杭が平面図上に表示されます。
- 『入力状況』を選択すると、平面図上で選択した杭の設定値を確認できます。
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Q1−2−15. |
地層傾斜を考慮する場合、地層はどの範囲で入力すればよいか? |
A1−2−15. |
計算上、最左端部の杭中心〜最右端部の杭中心までの範囲になる様に入力して頂く必要があります。
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Q1−2−16. |
橋台杭基礎の連動で底版に斜角がある場合、斜角底版が「基礎の設計」側に反映されていないのはなぜか? |
A1−2−16. |
底版に斜角がある場合でも、「基礎の設計・3D配筋(部分係数法・H29道示対応)」では矩形の底版形状しか設定できません。
橋台杭基礎連動時には、橋台側の「基礎−基礎の扱い」画面の設定により基礎側の底版幅が決定されます。
・タイプ1:斜角の考慮無、断面寸法換算
・タイプ2:斜角の考慮有、断面最大寸法
・タイプ3:斜角の考慮有、断面中心位置
底版傾斜に沿って杭配置を行う場合は、基礎側の「杭配置」画面において、「杭配置の指定方法=任意配置」として杭ごとに座標値を指定してください。
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Q1−2−17. |
下部工杭基礎連動の場合で杭基礎の安定計算の計算方法=2次元解析/2.5次元解析を変更するにはどうすればよいか? |
A1−2−17. |
連動中、基礎側では本スイッチは変更できません。下記基礎形式から選択・変更する事ができます。 ■橋台杭基礎連動の場合は、橋台側の初期入力画面の基礎形式「杭基礎/杭基礎(2.5次元解析)」 ■橋脚杭基礎連動の場合は、橋脚側の初期入力画面の基礎形式「杭基礎(連動)/杭基礎(2.5次元解析連動)」
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Q1−2−18. |
杭配置の設計杭長(第1断面=7.9m、第2断面=2m、第3断面=24.5m)と入力し、計算実行後に設計杭長が変更されているのはなぜか?
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A1−2−18. |
「杭体」画面の「断面変化位置を自動計算する」をチェックしている場合、部材計算が実行されると、断面2・断面3の設計杭長が自動的に変更されるケースに該当しています。 指定した断面変化長で常に計算・保存したい場合は、この断面変化位置を自動計算するのチェックを外してご検討ください。
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Q1−2−19. |
橋台の設計と連動させる時に杭基礎の設計側で地層傾斜を選択した場合、橋台側で2.5次元を選択しなければいけないのでしょうか。 2次元でも計算は可能でしょうか。
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A1−2−19. |
地層傾斜を考慮したレベル2地震時照査を行う場合は橋台側で2.5次元を選択する必要がございます。 2次元では計算することはできません。レベル2地震時照査を行わない場合は、2次元でも計算は可能です。 地層傾斜においては、「地層」画面ヘルプに地層傾斜を考慮する場合の制限を記載しています。
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Q1−2−20. |
プレボーリング杭工法の以下記述を考慮した場合の設定についてどのように設定すればよいでしょうか? @H29道示W P.229(3) AR2杭基礎設計便覧 P.195 BR2杭基礎設計便覧 P.209
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A1−2−20. |
以下の設定を確認してください。 @A:「計算条件−設計条件−押込力・引抜力−支持力の周面摩擦力の控除範囲」=考慮するに変更します。 B:プログラムの永続変動作用時における杭の水平変位照査位置は、「地層−地層線−設計地盤面」画面の設計地盤面(EQ無し/EQ有り)で設定された位置としているため、1/βを考慮した値にこの設定を変更します。
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1−3.安定計算(永続変動作用) |
Q1−3−1. |
安定計算における変位制限照査時の引抜力の制限値を0で照査している理由は? |
A1−3−1. |
H29道示W編 10.4に
(1)杭の配列は,基礎上の橋脚又は橋台の形状及び寸法,杭の寸法及び本数,群杭の影響,施工条件並びに斜杭の適用等を考慮し、永続作用に対して過度に特定の杭に荷重が集中せず,できる限り均等に荷重を受けるように定めなければならない
(2)杭は,(1)を満足するため,永続作用支配状況において引抜きが生じないように配列することを標準とする
本プログラムは、上記の(1)(2)を参照し、永続作用支配状況における変位の制限照査の制限値(自動計算の場合の引抜き)は、0.0で照査します。
上記に該当しない場合は、押込み/引抜きの制限値を変更する方法もありますので、下記で対処可能です。
・計算条件−入力条件−押込力・引抜力を直接入力に変更する
・予備計算・結果確認−押込力/引抜力の該当箇所を変更する。(引抜力制限値 変位制限を直接変更)
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Q1−3−2. |
杭基礎の安定計算で、常時も地震時も制限値は同じとなるのか。
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A1−3−2. |
常時と地震時「低減係数考慮しない(液状化無視)」は同じ制限値になりますが、地震時「低減係数考慮する(液状化考慮)」は異なる制限値になります。
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Q1−3−3. |
杭基礎の安定計算を計算すると、コレスキーの計算失敗のエラーになるのは? |
A1−3−3. |
「計算条件」−「基本条件」画面で、永続/変動作用の安定計算計算方法のスイッチ状態が確定されていない可能性があります。
「2次元解析」を選択し、確定後、再度計算を実行してみて下さい。
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Q1−3−4. |
極限支持力度の入力方法は? |
A1−3−4. |
杭先端極限支持力度は、「計算条件」−「設計条件」−「押込力・引抜力」画面の「極限支持力度の算出方法」により算出方法が異なります。
「計算」を選択した場合
「地層」−「土質一覧」−「土質データB」画面の支持層(設定は1)の先端地盤N値から杭先端極限支持力度を算出します。
※支持層となる土質データ@の土質種類を参照し、H29道示P.239 表−10.5.2 を用いて算出しています。
「入力(地層データ)」を選択した場合
「地層」−「土質一覧」−「土質データB」画面の支持層の『qd』の値をそのまま、杭先端極限支持力度とします。
※土質データ@の土質の種類によらず、qdに設定された値を用います。
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Q1−3−5. |
支持層の変形係数αEo(EQ無し)を変更すると、変位量が大きくなるのはなぜか。 |
A1−3−5. |
支持層の変形係数αEo(EQ無し)の変更は、杭先端の杭の軸方向ばね定数Kvに影響を与えますので、計算結果の変位量は変わります。
また、永続変動作用の安定計算では、H29道示W P.260の式(10.6.2)に準拠し、杭の水平変位が杭径の1%を超え,かつ15mm よりも大きくなる場合には,杭前面の水平方向地盤反力係数は水平変位に応じた補正を行いますので、
このケースに該当する場合、設計地盤面における水平変位に応じて収束計算を行いますので、この影響もございます。
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Q1−3−6. |
予備計算の杭の軸方向バネ定数Kvでγuとγyで零になるのはなぜか。 |
A1−3−6. |
杭先端極限支持力度は、「計算条件」−「設計条件」−「押込力・引抜力」画面の「極限支持力度の算出方法」により算出方法が異なります。
「計算」を選択した場合
「地層」−「土質一覧」−「土質データB」画面の支持層(設定は1)の先端地盤N値から杭先端極限支持力度を算出します。
※支持層となる土質データ@の土質種類を参照し、H29道示P.239 表−10.5.2 を用いて算出しています。
「入力(地層データ)」を選択した場合
「地層」−「土質一覧」−「土質データB」画面の支持層の『qd』の値をそのまま、杭先端極限支持力度とします。
※土質データ@の土質の種類によらず、qdに設定された値を用います。
上記設定をご確認ください。
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Q1−3−7. |
H29基礎ソフトの杭基礎計算はラーメンモデルでモデル化し計算しているのでしょうか? |
A1−3−7. |
永続変動作用の安定計算は、変位法で算出しています。
H29道示W(P.257)では、ラーメン構造としてモデル化する旨の記述がありますが、従来より本製品で用いている変位法は、弾性床上はりの微分方程式を用いてすべて有限長の杭として解析しており、常に杭先端条件,多層地盤および断面変化を考慮したモデル化を行い、杭頭に単位荷重を与えたときの杭頭変位を求め、この関係からK1〜K4を算出しており、杭体断面力・変位分布も同様に弾性床上はりモデルにより算出しています。
この計算方法により、フーチングを剛体と仮定して計算した場合、ラーメン構造(FRAMEモデルによる骨組解析)による計算と同じ結果が得られますので、H29対応製品においても変位法による解析を行っています。 また、変位法の記述はH29道示W 参考資料6(P.548〜)に記載されております。
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Q1−3−8. |
杭頭条件は「剛結」なのに、断面力分布が「ヒンジ」の断面力分布のような結果になるのはなぜか? |
A1−3−8. |
「杭配置」−「杭配置」−「移動」画面 の杭中心位置及びフーチング下面中心の作用力(水平力/モーメント)の大きさが影響しています。 杭配置や作用力の大きさによっては、杭頭条件が剛結の場合でも杭頭モーメントが小さくなり、ヒンジのような断面力分布結果になる場合もあります。
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Q1−3−9. |
PHC杭でプレボーリング工法の場合にR2杭基礎設計便覧を考慮する/しない場合で、押込力・引抜力の制限値に違いが生じるのはなぜか |
A1−3−9. |
PHC杭でプレボーリング工法の場合、R2杭基礎設計便覧を考慮すると、 「計算条件」−「設計条件」−「押込力・引抜力」画面の「支持力の周面摩擦力の控除範囲」が有効となり、限値の計算において、杭頭から1/βの範囲の周面摩擦力が控除されます。 この影響で押込力・引抜力の制限値に違いが生じる場合があります。
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Q1−3−10. |
フーチング直下の地層部分を突出杭として、変動時の慣性力を載荷させるにはどうすればよいか? |
A1−3−10. |
本プログラムでは、設計地盤面が基礎天端(フーチング底面)よりも下方に定義された場合、突出杭と判断しております。
具体的には、「地層」−「地層線」−「設計地盤面」画面の『設計地盤面(EQ無し)』,『設計地盤面(EQ有り)』(@)の入力が、「杭配置」−「基礎天端」画面の『基礎天端標高』(A)より下方となる場合に突出杭と判断されます。
突出杭となっているかは、「予備計算・結果確認」−「層厚」画面で、突出長=数値>0で確認することができます。
「作用力」−「杭突出部水平荷重」画面において、突出部のすべての範囲に慣性力を考慮する場合、載荷位置を0.0(m)にする必要があります。
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Q1−3−11. |
周面摩擦力度fは杭の軸方向ばね定数Kvに影響しますか? |
A1−3−11. |
影響します。 杭の軸方向ばね定数Kvの算定は、H29道示W編 P.260〜263に記載のとおりです。 H29道示W編 P.262 Ruは「10.5.2(4)に従って算出される地盤から決まる杭の極限支持力の特性値」となっています。 10.5.2(4)はH29道示W編 P.238において式が記載されています。Ru=qd・A+UΣLi・fi この式の通り、周面摩擦力fiが考慮されます。
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1−4.杭体照査(永続変動作用) |
Q1−4−1. |
H29道示版では杭の抵抗モーメントを出力する機能がない。H29道示(部分係数法)では概念的にないということか。
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A1−4−1. |
H24年対応版のソフトでは、抵抗モーメント,及び抵抗モーメントと発生モーメントとの交点深度の出力は、断面変化位置検討の際の補助となることを目的として出力しております。
・「杭基礎設計便覧(H.4)社団法人日本道路協会」(P.351〜)
・「杭基礎設計便覧(H.18)社団法人日本道路協会」(P.175〜)
・「杭基礎設計便覧(H.27)社団法人日本道路協会」(P.234〜)
H29年道示W P.564〜 参考資料9.杭の変化位置の設定例に、杭の変化位置を定める方法の例が明記されております。
この例によれば、抵抗モーメントを求める必要性はありませんので、「抵抗モーメントを出力する機能」は今後も対応予定はありません。
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Q1−4−2. |
杭体照査(H29道示W P.273)にある調査・解析係数を決定するためのスイッチはどこにあるか。 |
A1−4−2. |
杭配置−腐食代/変位量の画面にスイッチを用意しています。
地盤の変形係数の推定方法は「杭配置」−「腐食代/変位量」画面で選択します。
この選択は、「dd計算ボタン」を押下したとき、橋脚基礎の場合は水平変位の制限値ddを計算する場合に使用します。
また、杭の部材照査におけるH29道示W P.273 (b)調査・解析係数に記載の正曲げξ1を決定する場合にも使用します。
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Q1−4−3. |
PC杭(SC+PHC杭)の部材照査を行うと計算が止まったような動作になるのはなぜか。 |
A1−4−3. |
「基礎の設計」側の改訂 Ver.2.1.0において
「杭基礎:PHC杭のせん断照査においてせん断スパン比の影響(参考資料8)を考慮するようにしました。」
PHC杭(SC+PHC杭)のケースは、せん断スパンを正確に考慮するため、内部的に細かな深度の計算が必要になり、計算量が増えております。
※杭長が長い/荷重ケースが多い場合は特に計算量が増えます。
PCスペックにも多少依存はしますが、2〜5分位で計算が終了する可能性がありますのでしばらくお待ちください。
約5分程待っても計算が終了しない場合は、データ(破損防止のため圧縮)を添えて、サポート窓口へお問い合わせください。
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Q1−4−4. |
結果総括/杭体(永続/変動作用)を実行すると、「降伏曲げモーメントの特性値Mycの計算に失敗しました」とエラーが出る。(場所打ち杭の場合) |
A1−4−4. |
場所打ち杭の場合は、杭体の部材照査において、軸力及び曲げモーメントに対する限界状態1および限界状態3の照査を行っています。
この照査の制限値は、下記から算出致します。
部材降伏に対する曲げモーメントの制限値
Myd = ξ1・Φy・Myc
ξ1 : 調査・解析係数
Φy : 抵抗係数
Myc : 降伏曲げモーメントの特性値
計算時のメッセージにあるように、Myc : 降伏曲げモーメントの特性値の計算でエラーが発生しています。
「杭体」−「使用鉄筋」−「断面x」の鉄筋量を増加を検討してください。
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Q1−4−5. |
詳細結果の杭体断面力で表示される1.21mFとは何を意味するのか。 |
A1−4−5. |
1.2lmFは、地中部の最大曲げモーメントの深さlmFに1.2を乗じた位置となり、杭の断面変化位置の決定時に参照されます。
H29道示W 参考資料9(p.564)を参照ください。
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1−5.杭頭結合部(永続変動作用) |
Q1−5−1. |
杭頭接合部の計算を従来のA工法(フーチングに一定長さだけ埋め込む方法)での計算は可能か。
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A1−5−1. |
H29道示W P.284〜に記載のとおり、接合方法は方法Bのみの記述になりましたので、方法Aには対応しておりません。
杭頭接合部(道示H29)では、以下の照査は行っております。
・仮想コンクリート断面照査
・杭頭補強鉄筋の定着長
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Q1−5−2. |
旧24年道示版は、フーチングの支圧応力度,水平支圧応力度,押し抜きせん断応力度,水平せん断応力度が計算できるが、H29道示では必要ないのか。 |
A1−5−2. |
杭頭接合部(道示H29)では、以下の照査は行っております。
・仮想コンクリート断面照査
・杭頭補強鉄筋の定着長
支圧応力度、押し抜きせん断応力度,水平せん断応力度に関する記載が、H29道示にはありませんので、Ver.1.0.0〜Ver.4.1.1では対応しておりませんでした。
杭基礎設計便覧(令和2年9月)に押抜き抜きせん断照査(鉛直、水平)が明記され、Ver.5以降でこの照査には対応しましたので、最新バージョンをご利用ください。
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Q1−5−3. |
PHC杭の杭頭カットオフ区間の照査において、耐荷性能照査の前提を満足させるにはどのような対策をとればよいか? |
A1−5−3. |
耐荷性能の照査の前提では、R2杭基礎設計便覧(p.275)の記載のとおり、H29道示W式(5.2.1)(p.79)よりコンクリートの平均せん断応力度τmを求めますが、τmの算出にはスパイラル鉄筋は影響しません。 せん断応力度を小さくするには、1本当たりのせん断力を小さくするか、b?dを大きくする必要がありますので、杭本数または杭径を大きくする必要があります。
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Q1−5−4. |
杭頭接合部 PHC杭のカットオフ照査:τa(制限値)はどこを参照したものか? |
A1−5−4. |
令和2年杭基礎設計便覧 P.275 「PHC杭のコンクリート設計基準強度は80N/mm2であり、大きなせん断応力度が期待されると考えらるものの、 十分な検証が実施されていないことから、せん断応力度の制限値は、道示W表−5.2.4に規定されるコンクリート設計基準強度の上限値となる30N/mm2の値とする。」 以上により、永続作用支配状況:1.9、変動作用支配状況:2.9となります。
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1−6.フーチング照査(永続変動作用) |
1−7.安定計算(偶発作用) |
Q1−7−1. |
レベル2地震時の作用力(動的解析の断面力)を直接指定した場合、基礎に主たる塑性化を考慮した設計(応答塑性率の照査)は行えないのか。
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A1−7−1. |
作用力を直接指定してレベル2地震時照査を行う場合、基礎の耐力照査(設定された作用力を載荷したときに基礎が降伏に達しているか否か)のみ行っており、応答塑性率の照査を行うことはできません。
通常の橋脚基礎であれば、H29道示X10.2(P.234〜)のように、橋脚躯体および上部構造には設計水平震度khpを、フーチングには設計水平震度khgを作用させて計算を行い、
基礎が降伏に達し応答塑性率の照査を行う条件下であれば、H29道示X10.4(P.239〜)に準じ、応答塑性率を算出します。
しかしながら、作用力を直接指定する場合、柱基部または底版下面中心の作用力を直接与えて照査するため、作用力に対する水平震度は定義されません。
基礎の応答塑性率の算定には、基礎が降伏に達したときの水平震度khyFおよびkhF(=CD・C2z・kho)が必要となりますが、
作用力を直接指定する場合、基礎が降伏に達した状態を求めることができたとしても、この状態に相当する設計水平震度khyFを導き出すことができないため、応答塑性率を算出することはできません。
このように、現行では、作用力を直接指定する場合の応答塑性率の算出方法が明確でないことから、応答塑性率の照査は行わず、基礎の耐力照査のみを行っております。ご了承ください。
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Q1−7−2. |
周面摩擦力を変更したら、安定計算(偶発作用時)の結果に差が生じたのはなぜか。 |
A1−7−2. |
偶発作用時は荷重増分法により計算しています。
荷重増分法では、前ステップまでの状態における杭前面地盤の弾塑性状態、杭体の曲げ剛性等を用いて作成した計算モデル(杭基礎の剛性行列)に、
前ステップからの荷重増分を載荷して得られた変位、反力、断面力等の状態量を、前ステップまでの累計値に加算していきます。
つまり、ステップごとに上記の計算を行って、原点変位の増分,各杭の杭頭反力の増分,各杭の状態量分布の増分を算出し、累計しています。
具体的には、ステップごとに前ステップまでの累計値を用いて次のように計算しています。
(1)各杭の杭軸方向ばね定数Kvを設定
押込み・引抜きの上限値に達した杭はKv=0.0とします。
(2)各杭の地盤反力係数kHE分布を設定
水平地盤反力度の上限値に達した部材はkHE=0.0とします。
(3)(2)と杭体曲げ剛性を用いて各杭の杭軸直角方向ばね定数K1〜K4を算出
杭頭モーメントが全塑性モーメントに達した杭は杭頭ヒンジとします。
(4)道示W(参6.1),(参6.2)に記述されている三元連立方程式を作成
(5)(4)の三元連立方程式を解いて原点変位を算出
(6)(参6.4)より、各杭の杭頭変位を算出
(7)(5),(6)を用いて(参6.3)より、各杭の杭頭反力を算出
(8)(7),(2)と杭体の曲げ剛性を用いて各杭の状態量(断面力,変位)分布を算出
ケースによっては、押込み・引抜きの上限値の上限値に達すると、上記計算フロー(1)に影響を与えます。
周面摩擦力の変更により、この上限値に達するのが、要因と考えられます。
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Q1−7−3. |
偶発作用の計算書に、「耐震設計上の地盤より上方の杭に作用させる荷重P(1本あたり)」という出力がされる場合とされない場合がある。出力される場合はどういったケースで、どういった計算か。 |
A1−7−3. |
耐震設計上の地盤面が下がり、突出杭の扱いになった場合、自動的にその部分に杭体慣性力が考慮されます。
杭体慣性力が自動載荷されているか載荷されていないを判断する基準は、
計算書作成の「偶発作用」−「XXX/考慮・地震動タイプT/U・浮力無視/考慮」の出力において、『耐震設計上の地盤より上方の杭に作用させる荷重P(1本あたり)』(杭体慣性力(kN/m)))
上記に出力されていれば、該当ケースは考慮されていると考える事ができます。
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Q1−7−4. |
基礎応答塑性率の制限値(橋台=3、橋脚=4)は、道示のどの項に記載されていますか? |
A1−7−4. |
平成29年道路橋示方書W P.292 10.9.3基礎の塑性率及び変位の制限値に記載があります。
【参考】平成24年道路橋示方書X
P.248 12.5 橋脚基礎の塑性率及び許容変位
P.258 13.4 橋台基礎の塑性率
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Q1−7−5. |
「レベル2地震時結果の総括表」画面において、判定OK時の許容比率(計算値/制限値)を表示する」を選択した時、「杭体」が最大比率を表示していないのはどうしてですか? |
A1−7−5. |
「総括表」画面における「判定OK時の許容比率(計算値/制限値)を表示する」を選択したとき、制限値以下となる部材にのみ着目して、最大許容比率ではなく最小許容比率を表示するようにしています。 杭体の降伏による降伏の目安は、全ての杭体が降伏する場合ですので、100本の杭があり99本が降伏していても残り1本が降伏していなければ、基礎は降伏しているとはみなされません。 言い換えますと、残り1本の発生曲げモーメントが降伏曲げモーメント未満(100%未満)であればよいということになります。 既に降伏に達した残りの杭はいくら(発生曲げモーメント)/(降伏曲げモーメント)の比率が大きくても関係ありません。 従いまして抽出する杭としましては、(発生曲げモーメント)/(降伏曲げモーメント)の比率が最も小さい杭となります。 これは、本抽出の目的が「基礎が降伏しているか否か」を判定するためであるからです。
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Q1−7−6. |
場所打ち杭の断面変化位置を決定する際、1/2Mmax点と1.2lmFの深い方とありますが1.2lmFは何の基準に準拠しているのでしょうか。 |
A1−7−6. |
H29道示WのP564に記載の通り、場所打ち杭の断面変化位置は @1/2Mmax位置 A1.2lmF位置 B1/2Asで断面照査を満足する位置 のうち最も深い位置とされています。 なお、巻末資料9.「杭の断面変化位置の設定例」も参考にしています。
本製品で断面変化位置を自動決定する場合は、上記のように全ケースの最下位置のケースとするか、第1断面の曲げモーメントと制限値の比が最大のケースで決定するかを選択できるようにしています。「杭体」−「共通データ」の『断面変化位置の決定方法』にて選択いただけます。 どちらを選択されるかは最終的には設計者のご判断で決定してください。
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Q1−7−7. |
橋台基礎連動時、基礎側の「計算条件」−「基本条件」−偶発作用の選択が出来ません。どうしてですか? |
A1−7−7. |
橋台基礎連動時は、橋台側の「初期入力」−「レベル2地震時」 基礎?底版照査のスイッチを有効して頂く仕様になっています。 このスイッチを有効にした後、基礎側の「計算条件」画面をご確認ください。 なお、基礎単独でご利用する場合は、「計算条件」画面で指定可能です。 基礎単独時の偶発作用は、以下の条件の場合、偶発作用は「計算しない」になります。 (1)2次元解析&地層傾斜=あり(「地層」画面) (2)2次元解析&『杭径・杭長変化=あり』(「杭配置」画面)
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Q1−7−8. |
「作用力を指定して偶発作用を行う」で、柱基部断面力(両方向)を選択し、基本条件(杭基礎)タブで、入力を済ませて確定を押すと、以下のメッセージが表示されます。どのように修正を行えばよいのか?
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A1−7−8. |
青枠のVが初期作用力と全作用力タイプTが異なった値を設定した事で、赤枠の底面下面の初期作用力(24977.320kN)と全作用力タイプT(25043.320kN)となっています。 対策(変更)点は、青枠のVが初期作用力と全作用力タイプTを一致させる必要があります。
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Q1−7−9. |
「偶発作用」−「基本条件」−「基本条件(杭基礎)」画面のフーチング重量WFはどのように算出していますか?
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A1−7−9. |
フーチングの重量WFには、部分係数を考慮した値をセットして頂く仕様になっております。 例えば、製品サンプル(Pile_1.PFJ)の場合、8.5×8.5×2.2×24.5×1.05=4088.9(kN)
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Q1−7−10. |
「計算条件@|杭体から決まる引抜き支持力の上限値」の選択の出典元は?
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A1−7−10. |
杭体の鋼材と杭頭補強鉄筋の小さい方より算出する選択は「道路橋の耐震設計に関する資料(平成9年3月)」P.4-31を参考にしています。
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Q1−7−11. |
偶発作用の計算条件AにkhpとkhNの選択肢が追加された理由は?
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A1−7−11. |
khpはCdF=1.1を考慮した震度(H29道示X編 p.238)であり、khyF≦khp であっても橋脚基部が塑性化している可能性があるため、本スイッチの選択肢をVer.5.0.0で追加し、拡張しました。
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Q1−7−12. |
「地層」−「低減係数」画面の地震動タイプ2(タイプT/U)低減係数DEで、入力(液状化判定による計算値)以外の値が安定計算に反映されているのはなぜか?
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A1−7−12. |
「地層」−「低減係数」画面の設定「耐震設計上の地盤面」は、偶発作用時に影響する設定です。
【Aが指定された場合】
地盤反力が期待できる土層の層厚に関わらず、地盤反力が期待できる土層の最上面を耐震設計上の地盤面とします。
【Bが指定された場合】
土質定数を零としない(地盤反力が期待できる土層)層厚3.0m未満の中間層がある場合、道示X3.5により、耐震設計上の地盤面を層厚3.0m以上の土質定数を零としない(DE(レベル2)0.0)層の上面に設定します。
【Cが指定された場合】
Bと同じ耐震設計上の地盤面を設定し、それより上方の土層に対しては、低減係数がDE>0.0であっても、地盤反力係数,地盤反力度の上限値を0.0として偶発時の計算を行います。
Cを選択している場合は、耐震設計上の地盤面からその上方の土層の低減係数が0.0となり、お考えの低減係数DEと異なる場合があります。
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Q1−7−13. |
偶発作用(2.5次元解析)において、集計表のPHxと断面力結果の杭頭せん断力が一致しないのはなぜか?
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A1−7−13. |
2.5次元解析では、X,Y両方向の作用力を考慮した計算を行うため、各杭ごとに、
PN :杭頭杭軸方向反力(kN)
PHx:X方向の杭頭水平反力(kN)
PHy:Y方向の杭頭水平反力(kN)
MTy:Y軸回りの杭頭モーメント(kN・m)
MTx:X軸回りの杭頭モーメント(kN・m)
のように、両方向の杭頭反力が算出されます。地中部も同様に両方向の杭体断面力が算出されます。
このとき、杭体設計時の杭体モーメントおよびせん断力については、
M=√(My2+Mx2)
S=√(Sx2+Sy2)
として合成しています。
例えば、
PHx = 1108.096(kN)
PHy = -49.967(kN)
の場合だと、
杭頭せん断力S = √(1108.0962+(-49.967)2) = 1109.222(kN)となります。
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Q1−7−14. |
偶発作用の計算を実行したとき、杭前面地盤がすべて塑性化し(水平地盤反力度が水平地盤反力度の上限に達し)、水平方向地盤反力係数を考慮する範囲がなくなった杭が発生しました。 のメッセージが表示される場合がある。計算書はどこをみれば、その判断が可能ですか?
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A1−7−14. |
計算結果につきましては、計算書の「偶発作用」−「液状化**・地震動タイプ**・浮力**」の「前面地盤状態」をご確認ください。 本出力の「死荷重時」で地盤反力係数>0.0,「設計荷重時」で地盤反力係数=0.0と出力している範囲は、地盤抵抗を考慮した結果、設計荷重時には地盤反力度が上限値に達し塑性状態にあることを示しています。 また、「死荷重時」,「設計荷重時」ともに地盤反力係数>0.0と出力している範囲は、設計荷重時においても地盤反力度が上限値に達しておらず、弾性状態にあることを示しています。
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Q1−7−15. |
杭基礎の結果一覧出力で「偶発作用」-「部材照査-杭頭」の結果が最も厳しい結果になっていないのはどうしてか?
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A1−7−15. |
仮想鉄筋コンクリート断面の照査において、以下のようなケースを考えてみます。
@杭 1746.8(応答値)/2488.4(制限値)=0.702
A杭1476.6(応答値)/2079.4(制限値)=0.710
「偶発作用」−「基本条件」−「計算条件B」画面に「杭頭仮想鉄筋コンクリート断面の照査 照査方法」1列(本)ごとに照査/全列(杭)で照査のスイッチを用意しており、取り扱いの違いがあります。
全列(杭)を選択している場合、最も余裕の有るデータを抽出して出力、1列(本)ごとに照査を選択している場合は、最も厳しい結果を抽出しています。
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Q1−7−16. |
偶発作用時基本条件−計算条件Bの杭頭仮想鉄筋コンクリート断面の照査で「1列(本)ごとに照査」「全列(杭)で照査」が選択できるが、どちらを選択したらよいか
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A1−7−16. |
本プログラムの仮想鉄筋コンクリート断面の照査は、杭基礎設計便覧(H19.1)6-3-2(P.301〜)を参照し作成しておりますが、本文献では、一部の杭列のみ杭体の降伏曲げモーメントあるいは杭頭発生曲げモーメントが仮想鉄筋コンクリート断面の降伏曲げモーメントを超えたとき、仮想鉄筋コンクリート断面の照査を満足したとみなすべきか否か、明確な記述がありません。
ただし、杭基礎設計便覧の執筆者による各論(基礎工2006.12月号.P.048〜)では、
- 結合部に損傷が生じた場合の基礎の挙動や変形性能は、現在のところ不明である。設計法を確立するためには、今後も実験や万が一損傷が生じた場合の補修方法などの研究が必要である。
- 基礎の許容塑性率に関するこれまでの実験的研究については、杭頭結合部に損傷が生じる場合を想定していない。したがって、確実に基礎で塑性化を先行させるためにも、杭頭結合部をフーチング−杭体間で確実に荷重伝達が行えるような構造としておく必要がある。
とあります。
本記述は、結合部に損傷が生じた場合の基礎の挙動は未解明な部分が多く、今後の研究成果により設計法が確立されるまでは確実に安全性が確保される構造とする必要があると述べているものと考えられます。
本プログラムでは、上記の記述を参照し、本照査に対応した旧ソフトVer.6.01.00においては、安全側の評価となるよう、部分的にでも杭頭結合部に損傷が生じるケースは許容せず、1列でも仮想鉄筋コンクリート断面の降伏曲げモーメントを超える杭列が生じたとき、仮想鉄筋コンクリート断面の照査を満足しないものと考え、最終的な判定をOUTとしておりました。
しかしながら、その後、他のユーザ様より、一部の杭の杭頭部が損傷を受けたとしても、ただちに基礎全体の挙動が不安定とはならないケースも考えられることから、部分的に杭頭に損傷が生じることを許容した照査を行ってもよいのではないかとのご意見,ご要望をいただき、旧ソフトVer.6.04.00において、この選択を設けました。
ただし、前述のとおり、杭基礎設計便覧には、本選択に関する明確な記述はありません。
最終的には設計者の方のご判断により選択してください。
なお、「1列(本)ごとに照査」が部分的な損傷を許容せず、全杭の耐力を満足して初めてOKと判断する方法、「全列(杭)で照査」が部分的な杭頭結合部の損傷を許容する方法となります。
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Q1−7−17. |
偶発作用時の水平方向の押抜きせん断照査はどの基準書を参考にしたものか?
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A1−7−17. |
橋梁構造物設計施工要領[W下部構造編]W-42を参考しています。
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Q1−7−18. |
偶発作用時(レベル2地震動)のM−φ算定における杭群図心と底版中心は一致しますか?
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A1−7−18. |
杭群図心と底版中心が必ず一致するとはかぎりません。イレギュラーなケースも想定して別途算出しています。
ΣKvi・(xi−ex)=0
ΣKvi・(yi−ey)=0より
ex=ΣKvi・xi/ΣKvi
ey=ΣKvi・yi/ΣKvi
ここに、
ex:仮の図心から図心までのX方向の離れ
ey:仮の図心から図心までのY方向の離れ
xi:仮の図心を原点としたときの杭iのX座標
yi:仮の図心を原点としたときの杭iのY座標
Kvi:杭iの軸方向ばね定数
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Q1−7−19. |
鋼管系(鋼管杭,鋼管ソイルセメント杭,SC杭,回転杭)において、レベル2地震時のせん断照査を省いている理由は?
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A1−7−19. |
H29道示W編 P.290 「鋼管杭...せん断力に対する照査は省略することができる」と記載されており、せん断照査は行っておりません。
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1−8.フーチング照査(偶発作用) |
Q1−8−1. |
H24年道路橋示方書とH29年道路橋示方書でレベル2地震時の照査を行った際に降伏の判定が大きくことなる原因は何か。
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A1−8−1. |
以下の点が、平成24年道路橋示方書と異なっているのが原因となりますが、降伏の判定が大きく変わる場合は、1の項目をご確認ください。
1.Kvの値
H29年道路橋示方書より、支持杭と摩擦杭でKv値の算出が変更になっております。
平成29年道路橋示方書 P.260をご確認ください。
2.押込み力の制限値
押込み力の制限値の式において、極限支持力度の特性値の算出が変更になっております。
平成29年道路橋示方書 P.239をご確認ください。併せて、支持力の制限値には、部分係数が考慮されておりますのでご確認ください。
3.作用力について
作用力については、D+EQ(L2)時の荷重係数、組合せ係数を考慮いたします。
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Q1−8−2. |
フーチング照査に用いる柱基部断面力が正しくありません。のメッセージが表示されるのはどうしてですか?
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A1−8−2. |
このメッセージ記載の通り、「フーチング(偶発作用)」−「X方向」−「柱基部断面力」画面で、柱基部断面力を入力する必要があります。
製品ヘルプ「計算理論及び照査の方法」−「杭基礎」−「レベル2地震時照査」−「基礎の非線形を考慮した解析方法」−「フーチング照査」の連続フーチングの橋軸直角方向の照査を確認ください。
連続フーチング柱間レベル2地震時照査を行うには、底版自重,上載土重量,浮力,杭頭反力,および部材照査時の各柱基部の作用力が必要となりますが、本プログラムには多柱式橋脚そのものの設計機能がありませんので、部材照査時の荷重状態における柱基部断面力を直接入力していただくようにしています。
部材照査時の荷重状態における柱基部断面力につきましては、設計者の方のご判断により別途算出してください。
(1)断面照査時の底版下面作用力
基礎の安定計算に用いた設計荷重を示しており、計算書の「偶発作用」−「液状化無視/考慮・地震動タイプI/U・浮力無視/考慮」−「橋軸直角方向」の設計荷重がこれに該当します。
この荷重状態は、
・基礎が降伏に達しなかったとき:最終震度時
・基礎が降伏に達して応答塑性率照査を行わないとき:基礎降伏時
・基礎が降伏に達して応答塑性率照査を行ったとき:応答変位時
となります。
(2)柱基部断面力より算出した作用力
本画面で入力した各柱の基部断面力に底版自重,慣性力,上載土重量,浮力を考慮し、底版下面中心の作用力に換算した値です。
具体的には、
V=Σ(Vpi)+上載土重量+底版重量−浮力+任意荷重
H=Σ(Hpi)+底版慣性力
M=Σ(Mpi)+Σ(Vpi・xi)+底版慣性力によるモーメント+上載土および底版自重の左右非対称性によるモーメント−浮力によるモーメント+任意荷重によるモーメント
xi:底版下面中心を原点とした各柱中心のx座標
となります。
(1)と(2)が一致しない場合、作用力と反力とが釣り合わない荷重載荷状態になりますので、支点に反力が生じ、設計断面力に影響が生じますのでご注意ください。
計算実行時、(1)と(2)の誤差が約5%を超える場合警告を表示します。あまりに頻繁に警告が表示されるのを防ぐため許容誤差は5%と大きく設定していますが、本来は完全に一致させる必要があります。
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1−9.基礎ばね |
Q1−9−1. |
H24年版とH29年版ソフトの杭基礎の基礎ばね値(固有周期算定用)は同じ結果になりますか?
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A1−9−1. |
軸方向ばね定数Kvに相違が生じるため、基礎ばね値(固有周期算定用)は同じ結果にはなりません。
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Q1−9−2. |
直杭で杭配置が杭1本だけズレが生じた(非対称モデル)ときに、Arv=Avr≠0になるのはなぜか?
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A1−9−2. |
基礎ばねの算定式は以下の通りです。
Ass =Σ(Kv・sin2 θ+K1・cos2 θ)i
Asr=Ars=Σ(Kv・X・sinθ・cosθ−K1・X・sinθ・cosθ−K2・cosθ)i
Arr =Σ{Kv・X2 ・cos2 θ+K1・X2 ・sin2 θ+(K2+K3)・X・sinθ+K4}i
Asv=Avs=Σ(Kv・cosθ・sinθ−K1・sinθ・cosθ)i
Arv=Avr=Σ(Kv・X・cos2 θ+K1・X・sin2 θ+K2・sinθ)i
Avv =Σ(Kv・cos2 θ+K1・sin2 θ)i
ここに、Ass :水平方向ばね(kN/m)
Asr=Ars:水平と回転の連成ばね(kN/rad,kN.m/m)
Arr :回転ばね(kN.m/rad)
Asv=Avs:鉛直と水平の連成ばね(kN/m)
Arv=Avr:鉛直と回転の連成ばね(kN.m/m,kN/rad)
Avv :鉛直ばね(kN/m)
直杭の場合、cosθ=1.0、sinθ=0.0になるため、Arv=Avrの算定式は、以下の様になります。
Arv=Avr=Σ(Kv・Xi)
杭が対称配置されている場合は、相殺されてArv=Avr=0になりますが、杭が非対称(杭位置が1本でもずれる)の場合は、Arv=Avr≠0となります。
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Q1−9−3. |
動的変形係数EDの算出に用いる土の単量γはなぜ湿潤重量を用いているのか?
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A1−9−3. |
H29道示X編 P.88に動的変形係数の推定式が記述されており、水中の取扱いについての記述がありませんが、一般に湿潤重量を表す記号γtが用いられています。 また、「道路橋の耐震設計に関する資料(平成9年3月)社団法人日本道路協会」のP.2-4〜P.2-10に杭基礎の基礎ばねの計算例が記載されていますが、ここでの計算値は表-2.1.4(P.2-5)のγ(浮力を考慮しない値)から算出したEDを用いて計算した結果と一致します。 以上により、本プログラムでは、入力された湿潤重量γtを用いて算出した動的変形係数EDを初期設定しています。
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