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新製品紹介

●BOXカルバートの設計 Ver.9.01 - 9.02
BOXカルバート1〜3連の断面方向、縦方向ウイングの設計・図面作成プログラム

●はじめに
  • 2010年7月中旬にリリースしたVer.9.01.00および、2010年9月初旬にリリース予定のVer.9.02.00の無償リビジョンアップ版について概要を紹介します。

●Ver.9.01.00での対応項目
  • Ver.9.01.00では主に以下のような対応を行いました。

    対象 内容
    杭基礎 負の周面摩擦力(ネガティブフリクション)に対する検討
    門形カルバート 杭頭結合計算にて方法Aに対応
    直接基礎支持力計算 支持地盤のγの取り扱い指定
    限界状態設計法 曲げひび割れ照査の必要性の判定
    2,3連ボックス 分布活荷重載荷ケースの自動設定
    結果一覧出力 抽出ルールの改善

    このうち、負の周面摩擦力に対する検討および門形カルバートの杭頭結合方法Aについて概要を説明します。


    ■負の周面摩擦力に対する検討
    圧密沈下が生じるおそれのある地盤に打設される杭では、杭周面に下向きに作用する負の周面摩擦力の影響を考慮する必要があります。そのため、杭に過大な沈下が生じることがないよう、負の周面摩擦力を考慮した鉛直支持力および杭体応力度の検討に対応しました。なお、「道示IV(H14.3)P.367」に記述の「(1)杭基礎に作用する負の周面摩擦力を杭群周面の負の摩擦力と杭間の土の重量との和と考え、杭1本当りの負の周面摩擦力を算出する」方法による群杭としての照査も可能です。


    ▲負の周面摩擦力と中立点


    ■門形カルバートでの杭頭結合方法A
    通常、ボックスカルバートの場合、比較的底版厚が薄いため杭頭結合において方法Bが用いられることが一般的ですが、門形カルバートの場合は方法Aを用いるケースも考えられることより、「杭基礎設計便覧(平成18年度改訂版)P.294〜」に準じた方法Aでの照査に対応しました。
    方法A


    方法A フーチング内に杭と一定長さだけ埋込み、埋め込んだ部分によって杭頭拘束曲げモーメントに抵抗する。
    方法B フーチング内への杭の埋め込み長さは最小限度にとどめ、主として鉄筋で補強することにより杭頭拘束モーメントに抵抗する。


●応答変位法による地震時検討対応(Ver.9.02.00)
  • 「道路土工カルバート工指針(平成21年度版)(H.22.3)(社)日本道路協会(以降、新土工指針)」では、従来型カルバートの適用範囲が示され、これに該当するケースはボックスカルバートでは常時荷重、門形カルバートではレベル1地震動の作用に対する照査を行えば、レベル2地震動を含めた性能照査を満足しているものと記述されています。一方、従来型カルバートに該当しないケースは原則として性能照査を行うことと示されていますが、性能照査の具体的な計算、照査方法は明示されていません。このことより、Ver.9.00.00では従来型カルバートのみを対象とした改訂を行いました。
    Ver.9.00.00ではNEXCO基準に準拠したレベル2地震時の照査(オプション機能)に対応しましたが、「新土工指針P.69」に地震時の検討方法について「共同溝設計指針」や「駐車場設計施工指針」などを参考にするとよいとの記述があります。また、レベル2地震時の検討まで含まれている「下水道施設の耐震対策指針」に準じた方法に対応し、地震時の検討方法を追加して欲しいとのご要望をお寄せいただきました。これらを踏まえVer.9.02.00では、新土工指針対応ではありませんが、「共同溝設計指針」「駐車場設計施工指針」「下水道施設の耐震対策指針」を参照した応答変位法(下図)による地震時の検討に対応いたします。
    1連〜3連ボックスカルバートを対象に、常時、レベル1地震時、レベル2地震時の検討を可能とします。常時については「初期入力」画面で指定された適用基準に準じて照査しますが、地震時については前記3指針に基づいた方法で照査します。設計水平震度や設計応答速度については、前記3指針の指定に応じた値の自動セットが可能なほか、自動セットした値の変更など、直接入力も可能となります。地震時の荷重については、慣性力、水平変位振幅荷重、周面せん断力を考慮し任意地震荷重も考慮可能となります。
    なお、今回は直接基礎のみを対象とし、杭基礎での照査は対応いたしません。また、単鉄筋構造(シングル配筋構造)や踏掛版の設置、多層盛土や連結部照査につきましても今回の地震時検討には含めておりません。

    ▲応答変位荷重 ▲地震荷重画面

    応答変位法は、地震動による地盤変位により、地中構造物が変位する事で応力発生。応答変位荷重は底版軸線位置を0.0とした相対変位に側壁部の水平方向地盤反力係数を乗じて算出する。


BOXカルバートの設計セミナー  参加費 : \15,750

 ●鹿児島 : 10月 7日(木)   ●広島 : 10月 14日(木)  ●仙台 : 10月 21日(木)  ●札幌 : 10月 27日(水) 

■BOXカルバートの設計 Ver. 9.02 リリース予定日:2010年 9月
(Up&Coming '10 秋の号掲載)
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