下部工基礎スイート
下部工基礎スイート(部分係数法・H29道示対応)では、「Engineer’s Studio®」(以下、ES)を用いた橋梁下部工の非線形動的解析による照査を支援するため、ESデータのエクスポート機能をご用意しています。同機能は、平成29年道路橋示方書対応製品(橋脚・橋台・震度算出等)で順次対応を行っており、これらの製品を組合せて使用することで、橋梁全体系のモデルを容易に作成することが可能となります。今回はこれらの製品を用いた具体的なモデル作成方法をご紹介します。
令和元年9月時点で主要な下部工製品(下表)についてESエクスポート機能に対応しています。エクスポートされたファイルは「Engineer’s Studio®」(Ver.8以降)で利用可能です。
製品名
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対応Version
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備考
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橋脚の設計・3D配筋
(部分係数法・H29道示対応)
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2.0.0以降
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Advanced, Senior, Ultimate
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橋台の設計・3D配筋
(部分係数法・H29道示対応)
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2.0.0以降
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Advanced, Senior, Ultimate
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ラーメン橋脚の設計・3D配筋
(部分係数法・H29道示対応)
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2.0.0以降
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Senior, Ultimate
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震度算出(支承設計)
(部分係数法・H29道示対応)
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2.0.0以降
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Advanced, Senior, Ultimate
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「道路橋示方書・同解説 V耐震設計編(公益社団法人 日本道路協会)」(以下、H29道示V)を参考に非線形性を考慮する柱基部についてはM-φ(バイリニア)モデル、その他の部材については、部材の特性に応じて弾性梁要素やM-φ(トリリニア)モデル等を適用します。単独でエクスポートを行う場合は、各下部工製品で偶発レベル2地震動の照査が実行可能な状態まで設定を行った後、「ファイル」メニューよりエクスポート操作を行って下さい。
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図1 単独エクスポートモデル(単柱橋脚) |
図2 単独エクスポートモデル(ラーメン橋脚) |
下部工基礎スイートに含まれる「震度算出(支承設計)(部分係数法・H29道示対応)」(以下、震度算出)は、静的解析による橋梁モデルの固有周期や分担重量の算定に対応しています。また、「震度算出」では、下部工を断面形状や降伏剛性から生成した骨組モデルを用いて計算を行っていますが、これと併せてESエクスポートデータを連携することで、それぞれの形状や配筋を忠実に再現した非線形動的解析用の全体系モデルを作成することができます。
全体系モデル作成時の具体的な操作の流れは下記の通りです。
- 下部工製品で「震度算出」ファイルを読み込み該当する構造物を開きます。
- ファイルの保存を実行します。
- 保存時に表示される設定画面で「非線形動的解析データを付加する」にチェックします。
- 上記の操作を必要に応じてその他の下部工にも実行します。
- 「震度算出」よりエクスポートを実行して下さい。
図3は単柱橋脚及びラーメン橋脚を非線形モデル、橋台を線形モデルとしてエクスポートした場合のイメージです。単柱橋脚と同じ振動特性を有する橋台を非線形モデルとしてエクスポートする場合は、「橋台の設計・3D配筋(部分係数法・H29道示対応)」で上記の操作を実行して下さい。