山留め設計指針H29には、「H14の基本方針を踏襲し、山留めの計算方法等の具体策について、複雑化・多様化する工事条件に対応できるように改訂した。」と記載されています。以下では、本指針への対応内容について説明致します。
施工段階の影響を考慮した変位の計算
慣用法での変位計算に、今までの単純梁法に加え、図1のような累計変位法の考え方を追加しました。(山留め設計指針H29 P170〜172) 指針では、掘削深さ10m程度までの範囲では、実測値とよく対応していると記載されており、より精度の高い変位計算が可能となります。
基本的な考え方としては、前ステップの変位計算結果(図の青枠)と当該ステップの単純梁法にて算出された変位計算結果(図の緑枠)を合算し、更に切ばり反力・プレロード等を考慮した、切ばり圧縮量の変位(図のオレンジ枠)を足し合せて、当該ステップの変位量とします。
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