ハニカムボックスとは、単体のプレキャストコンクリート部材の形状がローマ数字Uのような形状を持つ部材と、外周の壁となるプレキャストのパネルを現場で組み立て、公園敷地や道路下など比較的浅い地下空間に雨水貯留槽を組み立てるものであり、貯留槽全体の形状がハチの巣の構造を似ていたことから名付けられています。本製品は、岐阜県に本社がある松岡コンクリート工業株式会社が、H26年2月1日付けで(公社)雨水貯留浸透技術協会による雨水貯留浸透技術評価認定制度において技術評価認定書を取得した高さ2250〜3000mmの大型のハニカムボックスについて設計計算を行うプログラムです(高さ750〜2000mmについては「ハニカムボックスの設計計算」で検討可能です)。
松岡コンクリート工業株式会社の協力のもと、「下水道施設の耐震対策指針と解説2014年度版」を主たる適用基準に、このハニカムボックスを設計するプログラムを開発いたしました。以下に「大型ハニカムボックスの設計計算」について、「ハニカムボックスの設計計算」との相違点を中心に紹介させていただきます。
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▲図1 単位幅流量と水深との関係 |
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2250タイプ、2500タイプ、2750タイプ、3000タイプのそれぞれについて、一般用と軽荷重用(鉛直荷重30kN/m2以下)の全8タイプを検討することが可能です。一般用は道路直下や土被りが大きい場所など、鉛直荷重が非常に大きい場所に設置可能で、軽荷重用は上部利用が駐車場や公園など、土被りが比較的小さい場所に設置可能なタイプです。 |
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▲図2 一般用と軽荷重用の平面図 |
ハニカムボックス同士の長辺方向の連結方法が、一般用と軽荷重用で異なります。一般用は連結金具が片側にしか付いておらず(図2左)、連結金具が付いていない側は間詰工で背中合わせにして連結します。軽荷重用は両側に連結金具が付いています(図2右)。
この連結方法は、構造計算の際のモデル化にも影響してきます。Z方向のFrameモデルを作成する際に、連結金具で連結されている箇所はピン結合になりますが、間詰工で連結している箇所についてはせん断キー接合部としてバネ要素を設定します(図3)。
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▲図3 一般用のZ方向のFrameモデル |
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作用荷重および構造計算モデルについて、「ハニカムボックスの設計計算」との相違点を以下に挙げます。
浮力:常時の構造計算モデルに浮力を考慮するようになりました
地震時動水圧:計算式がWestergaardからHousnerの式に変更しました。
地盤鉛直バネ定数・地震時せん断バネ定数・周面せん断力:
地震時の周面せん断力(図4)、レベル2地震動での地盤鉛直バネ定数および地震時せん断バネ定数を計算し、構造計算モデルに考慮するようになりました。
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▲図4 地震時周面せん断力 |
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以上、新製品の「大型ハニカムボックスの設計計算」について、「ハニカムボックスの設計計算」との相違点を中心にご紹介いたしました。今後もユーザ様からのご意見、ご要望を取り入れて製品の改善・改良を加えて参ります。どうぞご期待ください。 |
(Up&Coming '15 新年号掲載) |
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