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  プログラム概要

GeoFEASは、Geotechnical Finite element Elastoplastic Analysis Softwareの略で、静的な条件下での地盤の応力〜変形解析を行う2次元弾塑性地盤解析プログラムです。斜面安定解析、土留め掘削解析、シールドトンネル掘削時の周辺地盤影響解析など地盤に関係する多くの分野において、弾塑性解析を実施する場合に、威力を発揮する汎用FEM製品です。平面ひずみ解析、軸対称解析を対象とし、2次元PrePost版となっています。FEMモデルの作成はCAD的な入力方法に対応し、簡単に作成可能。SXFファイルからの読み込みにも対応しています。

解析部は郡馬大学工学部・鵜飼研究室の地盤解析プログラムを利用し、弊社がプリポスト部の開発を行う共同開発体制をとっています。

  関連情報
弾塑性地盤解析(GeoFEAS) 2D 計算事例との比較検証報告 ('09.09.07掲載)

新製品紹介

論文発表/講演

セミナー参加申込受付中  弾塑性地盤解析セミナー(2D/3D)

  プログラムの機能と特長

■解析方法

解析種別
静的全応力解析

解析次元
平面ひずみ解析、軸対称解析


■ソフトウェアの特長

ステージ解析
ステージ解析(施工ステップ解析)を実施することができます。
ステージごとに、材料定数の変更、境界条件の変更、掘削時の応力解放率の設定が可能です。

せん断強度低減法
解析ステージごとにせん断強度低減法による全体安全率の算出とすべり面の推定を行うことができます。
3種類の弾・完全塑性モデルに対して、せん断強度低減法を適用することができます。

局所安全率
積分点ごとに局所安全率を算出することができます。

.浸透流解析との連携
浸透流解析によって算出した水圧値を節点荷重として考慮することができます。(ただし、ロードモジュール仕様)。

解析機能の併用
ステージ解析とせん断強度低減法といった解析機能を併用することにより、掘削・盛土、斜面安定、支持力問題など地盤に関係する幅広い問題に変形解析と安定解析を同時に実行することができます。

構成則の混在
材料ごとに構成則を与えることができます。

「平成19年河川構造物の耐震性能照査指針」対応
「液状化前」、「液状化時」、「液状化後の体積圧縮」の変形解析を行うことができます。

「平成28年河川構造物の耐震性能照査指針」対応
国土交通省 水管理・国土保全局治水課における「平成28年度 3月 河川構造物の耐震性能照査指針」に対応した地盤の液状化照査が可能です。「地震前(液状化前)変形解析」、「地震後(液状化後)の変形解析」」、「液状化層の体積圧縮に伴う沈下量(変形解析)」をステージ毎に設定のうえで解析が行えます。

自重変形解析は、(1)地震前(液状化前)、 (2)地震後(液状化時)について行い、両者の差分が液状化による変位量として算出されます。また、 (3)液状化層の体積圧縮に伴う沈下量(変形解析)については、液状化層の体積圧縮に伴う沈下量を別途算定し合算することで、モデル全体の変位量を求めます。
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▲変形解析の取扱い

■境界条件

  • 節点自由度拘束(水平ローラ、鉛直ローラ、固定、ピン、強制変位)
  • 多点拘束(MPC)
  • バネ支点
  • ピン結合

■要素ライブラリ
種 類 項 目 2次元 軸対称 備 考
線要素 梁1次要素 -  
棒1次要素 -  
軸バネ - バネ支点含む
せん断バネ - バネ支点含む
回転バネ × -  
分布軸バネ × -  
分布せん断バネ × -  
面要素 3節点3角形要素 2次元・軸対称解析用1次要素
4節点4角形要素 2次元・軸対称解析用1次要素
6節点3角形要素 2次元・軸対称解析用2次要素
8節点4角形要素 2次元・軸対称解析用2次要素
ジョイント要素 4節点線ジョイント要素 2次元1次面要素の間に適用
6節点線ジョイント要素 2次元2次面要素の間に適用


■構成モデル

平面ひずみ要素・軸対称要素の構成モデル
弾性モデル4種(※2種含む)、非線形弾性モデル1種、非線形モデル3種、弾・完全塑性モデル3種、弾塑性モデル2種、バイリニア弾性2種(※)を適用することができます。また、弾性モデルについては、No-Tension材料として設定することも可能です。
※は平成19年河川耐震性能照査指針用。

モデル種類 構成モデル 備 考
弾性モデル 線形弾性モデル 等方性
積層弾性モデル 異方性
せん断剛性低減材料1 平成19年河川構造物耐震性能照査指針用
平成28年河川構造物耐震性能照査指針用
せん断剛性低減材料2 平成19年河川構造物耐震性能照査指針用
平成28年河川構造物耐震性能照査指針用
非線形弾性モデル 破壊接近度法 電中研方式
非線形モデル Hardin-Drnevichモデル  
Ramberg-Osgoodモデル  
鵜飼・若井モデル(UW-Clay)  
弾・完全塑性モデル Morh-Coulomb方式 関連流れ則非関連流れ則
Drucker-Prager方式 関連流れ則非関連流れ則
Morh-Coulomb/Drucker-Prager方式 非関連流れ則
弾塑性モデル Pastor-Zienkiewicz砂モデル  
Pastor-Zienkiewicz粘土モデル  
No-Tensionモデル 線形弾性モデル  
積層弾性モデル  
バイリニア弾性 液状化材料1 平成19年河川構造物耐震性能照査指針用
液状化材料2 平成28年河川構造物耐震性能照査指針用

梁要素、棒要素、バネ要素、ジョイント要素など

梁要素は線形弾性モデル、棒要素、バネ要素に対して線形弾性モデルとバイリニアモデルを、ジョイント要素に対して線形弾性モデルとMohr-Coulomb方式を適用することができます。

モデル種類 構成モデル 対応 備 考
梁要素のM-φ 1.線形弾性モデル  
2.バイリニアモデル ×  
3.トリリニアモデル ×  
棒要素 1.線形弾性モデル  
2.バイリニアモデル  
3.トリリニアモデル ×  
バネ要素 1.線形弾性モデル バネ支点含む
2.バイリニアモデル バネ支点含む
3.トリリニアモデル ×  
ジョイント要素 1.線形弾性モデル  
2.Morh-Coulomb方式  

■荷重

  • 集中荷重:節点集中荷重(2次元・軸対称)
  • 等分布荷重、分布荷重:線形分布荷重(2次元・軸対称)
  • 体積荷重(自重):鉛直加速度(2次元・軸対称)
  • 地震荷重:水平応答加速度(2次元)、 鉛直応答加速度(2次元)
  • 節点水圧(2次元・軸対称)

全応力解析(地盤の間隙水圧を考慮しない解析)を行うプログラムですが、水圧を節点荷重として考慮することにより水圧の変化が地盤に及ぼす影響を検討することができます。


■ポストプロセッサ

プロセッサ(解析部)の出力結果を処理します。結果図や数値の出力・確認を行います。 本プログラムでは、
主に以下の出力を行うことができます。

  • モデル図
  • 変形図 
  • ベクトル図
  • コンタ図
  • 分布図
  • 数値出力

■UC-1 土留め工の設計(別売)との連携

土留め工の設計では、弾塑性解析結果から得られる土留め壁変位を、地盤のみをモデル化したFEM解析モデルに強制変位として与え、掘削底面には、必要に応じて鉛直方向の掘削解放力(土被り圧)を作用させる「強制変位法」にて、周辺地盤の影響検討を行うことができます。

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▲土留め工弾塑性結果 ▲土留め工FEM
(強制変位法入力画面)
▲土留め工FEM
(強制変位法コンタ図)

■UC-1 圧密沈下の計算(別売)との連携

UC-1シリーズ製品「圧密沈下の計算」と連携して、地盤の圧縮変形(圧密沈下・即時沈下)を考慮した解析が行えます。圧密沈下の計算で地盤形状の作成、各土質層の設定、上載荷重の設定および沈下量の算出までを計算し、その地盤の形状データをGeoFEAS2Dと連携することで、シームレスな液状化解析が可能となります。

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▲地盤の圧縮変形解析の流れ

■オートメッシュ機能

トンネル等のモデル作成の場合、最低限必要なライン(地層境界など)を定義すればメッシュ分割が可能ですのでモデル作成の手間を大幅に軽減することができます。

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■適用範囲

  • 地盤の応力・変形解析
  • 斜面安定解析
  • 土留め掘削解析
  • シールドトンネル掘削時の周辺地盤影響解析
  • NATM工法におけるトンネル施工検討解析
  • 水圧の変動が地盤に及ぼす影響の検討
  • 地盤と構造物の相互作用の検討
  • 応答震度法

■地盤解析シリーズのCIM機能強化
地盤解析シリーズの各種製品は、CIM(Construction Information Modeling)機能をより一層強化し、地形データやUC-1の各種地盤関連製品とのスムーズなデータ連携にも対応しています。
地形データ*.GF1ファイルを使用したデータ連携
弾塑性地盤解析(GeoFEAS)2D Ver.4

柔構造樋門の設計 への変位量連携
「弾塑性地盤解析(GeoFEAS2D)」で解析した地盤変形解析結果(沈下・水平変位分布)を「柔構造樋門の設計」にインポートし、函体縦方向のレベル2耐震照査が可能。
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GeoFEAS2D 柔構造樋門

土留め工の設計 における周辺地盤影響解析地盤のみをモデル化し、壁体変位を強制変位で与えて地盤変形の計算が行える。
地盤の動的有効応力解析(UWLC)Ver.2

斜面の安定計算 への加速度連携
高さ30m程度以上の高盛土におけるニューマーク法の適用に際しては、すべり土塊の応答加速度波形を入力地震動とする必要がある。「地盤の動的有効応力解析(UWLC)」と「斜面の安定計算」のデータ連携により、UWLCでの2次元FEM地震応答解析から求められるすべり土塊の、応答加速度波形によるニューマーク法解析に対応。高盛土・大規模盛土安定計算レベル2地震動の安定計算が行える。
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UWLC 斜面の安定計算
2次元浸透流解析(VGFlow2D)Ver.3

GeoFEAS2D への水位線連携
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VGFlow2D GeoFEAS2D

UWLC への水位線連携
斜面の安定計算 への水位線・ポテンシャル線連携
連携ファイル(*.PRS【水位線】、*.PTN【等ポテンシャル線】)によって、飽和/不飽和浸透流FEM解析結果の反映が可能。 
GeoFEAS Flow3D(浸透流解析限定版)

LEM3D への水位面連携
「GeoFEAS Flow3D(浸透流解析限定版)」の解析結果や、他社製品の解析結果を定型テキストファイルとして「3次元地すべり斜面安定解析(LEM3D)」に取り込むことで、地すべり解析に必要な地下水面を生成し、これを用いた3次元斜面安定解析が可能。
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VGFlow3D LEM3D
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  適用基準及び参考文献

適用基準
  • 河川構造物の耐震性能照査指針(案)・同解説 平成19年3月 国土交通省河川局治水課
  • 河川構造物の耐震性能照査指針・解説 II.堤防編 平成28年3月 国土交通省水管理・国土保全局治水課
参考文献
  • Potts, D., Axelsson, K., Grande, L., Schweiger, H. and Long M. : Guidelines for the use of advanced numerical analysis, Thomas Telford, 2002
  • 鹿島建設土木設計本部編:新・土木設計の要点(5),トンネル,鹿島出版会,2003
  • 田中忠治,鵜飼恵三,河邑眞,阪上最一,大津宏康:地盤の三次元弾塑性有限要素法,丸善,1996.
  • Zienkiewicz, O.C., Chan, A.H.C., Pastor, M., Schrefler, B.A. and Shiomi, S.: Computational Geomechanics with Special Reference to Earthquake Engineering, JOHN WILEY & SONS, 1999.
  • 後藤學:実践有限要素法,大変形弾塑性解析,コロナ社,1995
  • O.C.ツェンキーヴィッツ,ロバート・L.テイラー,矢川元基訳:マトリックスと有限要素法[改訂新版], 科学技術出版, 1996
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