Q5−1. |
メッシュ分割の際、メッシュの大きさをどのくらいに設定したらよいか。 |
A5−1. |
何メートルメッシュでなければならないというような規定はありません。そのため、これぐらいの大きさでメッシュ分割しなさいという助言も致しかねる状況です。
メッシュ分割を非常に細かくすれば、FEMの計算結果は厳密解に近づくと言われていますが、その確認は簡単ではないということのようです(はじめて学ぶ有限要素法:地盤工学会より)。
群馬大学の蔡先生のセミナー資料によると、要素数を3倍にしても、安全率のオーダーとしては、小数第三位に違いがあるだけのようです。よって、あまり、細かく分割する必要はないのではないかと思われます。
メッシュ分割において、中間節点の指定を有(2次要素)にすることも計算精度を向上させる手法だと思います。メッシュ分割の定義タブの右側最下段のボタンで設定してみてください。 |
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Q5−2. |
弾完全塑性の物性値のサンプルはないか? |
A5−2. |
弾完全塑性の物性値としては、強度特性とダイレタンシー角が主なパラメータとなります。
強度特性については、「山岳トンネルにおける 模型実験と数値解析の実務」トンネルライブラリー第16号
土木学会などを参照すると、さまざまな機関における一般値が掲載されています。三軸試験など室内試験結果があれば、そのC,φを用い
て結構です。
ダイレタンシー角についてはゼロとする場合や内部摩擦角と同じにする場合もあります。三軸試験結果を参考にすることも考えられます。 「弾塑性有限要素法がわかる」、地盤工学会および「地盤の変形解析:
基礎理論から応用まで (39)」、地盤 工学会, 2002.7(地盤工学・基礎理論シリーズ)などが参考となります。
サンプルデータとしては、GeoFEAS2Dに添付されているデータ(slope, embankmentなど)をご参考にしてください。 |
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Q5−3. |
ソリッドのプロパティの設定での構成則や方式の使い分けを教えてほしい。 |
A5−3. |
概ね、以下のようにお考え下さい。
- 積層弾性モデル
直交異方性を表すために用います。積層ゴムのように縦方向は剛で水平方向には柔な構造を対象としています。地盤においても堆積過程や地中応力状態において異方性が大なり小なりがあると言われています。
- 非線形弾性モデル
Duncan方式:応力ひずみ関係を双曲線で表します。ひずみのレベルや拘束圧(対象とする地層の深さ)によって変形係数が変わることをモデル化します。Duncan方式1と2の違いはポアソン比を定数(方式1)とするか、変化する(方式2)かの違いにあります。
- 非線形弾性モデル
破壊接近度法:主にトンネルの掘削にともなう地盤の緩みを解析するときに用いられます。応力状態が破壊基準に近づくに従って変形係数が減少(地盤が緩んで変形しやすくなる状態)を表現します。
- 非線形モデルROモデル
せん断弾性係数とせん断ひずみを双曲線でモデル化して地盤のせん断変形(地震時の変形など)に対してひずみ依存性を表現するときに用います。
- 非線形モデル HDモデル
ROモデルと同様にせん断変形に対してひずみ依存性を考慮するときに用います。ROモデルとは関数の形が異なります。
- 非線形モデル UWclayモデル
せん断応力とせん断ひずみの骨格曲線を双曲線で表しますが、強度をパラメータと取り入れていることで変形と強度の関係を簡易に表すことができます。斜面の残留変形解析に用いた事例があります。
- 弾完全塑性モデル Mohr-Coulomb方式(MC)
破壊基準(Mohr-Coulomb)を規定し、応力状態を表す応力円(Mohr円)との関係を判別して破壊基準に達していなければ弾性領域、破壊基準に達すれば塑性領域に分けて計算します。塑性領域に達した場合は大きな変形が生じます。
- 弾完全塑性モデル Drucker Prager方式(DP)
破壊基準の規定のしかたがMCと異なりますが、2次元(平面ひずみ)の場合は違いはありません。
- 弾完全塑性モデル MC-DP
破壊基準としてMC,塑性ポテンシャルにはDPにより規定します。破壊に達した状態で、せん断にともなう体積変化であるダイレタンシーが収縮するのか(負のダイレタンシー)膨張する(正のダイレタンシー)のか地盤によって規定したいときに用います。
- 弾塑性モデル 粘土のPastor-Zienkiewiczモデル
弾塑性モデルの一般化したモデルで、パラメータによってひずみ軟化やひずみ硬化、または硬化係数(破壊に達したあとの変形係数)などを細かく規定できるモデルです。多くのパラメータを規定する必要があります。
- No-tension材料
線形モデルあるいは積層線形モデルと基本は同じですが、引っ張り応力に対して抵抗しない材料を表現するモデルです。
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Q5−4. |
覆工と吹付けの間にジョイント要素を設定しても問題ないか? |
A5−4. |
実現象を再現しようとして細かく設定し過ぎると意図しない挙動を示すモデル化になる場合もありますので、ジョイント要素を用いる場合は注意が必要です。 |
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Q5−5. |
薬液注入工がある場合、変形係数を原地盤より大きくすることは可能か? |
A5−5. |
薬液注入する場合は、最初のステージ1では土、次のステージ2で薬液注入後の剛性を入れ直して、プロパテイ設定をすることができます。薬液注入後の剛性で、その後の変形解析をします。ただし、ステージ2でステージ1と比べ荷重の変化がなければ、変形等は発生しません。 |
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Q5−6. |
トンネルの解析後、沈下防止のため地盤改良を実施したい。どの時点でのステージを用いたらよいか。 |
A5−6. |
沈下防止のために地盤改良ということであれば、沈下の原因(解放応力もしくは荷重がかかる)のあるステージと同じステージでプロパティ設定を変更します。すなわち、トンネル掘削に伴い沈下が生じる場合は、同じステージにおいてプロパティ設定を変更すれば、そのステージのプロパテイを基に掘削時の変形を解析します。 |
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Q5−7. |
風化に伴う物性値の変更は可能か? |
A5−7. |
別のデータをプレ部から作成して別の物性を与えた場合に、材料の変化(風化)を考慮して比較できます。 |
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Q5−8. |
推進工法で破壊接近度法を用いて検討したい。緩み係数kの妥当値について教えてほしい。 |
A5−8. |
破壊接近度は本来、岩石を対象として提唱された理論であり、パラメータについては岩石試験などの試験結果から決めます。お問い合わせ内容では、土かぶり厚が4m程度で砂質土とのことなので、一般に提唱されている最も低い(非線形の強い材料)をもとにパラメータを決めればよいでしょう。 |
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Q5−9. |
地中部に存在する埋設配管上を重機(クレーン、トラック等)が走行する場合に埋設配管に作用する応力(地中応力)の算定は可能か? |
A5−9. |
解析可能と思われます。本製品は、全応力静的FEM解析ソフトになります。
埋設配管に作用する荷重(地表面上の重機荷重)は、たとえば、分布荷重として与条件として、ご自身でご用意して頂く必要がございます。地盤をソリッド要素、埋設管をはり要素でモデル化して頂ければ、埋設配管の断面力、変位などを直接得ることができます。 |
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Q5−10. |
橋台と地盤との間にジョイント要素を用いたい。使い方を教えて欲しい。 |
A5−10. |
ジョイント要素のバネは周辺地盤よりも大きな剛性を設定して、荷重レベルが小さい段階では2重節点を維持し、ある設定強度(モールクーロン方式ではC,φ)に達すると不連続を再現します。本来、岩盤の亀裂などを再現するために作られたので、通常の土を対象にする場合は不用意に用いないほうが安定した解が求まります。むしろ橋台と地盤との間にダミーの境界面を意味する薄い層を設けたほうがよい場合もございます。 |
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Q5−11. |
断層はどのようにモデル化するのか。
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A5−11. |
ジョイント要素になります。 |