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  プログラム概要

実際の地形形状や地すべり面を3次元形状で再現した斜面安定解析を行います。
3次元地形形状は、以下の2通りを用意しています。
 (1)地形断面図を多数入力する2次元的な操作で、比較的簡単に再現する方法
 (2)既存のDEMデータを利用する方法

対策工として、3次元抑止力を用いた杭工の設計およびアンカーを設置した場合の安定計算に対応し、平面的な杭配置をイメージしやすいように配慮しています。現行の杭工の設計に関する基準類の記載が2次元抑止力を対象としている点を鑑み、2次元抑止力による杭工との比較設計ができるように配慮しています。
また、すべり面を楕円体面と仮定しての自動探索や地形に対して任意のすべり方向を設定する機能にも対応しています。

高度な解析理論と豊富な実績を有する「群馬大学鵜飼研究室」との共同開発により製品化した信頼性の高いプログラムです。

  関連情報
新製品紹介

3次元斜面安定解析システム他社比較表 ('09.08.28更新)

道路土工(要綱、切土工・斜面安定工指針)の改訂とフォーラムエイトの対応 ('09.07.22掲載)

論文発表

基調講演/論文発表

新製品セミナー2004スライド('04.07.14掲載)
    高度解析への新たな取り組みとして「地盤解析」を製品シリーズ化。
    製品機能と今後の開発についてデモを中心に紹介

  プログラムの機能と特長

  ■解析方法

解析方法
2次元極限平衡分割法を3次元に拡張した、以下の3手法を扱うことができます。
  1. ホフランド(Hovland)法
  2. ホフランド(Hovland(水中重量))法
  3. 簡易ヤンブ(Janbu法)

計算種類
常時並びに地震時において、以下の計算が可能です。
  1. 安定率計算
  2. 逆算法(c固定)
  3. 逆算法(φ固定)
  4. c-tanφ関係図

特殊機能
  • 地すべり面に任意水圧を考慮(地下水面からの静水圧ではなく、別途検討された水圧を考慮可能)できます。
  • 地下水面の上下一括移動(降雨による間隙水圧の上昇や、排水対策による効果などを概略検討)に対応
  • 杭工の抑止力は、計画安全率を満足するように算出されるものです。設計基準類の多くは、2次元極限平衡法を対象とした計画安全率を規定していますが、3次元極限平衡法に対する計画安全率の規定は特に見あたりません。通常、2次元計画安全率(Fsp(2D))と等価な3次元計画安全率(Fsp(3D))を設定する場合、計画安全率をやや大きめに見積もる必要があります。本製品では、2次元計画安全率から3次元計画安全率を算出する方法を提案し、3次元計画安全率の設定ができる補助機能を用意しています。

■主な解析、計算機能一覧
項目 詳細項目 ■処理の流れ
解析法 ・簡易Janbu法
・Hovland法
・Hovland(水中重量)法
安全率
の計算
cφを入力し、安全率を求める→必要抑止力の計算
地形 ・2次元断面を多数入力し、3次元形状を作成
・DEMデータを直接入力(インポート可)
・コンター図からのDEMデータ作成
逆算法 ・c値を固定し、φを求める
・φ値を固定し、Coを求める
・φ値を固定し、Ck経験値(増加係数)を求める
・c-tanφ関係図の作成
対策工
の設計
・3次元抑止力による杭(くさび、せん断、抑え杭)の設計
・2次元抑止力による杭(くさび、せん断、抑え杭)の設計
・アンカー工を考慮した安定解析
特殊
機能
・2次元計画安全率から3次元計画安全率を算出
・地震時の検討
・地すべり面における任意水圧の考慮
・地下水面一括上下移動
・DEMデータ直接入力・編集
・臨界すべり面(回転楕円体面)を自動探索
・すべり方向を任意に変更して解析
ツール
・SXFデータインポートツール
・浸透流解析結果連携ツール(SATL3D):
 四面体1次要素
・地形モデル変換ツール(GMTL3D):
 BoringCD/3D-Pro(GeoMap3D)→LEM用断面データ
 BoringCD/3D-Pro(GeoMap3D)→LEM用DEMデータ

■適用範囲
大項目 中項目 小項目 制限値 備考
地形 層数 多層地盤対応 10  
断面(測線)数   99  
SXFデータ読込み CADデータの読込みに対応  
構成点数 地表面 199  
地下水面 199 有無の指定
可能
地すべり面 199  
層境界面 199 9面
すべり面 すべり面ブロック数(物性組数) 1  
地表面交点数 2 始端、
終端のみ
水没地形 解析は水面を地表面まで強制的に下げて
行います。
× 未対応
解析 コラム分割数 x、y方向分割数 200  

■対策工の設計について
  1. 3次元解析結果(3次元抑止力)による杭工の設計計算ができます。
  2. 同時に、2次元解析結果(2次元抑止力)による杭工の設計計算ができます。
  3. 杭工の設計計算は、「くさび杭」、「せん断杭」、「抑え杭」の3種類に対応しています。
  4. RU-Ly曲線による最適杭位置の検討ができます。
  5. 杭配置として、単列並びに千鳥配置の検討ができます。
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▲抑止杭
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▲アンカー工
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▲アンカー設置画面

■ツール類(補助機能)

SXFデータインポート
2次元断面の入力補助ツールとして、CADデータであるSXFファイルの読込みをサポートしています。

地形モデル変換ツール
BoringCD/3D-Pro(GeoMap3D)の地形データを変換した2次元断面データ、または、DEMデータを本製品でインポートできます。

浸透流解析結果連携ツール
3次元浸透流解析(VGFlow)」の解析結果、または、他社製品の解析結果を定型テキストファイルとすることで、浸透流FEM解析結果より、地すべり解析に必要な地下水面を生成し、斜面安定解析を行うことができます。

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▲GeoMap3D地形変換ツール、
変換後(DEMデータのインポート)
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▲浸透流結果連携ツール(地下水面の生成)

■描画、出力機能
  1. 3D描画機能として、「測線型(Tin型)3D」と「DEM型3D」の両方を表示できます。
    同時に3Dモデル出力も可能(3DS形式、UC-win/Roadで読込み可能)です。
  2. 3次元斜面安定解析結果として、「推力ベクトル図」「最大せん断抵抗力図」などを用意しています。
  3. 「Ru-Ly曲線」「c-tanφ関係図」なども報告書出力ができます。
  4. ツリービューによる出力の選択が容易にでき、出力プレビュー機能をサポート。
    設計条件、計算結果を図表混じりでプリンタ出力、HTML出力が可能です。
    HTML出力、入力データのテキスト出力などをサポートしていることで、データの再利用、報告書の電子化にも便利です。
  5. 解析結果のコンタ図・3D図描画にも対応しています。
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▲3DS形式出力、UC-win/Road読込(透過)
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▲DEMの断面確認(縦横断面図+3D表示)

■地盤解析シリーズのCIM機能強化
地盤解析シリーズの各種製品は、CIM(Construction Information Modeling)機能をより一層強化し、地形データやUC-1の各種地盤関連製品とのスムーズなデータ連携にも対応しています。
地形データ*.GF1ファイルを使用したデータ連携
弾塑性地盤解析(GeoFEAS)2D Ver.4

柔構造樋門の設計 への変位量連携
「弾塑性地盤解析(GeoFEAS2D)」で解析した地盤変形解析結果(沈下・水平変位分布)を「柔構造樋門の設計」にインポートし、函体縦方向のレベル2耐震照査が可能。
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GeoFEAS2D 柔構造樋門

土留め工の設計 における周辺地盤影響解析地盤のみをモデル化し、壁体変位を強制変位で与えて地盤変形の計算が行える。
地盤の動的有効応力解析(UWLC)Ver.2

斜面の安定計算 への加速度連携
高さ30m程度以上の高盛土におけるニューマーク法の適用に際しては、すべり土塊の応答加速度波形を入力地震動とする必要がある。「地盤の動的有効応力解析(UWLC)」と「斜面の安定計算」のデータ連携により、UWLCでの2次元FEM地震応答解析から求められるすべり土塊の、応答加速度波形によるニューマーク法解析に対応。高盛土・大規模盛土安定計算レベル2地震動の安定計算が行える。
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UWLC 斜面の安定計算
2次元浸透流解析(VGFlow2D)Ver.3

GeoFEAS2D への水位線連携
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VGFlow2D GeoFEAS2D

UWLC への水位線連携
斜面の安定計算 への水位線・ポテンシャル線連携
連携ファイル(*.PRS【水位線】、*.PTN【等ポテンシャル線】)によって、飽和/不飽和浸透流FEM解析結果の反映が可能。 
GeoFEAS Flow3D(浸透流解析限定版)

LEM3D への水位面連携
「GeoFEAS Flow3D(浸透流解析限定版)」の解析結果や、他社製品の解析結果を定型テキストファイルとして「3次元地すべり斜面安定解析(LEM3D)」に取り込むことで、地すべり解析に必要な地下水面を生成し、これを用いた3次元斜面安定解析が可能。
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VGFlow3D LEM3D
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  適用基準及び参考文献

参考基準類
  • 道路土工「のり面工・斜面安定工指針」 平成11年3月 社団法人 日本道路協会
  • 「地すべり鋼管杭設計要領」 社団法人 日本地すべり学会 2003.6
参考文献
  • 土木研究所資料第2265号「Hovland法による地すべり三次元安定解析手法」昭和60年11月建設省土木研究所砂防部地すべり研究室
  • 「地すべりの三次元斜面安定解析」 平成7年1月 吉松弘行
  • 「安定解析におけるせん断強度低減法の有効性」 土と基礎 1990.1 鵜飼恵三
  • 「任意形状の地形とすべり面を有する斜面の安定解析」 土木学会論文集 第412号 1989.12 鵜飼恵三、他
  • 「簡易Bishop法,簡易Janbu法およびSpencer法の三次元への拡張」土木学会論文集第394号1988.6鵜飼恵三,他
  • 「モデル化された切土斜面の三次元安定解析と留意点」 地すべり第29巻 第4号 1993 鵜飼恵三、他
  • 「分割法による斜面の三次元安定性の検討」 土と基礎 1988.3 鵜飼恵三
  • 「簡易Janbu法による斜面の三次元安定解析」 地すべり第24巻 第3号 1987 鵜飼恵三
  • 「簡易分割法による斜面の三次元安定解析」 土木学会論文集 第376号 1986.12 鵜飼恵三、他
  • 「粘性土斜面の三次元安定解析」 土木学会論文集 第364号 1985.12 鵜飼恵三
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