■解析方法
解析方法
2次元極限平衡分割法を3次元に拡張した、以下の3手法を扱うことができます。
- ホフランド(Hovland)法
- ホフランド(Hovland(水中重量))法
- 簡易ヤンブ(Janbu法)
計算種類
常時並びに地震時において、以下の計算が可能です。
- 安定率計算
- 逆算法(c固定)
- 逆算法(φ固定)
- c-tanφ関係図
特殊機能
- 地すべり面に任意水圧を考慮(地下水面からの静水圧ではなく、別途検討された水圧を考慮可能)できます。
- 地下水面の上下一括移動(降雨による間隙水圧の上昇や、排水対策による効果などを概略検討)に対応
- 杭工の抑止力は、計画安全率を満足するように算出されるものです。設計基準類の多くは、2次元極限平衡法を対象とした計画安全率を規定していますが、3次元極限平衡法に対する計画安全率の規定は特に見あたりません。通常、2次元計画安全率(Fsp(2D))と等価な3次元計画安全率(Fsp(3D))を設定する場合、計画安全率をやや大きめに見積もる必要があります。本製品では、2次元計画安全率から3次元計画安全率を算出する方法を提案し、3次元計画安全率の設定ができる補助機能を用意しています。
■主な解析、計算機能一覧
項目 |
詳細項目 |
■処理の流れ
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解析法 |
・簡易Janbu法
・Hovland法
・Hovland(水中重量)法 |
安全率
の計算 |
cφを入力し、安全率を求める→必要抑止力の計算 |
地形 |
・2次元断面を多数入力し、3次元形状を作成
・DEMデータを直接入力(インポート可)
・コンター図からのDEMデータ作成 |
逆算法 |
・c値を固定し、φを求める
・φ値を固定し、Coを求める
・φ値を固定し、Ck経験値(増加係数)を求める
・c-tanφ関係図の作成 |
対策工
の設計 |
・3次元抑止力による杭(くさび、せん断、抑え杭)の設計
・2次元抑止力による杭(くさび、せん断、抑え杭)の設計
・アンカー工を考慮した安定解析 |
特殊
機能 |
・2次元計画安全率から3次元計画安全率を算出
・地震時の検討
・地すべり面における任意水圧の考慮
・地下水面一括上下移動
・DEMデータ直接入力・編集
・臨界すべり面(回転楕円体面)を自動探索
・すべり方向を任意に変更して解析 |
ツール
類 |
・SXFデータインポートツール
・浸透流解析結果連携ツール(SATL3D):
四面体1次要素
・地形モデル変換ツール(GMTL3D):
BoringCD/3D-Pro(GeoMap3D)→LEM用断面データ
BoringCD/3D-Pro(GeoMap3D)→LEM用DEMデータ |
■適用範囲
大項目 |
中項目 |
小項目 |
制限値 |
備考 |
地形 |
層数 |
多層地盤対応 |
10 |
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断面(測線)数 |
|
99 |
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SXFデータ読込み |
CADデータの読込みに対応 |
○ |
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構成点数 |
地表面 |
199 |
|
地下水面 |
199 |
有無の指定
可能 |
地すべり面 |
199 |
|
層境界面 |
199 |
9面 |
すべり面 |
すべり面ブロック数(物性組数) |
1 |
|
地表面交点数 |
2 |
始端、
終端のみ |
水没地形 |
解析は水面を地表面まで強制的に下げて
行います。 |
× |
未対応 |
解析 |
コラム分割数 |
x、y方向分割数 |
200 |
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■対策工の設計について
- 3次元解析結果(3次元抑止力)による杭工の設計計算ができます。
- 同時に、2次元解析結果(2次元抑止力)による杭工の設計計算ができます。
- 杭工の設計計算は、「くさび杭」、「せん断杭」、「抑え杭」の3種類に対応しています。
- RU-Ly曲線による最適杭位置の検討ができます。
- 杭配置として、単列並びに千鳥配置の検討ができます。
■ツール類(補助機能)
SXFデータインポート
2次元断面の入力補助ツールとして、CADデータであるSXFファイルの読込みをサポートしています。
地形モデル変換ツール
BoringCD/3D-Pro(GeoMap3D)の地形データを変換した2次元断面データ、または、DEMデータを本製品でインポートできます。
浸透流解析結果連携ツール
「3次元浸透流解析(VGFlow)」の解析結果、または、他社製品の解析結果を定型テキストファイルとすることで、浸透流FEM解析結果より、地すべり解析に必要な地下水面を生成し、斜面安定解析を行うことができます。
▲GeoMap3D地形変換ツール、
変換後(DEMデータのインポート) |
▲浸透流結果連携ツール(地下水面の生成) |
■描画、出力機能
- 3D描画機能として、「測線型(Tin型)3D」と「DEM型3D」の両方を表示できます。
同時に3Dモデル出力も可能(3DS形式、UC-win/Roadで読込み可能)です。
- 3次元斜面安定解析結果として、「推力ベクトル図」「最大せん断抵抗力図」などを用意しています。
- 「Ru-Ly曲線」「c-tanφ関係図」なども報告書出力ができます。
- ツリービューによる出力の選択が容易にでき、出力プレビュー機能をサポート。
設計条件、計算結果を図表混じりでプリンタ出力、HTML出力が可能です。
HTML出力、入力データのテキスト出力などをサポートしていることで、データの再利用、報告書の電子化にも便利です。
- 解析結果のコンタ図・3D図描画にも対応しています。
▲3DS形式出力、UC-win/Road読込(透過) |
▲DEMの断面確認(縦横断面図+3D表示) |
■地盤解析シリーズのCIM機能強化
地盤解析シリーズの各種製品は、CIM(Construction Information Modeling)機能をより一層強化し、地形データやUC-1の各種地盤関連製品とのスムーズなデータ連携にも対応しています。 |
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地形データ*.GF1ファイルを使用したデータ連携 |
弾塑性地盤解析(GeoFEAS)2D Ver.4
柔構造樋門の設計 への変位量連携
「弾塑性地盤解析(GeoFEAS2D)」で解析した地盤変形解析結果(沈下・水平変位分布)を「柔構造樋門の設計」にインポートし、函体縦方向のレベル2耐震照査が可能。
土留め工の設計 における周辺地盤影響解析地盤のみをモデル化し、壁体変位を強制変位で与えて地盤変形の計算が行える。 |
地盤の動的有効応力解析(UWLC)Ver.2
斜面の安定計算 への加速度連携
高さ30m程度以上の高盛土におけるニューマーク法の適用に際しては、すべり土塊の応答加速度波形を入力地震動とする必要がある。「地盤の動的有効応力解析(UWLC)」と「斜面の安定計算」のデータ連携により、UWLCでの2次元FEM地震応答解析から求められるすべり土塊の、応答加速度波形によるニューマーク法解析に対応。高盛土・大規模盛土安定計算レベル2地震動の安定計算が行える。
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2次元浸透流解析(VGFlow2D)Ver.3
GeoFEAS2D への水位線連携
UWLC への水位線連携
斜面の安定計算 への水位線・ポテンシャル線連携
連携ファイル(*.PRS【水位線】、*.PTN【等ポテンシャル線】)によって、飽和/不飽和浸透流FEM解析結果の反映が可能。 |
GeoFEAS Flow3D(浸透流解析限定版)
LEM3D への水位面連携
「GeoFEAS Flow3D(浸透流解析限定版)」の解析結果や、他社製品の解析結果を定型テキストファイルとして「3次元地すべり斜面安定解析(LEM3D)」に取り込むことで、地すべり解析に必要な地下水面を生成し、これを用いた3次元斜面安定解析が可能。
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