CPD |
■CPDとは
CPDとは、Continuing Professional Developmentの略で、社会に出てからの自己研鑽、継続教育を意味します。多くの土木技術者は、自ら高い職業意識を持ち、自己研鑽して技術者としての能力を高めてゆく努力を行っていると考えられますが、これを証明する手段がありません。そこで、土木学会では、2001年に、土木技術者として能力の維持・向上を支援することを目的に、CPD(継続教育)制度を創設し、技術者としての評価を獲得し認知してもらうための運営を推進しています。
CPD制度は、他の学協会も含めて、図-1のように、(1)CPDプログラムの提供、(2)CPDの記録、(3)CPDの証明という運用形態から成り立っており、CPDの記録・登録では、その成果をCPD認定単位(ポイント)で定量化し、土木技術者の継続教育の実績評価の指標としています。今後、CPDに対する関心、必要性が高まり、この制度を利用する技術者が増えるものと考えられます。
▲図-1 CPD制度の運用形態
■CPDの活用例
次に、CPD制度によって得られたCPD認定単位の活用例を紹介します。概ね、次の通りです。
(1)技術者及び企業の技術力評価
(行政機関の発注業務における入札審査や入札参加資格審査)
(2)社内での昇進・昇給
(3)ISO9001【6.2.2力量、認識及び教育・訓練】の記録
(4)資格更新時の証明
例えば、資格更新時の証明として、日本技術士会のAPECエンジニア資格や土木学会の認定技術者資格では、資格更新に5年間250単位以上、建設コンサルタンツ協会のRCCM資格者は、4年間100単位以上が必要とされています。
■CPDの教育分野と教育形態
CPDは、表-1に示すように、4つの分野、4つの形態に分類されます。教育分野においては、どうしても専門技術分野に偏る傾向がありますが、バランスのよい学習範囲が求められているようです。教育形態としては、講習会、研修会などを受講する参加学習型が多いのではないかと考えられます。
▼表1 CPDの教育分野と形態
分野と形態 |
分野/パターン |
説明 |
教育分野 |
基礎共通分野 |
基礎的な共通一般に係わるもの |
専門技術分野 |
土木の専門的な技術分野に係わるもの |
周辺技術分野 |
土木に対する周辺的(学際的)な技術分野に係わるもの |
総合管理分野 |
総合的な管理技術に係わるもの |
教育形態 |
参加学習型 |
講習会、研修会、講演会、シンポジウム参加、企業内研修 |
情報提供型 |
論文等の発表、技術指導、技術会議への出席 |
実務学習型 |
OJT※、業務経験など |
自己学習型 |
学会誌購読、通信教育、教育ビデオ学習など |
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※OJT:on-the-job trainingの略。職場での実務を通じて行う従業員の教育訓練を指す。
■CPDプログラムとは
土木学会、日本技術士会、地盤工学会などの建設系学協会のCPD認定単位の統一、CPD単位の相互認証を目的に「建設系CPD協議会(http://www.cpd-ccesa.org/)」が設立され、このWEBサイトではCPDプログラム情報が閲覧できます。現在、建設系CPD協議会には、13学協会が加盟しています(順不同)。
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(社)空気調和・衛生工学会
(社)建設コンサルタンツ協会
(社)地盤工学会
(社)日本環境アセスメント協会
(社)全国土木施工管理技士会連合会
(社)土木学会
(社)日本造園学会
土質・地質技術者生涯学習協議会
(社)日本技術士会
(社)日本都市計画学会
(社)日本コンクリート工学協会
(社)日本建築学会
(社)農業農村工学会
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▲図-2 建設系CPD協議会WEBサイト(http://www.cpd-ccesa.org/) |
相互認証の例として、土木学会認定CPDプログラム情報サイトでは、(社)日本技術士会、(社)地盤工学会、(社)日本コンクリート工学協会、(社)全国土木施工管理技士会連合会が主催したプログラムについては、土木学会認定CPDプログラムと位置付けているとしています。
■FORUM8の取り組み
フォーラムエイトでは、2001年8月より、設計エンジニアを対象した有償セミナーをスタートし、2007年9月末までに306回2317名の方が受講されています。現在、「弾塑性地盤解析GeoFEASセミナー」、「土留め工の設計セミナー」は、(社)地盤工学会のCPDプログラムの認定を得ており、受講者は、CPD認定単位として5.5ポイントを取得することができます。本セミナーの「CPDポイントの地盤工学会認証申請書」には、地盤工学会、全国土木施工管理技士会連合、農業農村工学会の会員の方がCPDポイントを申請できる旨の記載がなされています。全国土木施工管理技士会連合、農業農村工学会に申請する場合は、上記3団体共通の申請書・受講証明書が、建設系CPD協議会HP内にありますので、こちらの共通書式をご利用下さい。
また、海外セミナーでもCPDが重要視されており、本年2月に開催したバーチャルリアリティをテーマとしたシンガポールセミナーでは、現地機関にCPDプログラムとして認定され、多くの方に聴講いただきました。
弾塑性地盤解析セミナー |
開催地 |
開催日 |
広島 |
5月22日(木) |
札幌 |
6月12日(木) |
土留め工の設計セミナー |
開催地 |
開催日 |
広島 |
5月23日(金) |
鹿児島 |
6月06日(金) |
札幌 |
6月13日(金) |
静岡 |
6月19日(木) |
▲表-2FORUM8セミナー予定 |
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▲図-3 シンガポールセミナー (7 CPD POINTS) |
他のセミナーにつきましても、適切と考えられる学協会にCPDプログラムとして認定して頂くように努力し、多くの受講者のCPDに貢献して参りたいと考えております。
セミナーフェア情報
■参考資料
・土木学会誌 vol.92 no.10 October 2007 ミニ特集CPDって何?
・土木学会 継続教育(CPD)制度資料 平成18年11月 土木学会 技術推進機構
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