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  プログラム概要

  様々な断面形状を持つ鉄筋コンクリート断面の応力度計算、必要鉄筋量、最小鉄筋量、抵抗モーメント、終局モーメント、初降伏モーメントの計算と、限界状態設計法による断面照査を行うプログラムです。
平成29年道路橋示方書に対応し、部分係数法による照査を新たに導入しております。

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▲メイン画面

  関連情報
新製品紹介
  Ver.3.0.0 改訂内容<2019年 10月 1日リリース>NEW
ライン
  1. 限界状態設計法による照査に対応し、準拠基準としてコンクリート標準示方書[2017年制定]をサポート
  2. 二軸断面として、選択可能な断面形状に「任意二軸」、「矩形二軸」、「小判二軸」を追加
  3. 引張鉄筋範囲スイッチの引張側において、中立軸とコンクリート図心を追加
  4. 概要出力及び一覧出力で有効応力度の出力に対応
  プログラムの機能と特長

鉄筋コンクリート部材の限界状態1における特性値算出方法
コンクリートの圧縮応力度が設計基準強度の2/3を超えるとコンクリートに残留ひずみが生じる可能性がございます。そのため、降伏曲げモーメントの特性値の算出にあたり、鉄筋の引張応力度が降伏強度に達した際に、コンクリートの圧縮応力度が設計基準強度の2/3に達する場合には、コンクリートの圧縮応力度が設計基準強度の2/3に達するときの抵抗曲げモーメントを、降伏曲げモーメントの特性値として扱い、制限値と比較致します。なお、圧縮応力度が設計基準強度の2/3以下となる範囲では、以下の応力度−ひずみ曲線を使用します。

耐久性に関する照査
部材が設計耐久期間を100年とした場合において、耐久性を確保するよう、内部鋼材の防食、コンクリート部材の疲労について以下を確認します。

<内部鋼材の防食>
永続作用が支配的な状況において、鉄筋コンクリート構造部材については、引張応力度が制限値を越えていないか確認致します。プレストレストコンクリート部材については、プレストレストコンクリート適応範囲のコンクリートの圧縮応力度及びコンクリートの斜引張応力度が制限値を越えていないか確認致します。

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▲コンクリートの応力度-ひずみ曲線

<コンクリート部材の疲労>
繰り返し作用する活荷重などの変動作用に対して、疲労の影響がないように設計を行う必要がございます。変動作用の組合せについては、次式の組合せのみを対象とします。
  • 1.0(D+L+PS+CR+SH+E+HP+U)  (1)

鉄筋コンクリート部材の場合には、鉄筋の引張応力度及び、コンクリートの圧縮応力度について制限値を越えていないかを確認致します。プレストレストコンクリート部材の場合には、PC鋼材の引張応力度、コンクリートの圧縮応力度、コンクリートの斜引張応力度について制限値を越えていないか確認致します。

制限値と比較する応力度の種類
鉄筋の引張応力度 プレストレストコンクリート部材
鋼材の防食 鉄筋の引張応力度 コンクリートの圧縮応力度
コンクリートの斜引張応力度
コンクリート部材の疲労 鉄筋の引張応力度
コンクリートの圧縮応力度
PC鋼材の引張応力度
コンクリートの圧縮応力度
コンクリートの斜引張応力度
表1 耐久性能照査に用いる応力度

耐荷性能に関する照査
作用の組合せに対して、限界状態1は(1)式を、限界状態3は(2)式を満足することを確認します。

▲「初期入力」画面の適用基準スイッチ

ここに、Si:応答値、γpi:荷重組合せ係数、γqi:荷重係数、Pi:作用
 RS:限界状態1の特性値、RU:限界状態3の特性値
 ξ1:調査・解析係数、ξ2:部材・構造係数、
 φRS:限界状態1の抵抗係数、φRU:限界状態3の抵抗係数

なお、本製品は、平成29年道路橋示方書にのみ対応した製品となります。旧道路橋示方書およびその他の基準による照査は含まれません。
※使用可能な材質は、コンクリート、鉄筋、PC鋼材のみとなります。

照査項目 限界状態1 限界状態3 適用範囲
曲げ、軸力
 
Md≦Myd Md≦Mud
せん断力 Sd≦Sucd
Sd≦Susd
Sd≦Sucd
Sd≦Susd
ねじり Mtd≦Mtusd
Mtd≦Mtucd
Mtd≦Mtusd
Mtd≦Mtucd
照査項目 限界状態1 限界状態3 適用範囲
曲げ、軸力 σc≦σctl
σc≦σccl
Md≦Mud σc≦σc0
σp≦σp0
せん断力 σI≦σIm Sd≦Sucd
Sd≦Susd
σI≦σI0
σc≦σctl
ねじり σI≦σIm Mtd≦Mtusd
Mtd≦Mtucd
σI≦σI0
表2 鉄筋コンクリート構造 表3 プレストレストコンクリート構造

2017年制定コンクリート標準示方書に準拠
耐久性、安全性、使用性それぞれの要求性能が基準を満たしているかの照査を行います。
要求性能ごとに断面力(曲げモーメント、軸方向力、せん断力、ねじりモーメント)及び、部材係数、材料係数、構造物係数の設定を可能とし、全ての要求性能に対する照査を一括で行うことが出来ます。また、部分係数法と同様に、断面力を1断面に対して複数ケース設定することが可能です。

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 入力画面

<要求性能に対する照査に対応した断面形状>

断面形状

耐久性、使用性

安全性

断面破壊

疲労破壊

曲げ

ひび割れ

せん断

ひび割れ

ねじり

ひび割れ

曲げ

耐力

せん断

耐力

ねじり

耐力

曲げ

疲労

せん断

疲労

矩形

円形

小判型(横)

小判型(縦)

BLOCK入力

I桁

T桁

WT桁

箱桁※

円孔ホロー桁

矩形二軸

円形二軸

任意二軸

要求性能に対する照査に対応した断面形状
※箱桁断面において2室以上及びハンチを指定した場合は、曲げに対する照査のみとなります。

二軸断面の計算
<任意二軸断面の入力機能>
格点座標を入力することで、格点を頂点とする任意の断面形状を作成することが可能です。
※二軸断面はM-φ算出や部分係数法および限界状態設計法による照査には対応しておりません。

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任意二軸断面の入力画面

<応力度計算機能>
水平軸回りの曲げモーメント、垂直軸周りの曲げモーメント、軸力を入力することで、二軸の応力度の計算を行います。下図に示す記号の結果を確認出来ます。

  • σc :コンクリートの応力度
  • σs :鉄筋の応力度
  • y1’ :中立軸位置から圧縮側最縁距離
  • y2 :中立軸位置から引張側最縁距離
  • θ :中立軸の傾き
  • r :図心から中立軸までの距離
任意二軸断面の入力画面
  照査結果
各限界状態における照査結果をサポートしております。また、図面として、従来製品と同様にM-φ曲線および、N-M図を作成します。

 
▲M-φ曲線   ▲N-M図
  リボンコントロール
アイコンのサイズが大きくなり、下部に機能説明を表示することで、新規ユーザにとっても分かり易い仕様となります。

断面のブロック化入力機能
一軸対称の断面を複数の台形と円形の組合せで表したパターンにてご入力していただけます。ユーザーが任意の対称断面をご入力していただくことが可能となります。

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▲ブロック入力選択画面及び寸法入力画面

アンドゥ・リドゥ機能
一度行った作業を元に戻したい場合、アンドゥボタンもしくはリドゥボタンをクリックするだけで、データを変更前に戻すことが可能です。

入力データ出力機能
ご入力いただいた照査条件などを出力致します。照査がどのような入力条件で行われたかレポートのみで確認していただくことができます。

詳細データ出力機能
算出式や計算過程における値の出力致します。照査結果の検算などにご利用していただくことができます。

保存ファイル
ファイル保存形式をバイナリからXMLへ変更しております。XMLファイルはメモ帳等で中身を確認することが可能で、データ破損に対する修復の可能性が向上しております。
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  適用基準及び参考文献

  • 道路橋示方書 I 共通編 平成29年7月 (公社)日本道路協会
  • 道路橋示方書 III コンクリート橋・コンクリート部材編 平成29年7月 (公社)日本道路協会
  • 道路橋示方書 IV 下部構造編 平成29年7月 (公社)日本道路協会
  • 道路橋示方書 V 耐震設計編 平成29年7月 (公社)日本道路協会
  • 2017年制定 コンクリート標準示方書【設計編】 平成30年3月 土木学会

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