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  プログラム概要

「橋梁長寿命化修繕計画策定支援システム」は、道路橋の計画的管理に関する調査研究(H21)、道路アセットマネジメントハンドブック(2008)に準拠し、道路橋の長寿命化修繕計画の作成を行うプログラムです。
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  プログラムの機能と特長

■健全度の定義
橋梁の現在または将来の状態を表す健全度の定義については、損傷程度と損傷要因を基に橋梁の安全性と補修工事の内容に応じてランク付けします。

健全度ランク 橋梁の状態
I ・劣化や変状がほとんど認められない。
・機能的に問題がない。
II ・軽微な劣化や変状が認められる。
・部材の機能低下は見られず、利用者等への影響はない。
III ・劣化や変状が進行している。
・部材の機能低下は小さく、利用者等への影響はほとんどない。
・一般に小規模な補修工事により機能の回復が図られる。
IV ・劣化や変状が広範囲に進行している。
・部材の機能低下が進行し、利用者等への影響が危惧される。
・比較的規模の大きな補修工事が必要となる。
V ・劣化や変状が著しく進行している。
・部材の機能が大きく低下しており、利用者等に危険が及ぶ恐れがある。
・大規模な補修工事、部材の更新または架替の必要がある。
▲健全度の定義


■劣化要因
計算上考慮する劣化要因としては、塗装劣化・腐食、鋼材疲労、床版疲労、塩害、中性化、経年劣化(1.支承・伸縮装置、2.高欄・地覆、3.桁・床版・下部工等)の6項目を考慮します。

部材 材質 劣化要因
塗装劣化・腐食、鋼材疲労、経年劣化
コンクリート 塩害(塩害地域のみ)、中性化(塩害地域以外のみ)、経年劣化
床版 塗装劣化・腐食、鋼材疲労、経年劣化
コンクリート 床版疲労、経年劣化
橋台、橋脚 コンクリート 塩害(塩害地域のみ)、中性化(塩害地域以外のみ)、経年劣化
支承 経年劣化
伸縮装置 鋼、ゴム 経年劣化
その他部材 鋼、ゴムコンクリート 経年劣化
▲計算上考慮する劣化要因


■劣化モデルの概要
これらの劣化モデルで定義される数値パラメータ(健全度に対する経過年数)については、プログラム内において初期設定がなされており、たとえば地域特性を考慮するなどの場合に対して任意変更が可能で、劣化モデルの設定変更を自由に行うことができます。

塗装劣化・腐食
塗装劣化・腐食は、塩害地域と塩害地域以外それぞれについて、さび発生面積の割合に着目し、劣化モデルを設定します。塗装内容は、一般塗装系(A,B)とします。
環境条件 健全度 年数
塩害地域以外 I、II、III 15年
IV 21年
V 40年
塩害地域以外 I、II、III 10年
IV 14年
V 25年

鋼材疲労
鋼材疲労は、大型車交通量が1日当たり5000台以上の橋梁のみを対象とします。これら橋梁に対する平均的な疲労亀裂発生年数の推定値と想定される損傷状況をもとに劣化モデルを設定します。

床版疲労
床版疲労は、S47道路橋示方書以前と以降、および、大型車交通量の状況をもとに劣化モデルを設定します。

塩害
塩害は、潜伏期、および、加速期・劣化期に区分します。潜伏期は、塩化物イオンの拡散予測式(フィックの第2法則)を用いて鉄筋位置での塩化物イオン量を予測します。塩化物イオン量が1.2kg/m3に達した時点を鋼材腐食の発生時点とみなします。加速期・劣化期は、塩害による鋼材体積減少率の予測式を用いて鋼材体積減少率を求めます。これらの塩化物イオン量、鋼材体積減少率の数値と年数、健全度を対応付けし劣化モデルを設定します。

中性化
中性化は、塩害地域以外のコンクリート桁、および、下部工に適用します。中性化による損傷調査および土木学会式による試算結果を参考に、劣化モデルを設定します。

経年劣化
(1. 支承・伸縮装置、2. 高欄・地覆、3. 桁・床版・下部工等)
支承・伸縮装置は一定の補修経過年サイクルで取替えがなされてきたと仮定します。高欄・地覆、桁・床版・下部工等についても、一定の補修経過年サイクルで部材損傷に対する補修がなされてきたと仮定します。


■補修工法単価
補修工法に応じた工事単価は、プログラム内において初期設定がなされており、経済情勢や技術向上に伴う単価見直し等を考慮するなどの場合に対して任意変更が可能です。

補修工法 補修工事費 補修単価 単位
再塗装(3種ケレン) 再塗装工事単価×塗装数量+全面吊り足場単価×足場数量 3,000 円/m2
再塗装(1種ケレン) 同上 8,500 円/m2
架替え 架替え工事単価×架替え数量 400,000 円/m2


■『橋梁点検支援システム』との連動に対応
主な相互間の連動内容は以下の通りです。
※別途『橋梁点検支援システム』『橋梁点検支援システム(国総研版)』のライセンスが必要です。

橋梁点検支援システム → 本プログラム
橋梁点検支援システムにおいて設定した橋梁諸元、点検結果を本プログラムに読込みます。橋梁点検側では、「橋梁定期点検要領(案)H16」または「道路橋に関する基礎データ収集要領(案)H19」に対応しているため、旧式の判定区分(a〜e等)をユーザ様の設定に応じて新しい判定区分、健全度T〜Wに振り分けます。読み込んだデータは、長寿命化計画での利用はもちろん、点検表記録様式(図3)の出力にも用いることができます。

本プログラム → 橋梁点検支援システム
橋梁編集画面において、関連付けされた橋梁点検データに対応する橋梁点検支援システムを、該当するデータを読込んだ状態で起動します。これにより、点検データの編集を容易に行うことが可能となりました。
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