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  プログラム概要

水道施設耐震工法指針(1997年、2009年)日本水道協会に準拠し、配水池の耐震設計計算を行うプログラムです。

設計可能な構造形式は1池タイプまたは2池併設タイプのRC構造による配水池で、内部構造は(1)内部に柱・迂流壁無し、(2)内部に迂流壁あり、(3)内部に柱ありの3タイプに対応可能です。
設置状態は、地中設置、一部地中設置、地上設置に対応し、内水状態は2池満水、1池満水他空虚、2池空虚のそれぞれのケースを一括に設計可能としています。

設計の考え方は震度法および応答変位法に対応し、常時、レベル1地震時、レベル2地震時の検討が可能です。レベル2地震時の検討では、部材のM-φを考慮した曲げ剛性低減処理をプログラム内部で自動処理しています。
また、Engineer's Studio®へのエクスポート機能に対応しています。
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サポートトピックス
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  Ver.9.0.0 改訂内容<2020年 4月 6日リリース>NEW

  1. 排水ピットの計算に対応
  2. 『道路橋示方書・同解説 V耐震設計編』における液状化判定に対応
  3. 『下水道施設耐震計算例 処理場・ポンプ場編 P.2-56』の応答変位法に対応
  4. 底版の作用荷重として地下水による浮力を考慮できるように対応
  5. 3Dアノテーションに対応
  6. 『駐車場設計・施工指針 同解説 平成4年11月』におけるレベル2地震時の変位振幅の算出に対応

  プログラムの機能と特長

■配水池とは
配水池とは、配水地域における1日の給水量の時間変動を調整する目的、および、浄水場やポンプ場等で事故が生じても直ちに断水することがないようにする目的のために設置される上水用の施設です。
構造物の大きさは、数メートル四方・高さ数メートル程度の小規模なものから、中規模・大規模(数十メートル四方、多層構造)なものまで多様ですが、本製品の初期バージョンは、小規模構造を想定した配水池の設計計算プログラムとしています。

■機能
  • 構造寸法・設計条件の入力後、検討方向(X・Y方向)について骨組モデルを自動作成し解析を実行、各部材の断面照査も自動で行うなど一貫設計が可能。
  • 荷重計算、地盤抵抗バネ値、骨組モデル作成とフレーム解析、断面力抽出、断面照査といった各段階の処理を一連でサポート。
  • 断面照査については、レベル1地震時に対してRC断面計算(許容応力度法)、レベル2地震時に対してRC断面計算(限界状態設計法)を適用。
  • 基礎形式は、杭基礎・直接基礎に対応。杭基礎反力の算出では、任意の杭配置、杭頭条件で支持された配水池の骨組み構造解析が可能。
  • 震度法を適用した非線形解析として、荷重増分法によりプッシュオーバー解析が可能。部材の非線形性として、ファイバーモデル、M-φモデルに対応。また、解析時の水平震度−水平変位曲線の出力に対応。
  • Engineer's Studio®へのエクスポート機能に対応。
  • 構造物特性係数(Cs)を用いたレベル2地震時の線形解析に対応。

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    ▲基本データ画面 ▲線形解析時に作用する荷重

■設計計算部
  • 対象構造形式:2池併設タイプのRC構造による配水池
  • 内部構造:柱・迂流壁なし、迂流壁あり、柱あり 、柱・梁あり、迂流壁・柱あり
  • 目地ジョイントに対応。目地部分を湾曲した形状とすることで、目地部の変位に 対応し、地震時の追従性を考慮した可とう性目地の解析モデル化に対応。
  • 設置状態:地中設置、一部地中設置、地上設置
  • 内水状態は、「2池満水、1池満水他空虚、2池空虚」の3ケースを一括に設計可能です。
  • 設計方法は、常時、レベル1地震時、レベル2地震時の検討が可能です。地震時については、震度法または応答変位法の選択が可能です。
  • 設計の検討方向としては、「2池満水X方向、2池満水Y方向、1池満水他空虚+X方向、1池満水他空虚-X方向、2池空虚Y方向」の5ケースについて考慮します。
    地震時検討モデルは、X方向、Y方向とも、2次元平面骨組モデルを内部で自動作成し、断面力を求めます。
  • レベル2地震時の検討では、部材のM-φを考慮した曲げ剛性低減処理をプログラム内部で自動処理しています。
  • 断面照査については、レベル1地震時に対してRC断面計算(許容応力度法)、レベル2地震時に対してRC断面計算(限界状態設計法)を適用します。
  • 液状化の判定機能を有しています。 『土地改良事業計画設計基準及び運用・解説 設計「水路工」』における液状化判定に対応しています。
  • 液状化による土質定数の低減に対応しています。
  • 杭基礎反力の算出では、任意の杭配置、杭頭条件で支持された配水池の骨組み構造解析が可能です。
  • 頂版または地表面上の任意載荷重(機械設備や監視室などの設置荷重)、横方向からの任意側圧など、任意分布荷重の入力が可能です。

■入力部
  • 躯体形状は、頂版・底版・側壁・隔壁などの部材厚、水槽の内幅・内高、隅角部ハンチ寸法などを入力可能です。
    また、配筋データは、頂版・底版・側壁・隔壁などの部材ごとに軸方向鉄筋、およびせん断補強鉄筋を入力可能です。
  • 耐震壁の考慮、地盤高の左右(または前後)非対称に対応。
  • 頂版または地表面上の任意載荷重(機械設備や監視室などの設置荷重)、横方 向からの任意側圧など、任意分布荷重の入力が可能。

■設置状態
設置状態は、(1)地中設置、(2)一部地中設置、(3)地上設置が可能。多層地盤に対応し、地下水位の考慮も可能。
▲地中設置 ▲一部地中設置 ▲地上設置



■耐震壁に対応
耐震壁は適用基準「水道施設耐震工法指針2009年版」に対応可能です。また、形状選択と分担幅の入力を行い、部材の非線形特性がM-φモデルのときは、M-φ計算値を内部設定(入力変更も可)としています。
形状とそのモデル化については下記の通りです。
迂流壁・柱なし 1997年版同様のモデル化
迂流壁あり 迂流壁分を考慮したモデル化
柱あり 側壁分を考慮したモデル化
迂流壁・柱あり 側壁分 、または、柱間分(柱と迂流壁が重なっている場合)、
または、迂流壁分(柱と迂流壁が重なっていない場合の迂流壁分)を考慮したモデル化
耐震設計法 応答変位法
照査項目 ・管体応力、ひずみの照査
・継手伸縮量
・継手屈曲角度

▲ 基本データ画面 ▲ 2009年版選択時の耐震壁設定画面

モデル化は1997年版と同様、一池分の骨組部分に対して、工の字状の耐震壁エレメントを配置します。上下横方向には剛域部材(図中の水色部材)、縦方向にはファイバー要素もしくはM-φ要素(図中の赤色部材)を設定します。この耐震壁エレメントの4隅を、壁がない場合の骨組モデルに二重格点を用いて結合します。


▲ 耐震壁の骨組モデル化

▲ 柱間分の耐震壁考慮 ▲ 迂流壁の耐震壁考慮

また、迂流壁と柱の混在できるモデルに対応しています。
▲ 迂流壁と柱の重なる例 ▲ 迂流壁と柱の重ならない例

■迂流壁ありタイプ
躯体の内部に迂流壁(導流壁とも呼びます)をもつ配水池タイプを指します。
迂流壁の配置方向はX方向、またはY方向のいずれかを選択可能です。
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▲迂流壁ありタイプの入力

■柱ありタイプ
躯体の内部に柱をもつ配水池タイプを指します。柱の配置方法は格子状配置を前提とします。
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▲ 柱ありタイプの入力

■隔壁の任意位置に対応
二池構造の場合、左右水槽の内幅を変更可能とすることにより隔壁の位置を変更し、左右非対称モデルを可能とします。


▲ 形状(躯体)画面

左右の水槽の内幅が違うことにより、柱や迂流壁の個数や間隔が違うことへの考慮も行います(柱と迂流壁の形状は変化致しません)。



■設計の考え方
  • レベル1地震時、レベル2地震時震度法による耐震設計の考え方、応答変位法による耐震設計の考え方を指定可能。
  • 検討方向:2池満水X方向、2池満水Y方向、1池満水他空虚+X方向、1池満水他空虚−X方向、2池空虚Y方向について考慮。
    地震時検討モデルは、X方向・Y方向とも、2次元平面骨組モデルを内部で自動作成し、断面力を算出。
  • 主な荷重は、上載荷重、躯体自重、外圧(土圧・水圧)、内圧(水圧)、任意荷重、地震時の土圧、水圧、慣性力などに対応。浮力検討時の雪荷重にも対応。 また、上載荷重および雪荷重の地震時慣性力成分の自動設定に対応。

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    ▲図頂版に作用する荷重イメージ
  • 荷重の組合せは自動的に行い、各部材に発生する最も大きな断面力が抽出されて、断面照査(許容応力度法、限界状態設計法)が自動的に行われます。
  • 骨組構造およびその質量分布を基にして、純粋に固有値解析を行う方法で構造系の振動数を求め、固有周期を算定。
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▲荷重組合せ

■地震の影響による剛性の低下
レベル2地震時に対して、地震の影響による剛性の低下として部材(鉄筋)が降伏した後の剛性低下の考慮が必要であり、部材のM-φを基にした曲げ剛性 の評価、低減処理を自動処理し、剛性残存率を考慮した骨組解析が可能。

■液状化の判定
液状化抵抗係数FL=R/Lが1.0以下の場合、液状化するものと判定。各地層ごとに液状化の判定の指定が可能で、N値は層ごとの平均値、任意深度ごとに入力した値との選択可能。

■水道施設耐震工法指針・解説 2009年版
耐震性能区分(耐震性能1:地震によって健全な機能を損なわない性能、耐震性能2:地震によって生じる損傷が軽微であって、地震後に必要とする修復が軽微なものにとどまり、機能に重大な影響を及ぼさない性能、耐震性能3:地震によって生じる損傷が軽微であって、地震後に修復を必要とするが、機能に重大な影響を及ぼさない性能)およびプッシュオーバー解析、2009年版記載の応答変位法をサポートしています。

■本製品のメリット
現状の設計業務では、荷重計算、フレーム解析、断面照査等の各段階ごとに設計を行っているのが現状で非効率的。
本製品はこれら各段階の設計を1つのプログラムで一連処理を可能にしたソフトウェアです。
設計条件を入力し、骨組モデルをプログラム内部で自動作成してフレーム解析を実行、各部材の断面照査を自動で行い、計算書の作成までを行う設計計算プログラムなので、設計業務をより効率的に行えます。

■設計計算モデル
常時 地震時
頂版・底版 2方向版として設計 2次元フレーム、梁部材として設計
側壁・隔壁・迂流壁 鉛直方向の梁部材として設計
設計しない
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配水池の解析支援サービス

水道施設耐震工法指針・解説2009年版(社団法人日本水道協会)の「池状構造物に対する静的非線形解析」に対応したEngineer's Studio®を用いたプッシュオーバー解析です。

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▲変形ならびにコンクリートの損傷 ▲中間柱のコンクリート損傷状況
および応力ひずみ履歴
▲設計事例集解析結果との比較
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  適用基準及び参考文献

適用基準
  • 水道施設耐震工法指針・解説 2009年版 社団法人 日本水道協会
  • 下水道施設耐震計算例 処理場・ポンプ場編 2015年 公益社団法人 日本下水道協会

参考文献
  • 鉄筋コンクリート構造計算基準・同解説−許容応力度設計法−1999 社団法人 日本建築学会
  • 土地改良事業計画設計基準及び運用・解説 設計「水路工」 平成26年3月 公益社団法人 農業農村工学会
  • 道路橋示方書・同解説 Vコンクリート橋編 平成24年3月 公益社団法人 日本道路協会
  • 道路橋示方書・同解説 X耐震設計編 平成29年11月  公益社団法人 日本道路協会
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